「二十五、二十一」キム・テリ“33歳で高校生役…少しでも近づけるよう皮膚科に一生懸命通った”

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。

キム・テリが、優れた演技で再び視聴者の心をつかんだ。韓国で4月3日に放送が終了したtvN土日ドラマ「二十五、二十一」は1998年、時代に夢を奪われた若者たちの迷いと成長を描いた作品だ。劇中でキム・テリは、IMF(国際通貨基金)危機の影響でチームはなくなったが、夢を諦めずにフェンシングの期待の星となったナ・ヒド役を務めた。キム・テリ流の青春ロマンスに視聴者は泣いて笑った。ナ・ヒド役を通じて彼女が披露した青春、夢、ヒーリング、ロマンスは、視聴者たちの厳しい現実を少しの間忘れさせるオアシスになった。2ヶ月間にわたってキム・テリが描いた青春ドラマは幕を下ろしたが、視聴者たちはまだナ・ヒドと別れられないでいる。

 

「視聴者の愛が強すぎて“キム・ペクイジン”に…私の笑いのツボです」

―― キム・テリさんはナ・ヒドそのものでした。明るくて凛々しいナ・ヒドが、暗い部分を持つペク・イジン(ナム・ジュヒョク)、コ・ユリム(宇宙少女のボナ)と一緒に登場する場面が多かったのですが、そのような面で悩みが大きかったのではないでしょうか?

キム・テリ:あまり深くは悩みませんでした。私が設定したナ・ヒドのテンションが高すぎるのではないか、これが他の俳優たちと合うだろうか、他の俳優たちのテンションが低すぎるように見えたらどうしようという悩みはありました。でも、自分が決めた通りにやり遂げました。それが正しいと思ったんです。もっと高めることはあっても、テンションを下げるのは違うと思いました。

―― ドラマに視聴者たちが入り込みすぎて、“ペクド(ペク・イジン&ナ・ヒド)カップル”を応援するネットユーザーたちが、男性主人公の名字を変えてしまうということまでありました。このような視聴者たちの反応についてどう思いますか?

キム・テリ:どれほど“ペクドカップル”が続いてほしいと思っているのか感じられました。藁をも掴む思いでドラマを見ていただいたのです。それこそ本当の愛ですね。このカップルをものすごく応援して愛していたから、最後までうまく行ってほしいという視聴者の気持ちがすごく分かりました。一番面白かったのは、視聴者の方々が名前を“ペクイジン”にしたことです。つまり名字がキムで、名前がペクイジンということですね。“キム・ペクイジン”は本当に私の笑いのツボです。この言葉を見ると笑いが止まらないんです。

―― ドラマの結末には満足していますか?

キム・テリ:よく分かりません。結末に満足しているかどうかは私が言うべき部分ではないと思っています。ただ、視聴者としての私の立場からは、本当に悲しいです。本当に悲しくて残念です。
 

役作りのため半年間フェンシングのレッスン「先生にお願いして…」

―― キム・テリさんとナ・ヒドのシンクロ率はどれくらいだと思いますか?

キム・テリ:すごく高い方だと思います。ヒドは私に似ているところが多いんです。だから深く考えなくても共感できる部分が多かったんです。ヒドは何かをする時、いつも本気です。分析したり計算したりせず、何事にも本気です。私もそうなんです。嘘偽りや飾ったり、ふりをするというのが嫌いなんです。だから何かをする時、心から滲み出なければならないんです。だからフェンシングも実際に習いました。習うのはすごく大変だったんですけど、本当に楽しかったです。本当に上手くやり遂げたいと思って、欲が出ました。

―― ナ・ヒドのキャラクターに共感できたため、この作品を選択したのですか?

キム・テリ:それが大きな理由になったわけではないんです。ナ・ヒドは存在自体が魅力的な人物ですから。女優として彼女を演技することができてすごく光栄でしたし、幸せでした。ヒドはありのままを見ることができる人です。しかし、実は私はありのままを見ることができません。物事をそのまま受け止めず、自分の過ちをたくさん探すタイプです。探しすぎて1人で穴を掘りまくります。でもヒドは誰に非難されようと、認めるべきことは認めます。そのような部分を学びたいのですが、生まれ変わらなければダメですね。本当に素敵でかっこいいキャラクターを演じることができて光栄だったんです。

―― フェンシングはどれくらい習ったのですか?

キム・テリ:6ヶ月ほど習いました。ほぼ毎日、1時間半くらい習いました。でも欲張って先生に食い下がりました。弟子がここまで努力しているのに、熱心に教えてくれないのかという風にプレッシャーをどんどんかけたんです(笑)。そのため、1時間半が2時間になって、2時間半になったんです。レッスンを一生懸命に受けました。
 

夏のシーンを冬に…過酷な撮影「凍え死ぬかと思った」

―― (韓国の年齢で)33歳ですが、高校生役がぴったりでした。話し方やジェスチャーなどに対する悩みも多かったのではないですか?

