是枝裕和監督、IUのために追加したシーンも?映画「ベイビー・ブローカー」の裏話明かす“彼女の歌声が聞きたかった”

Newsen |

写真=チョン・ユジン
映画「ベイビー・ブローカー」の是枝裕和監督が、IUに特別な愛情を表した。

「第75回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に正式にノミネートされた「ベイビー・ブローカー」を演出した是枝裕和監督は最近、韓国メディアとの取材でIUへの称賛を惜しまなかった。

彼は「劇中、IUが子守唄を歌うシーンが出てくる。僕が書いた台詞をIUが発音する瞬間、詩のようだった。心地よいメロディを聞いているような気がした」と褒めた。

続けて「IUが台詞を言うと、メロディーのようで癒されるような気持ち良い感じがした。現場でIUの台詞のトーンや音色を聞きながらとても気持ち良い時間を過ごした」と愛情を示した。

また、「子守唄のシーンは、IUがキャスティングされた後に追加したシーンだ。おそらく僕がIUの歌が聞きたくてそのシーンを入れたのではないかと思う」と明かし、笑いを誘った。

IUのキャスティングと関連し、是枝裕和監督は「先に何度も申し上げたが、新型コロナウイルス感染症の状況で家にいる時間が長くなり『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』にすっかりはまってしまった。それ以来、日本で入手できるアルバムや公演のDVDなどを見た。それで『本当に歌が上手な人だな』と思った」と説明した。

続けて「IUが作詞・作曲した楽曲ではないが、韓国でYouTubeのある映像を見た。音楽作曲家のチョン・ジェイルさんがピアノを演奏し、IUが昔の歌を歌っている映像があった。その映像がとても印象的で『本当に優れた歌唱力を持った歌手だ』と鳥肌が立ったことを覚えている」と振り返った。

IUが持つ女優としての魅力について「まず、女優イ・ジウン(IUの本名)の魅力を挙げるとしたら、声だ。僕は韓国語の意味が分からないまま演出していたが、声から伝わる雰囲気を通じて、意味は分からないが表現力で十分に感情が伝わってきた」と話した。

また「女優として非常に勘がいい。ニュアンスをキャッチするのが速くて、僕が若干違和感を感じた時『これはこういう風にして』と演出のディレクションをした後から出てくる演技を見ると、本当に正解で完璧だった。その答えを見つける速度も非常に速かった」と感嘆した。

ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、IUが熱演した「ベイビー・ブローカー」は、子供を育てられない人が匿名で赤ちゃんを預けていくベイビー・ボックスを巡って出会っていく人間関係と、予想できなかった特別な旅を描く。

日本の巨匠である是枝裕和監督初の韓国映画の演出作で、6月8日に韓国で公開される。

・是枝裕和監督の韓国映画「ベイビー・ブローカー」カンヌ国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞!日本人では4人目

・是枝裕和監督、映画「ベイビー・ブローカー」のカンヌでの公式上映を終えて感想を語る“思っていた以上に届いたと思う”

記者 : イ・ジェファン