キム・テリ:10代を演じることにあまりプレッシャーは感じなかったんです。口調やジェスチャーなどを意識せずに撮りました。私の話し方の中にヒドの口調があったのだと思います。特に気分が良い時にヒドの口調がたくさん出てきます。

―― 童顔の持ち主ですが、女子高生の演技のために肌のケアや外見を管理する努力もしたのか気になります。

キム・テリ:皮膚科に一生懸命通ったんです。撮影する前まで1週間に1度は必ず行こうとしていました。18歳の肌とまではいかなくても、なるべく近づけるようにという気持ちで準備しました。これまで作品を撮る時は、今回のように皮膚科に通ってまで気を使わなかったんですけど、18歳のヒドだから一生懸命に通いました(笑)。

―― このように愛されるという予想はできましたか?

キム・テリ:結果を期待して作品に出演したわけではないのですが、本当にありがたいことです。こんなに愛されるとは想像もできませんでした。ヒドが何をしても愛らしい、可愛いと思ってくださいました。ここまで愛されると事前に知っていたら、もっと面白くて良いシーンを考えて演じていたと思います。

―― ナ・ヒドが成人になるのが遅すぎたのではないかという反応も多かったですね。

キム・テリ:制服をなぜこんなに脱げないんだろうとは思いました。「高校生の演技がいつ終わるんだろう」という考えよりは、季節に対する思いが強かったんです。夏のシーンを冬に撮って、すごく寒かったです。青春物語なので作品に“水”がたくさん登場しました。雨にあたって、水道水でも濡れて……。特に水道で噴水を作るようなシーンを撮る時は、凍え死ぬかと思いました。そういった部分が少し大変でした。
 

理想のタイプは「偏見のない人…ペク・イジンではない」

―― 俳優たちとのケミ(ケミストリー、相手との相性)はどうでしたか?

キム・テリ:すごく良かったです。その中でもナム・ジュヒョクさんとの演技が本当に良かったです。共演しながらやり取りする掛け合いは楽しいものですが、ジュヒョクさんとはそれがうまく合いました。

―― 母親役のソ・ジェヒさんとの共演も印象的でした。母に対するヒドの感情をどのように表現したかったのか、ソ・ジェヒさんとの共演はどうだったのかも気になります。

キム・テリ:ジェヒ先輩との共演は本当に良かったです。母親役であるだけに、ジェヒ先輩と親しくなろうと思いました。でも先輩がずっと敬語を使ったんです。撮影現場に来て、「テリさん、いらっしゃいましたか」と言ったりもしました(笑)。これを壊したくてすごく努力して、結局撮影がほとんど終わる頃に敬語を使わなくなりました。ジェヒ先輩との共演は本当に良かったです。このように素敵な先輩と作品でお会いできて幸せでした。

―― ペク・イジンが“国民の初恋”に浮上しました。実際のキム・テリさんの理想のタイプには近いですか?

キム・テリ:私の理想のタイプは偏見のない人です。そういった面でペク・イジンであるような気もしますが、イジンはコンデ(説教好きな年長者)だからダメですね(笑)。人を分析したり、先入観を持たず、人間そのものを見られる人。恋愛相手としてそういう人に会ったら本当に良いと思います。
 

一番好きなシーンは第2話のエンディング「雰囲気まで全て好き」

―― 記憶に残っているセリフはありますか?

キム・テリ:セリフではなくシーンにしますね。第2話のエンディングを本当に愛しています。ヒドがイジンにとって初めて1つの存在として見える場面です。トンネルの前に立って、「おじさんたちには内緒で、2人きりの時にだけ幸せになろう」というセリフやナレーション、雰囲気まで全てを愛しています。一番好きなシーンです。

―― ナ・ヒドとコ・ユリムの関係が特別だったのですが、キム・テリさんにとってコ・ユリムのような存在はいますか?

キム・テリ:コ・ユリムのようにファンタジー的な縁ではないんですけど、友達同士でも愛があります。ある意味、恋人との感情より偉大なのかもしれません。そのような愛を分かち合う友達が私にもいます。

―― キム・テリさんといえば、“堅固”という言葉が思い浮かぶのですが、ご自身ではどう思いますか?

キム・テリ:本当にそうだと思います。ですが一度崩れたら最悪の方向に走る人でもあるんです。だからこのような質問を受ける時に考えさせられます。自分はしっかりしている人なのだろうかと。でも確かなのは、私にはとても堅固な面があるということです。

記者 : ファン・ヨンド