「中小企業物語」ナム・ヒョヌ、初のドラマ主演作にしてYouTubeで350万再生の大反響“2022年の目標は映画出演”

OSEN |

写真=ACE FACTORY
俳優のナム・ヒョヌが「中小企業物語」のシーズン5まで出演した感想を語った。

WATCHAのウェブドラマ「中小企業物語」は、新社会人のチョ・チュンボム(ナム・ヒョヌ)を中心に、中小企業チョンスンネットワークで繰り広げられる物語を描いた作品。社員のための福利厚生は全くない劣悪な中小企業の素顔をリアルに描き、シーズン1の第1話がYouTubeで再生回数350万回を超えるほど話題になった。

劇中でチョ・チュンボムに扮し、熱演したナム・ヒョヌは、最近行われたOSENとのインタビューで「YouTubeの再生回数については実感がありませんでした。初めて30万回を突破したと言われた時も、僕は『もしかしてそれって高いんですか?』と聞いた覚えがあります。それほど実感がなかったので、比較して教えてもらい、『あ、本当に成功したんだな』と思いました。道を歩いていて時々気づいてもらえるたびに『多くの方がドラマを見てくださったんだ』と感じています」とドラマの人気について率直な思いを明かした。

ナム・ヒョヌがチョ・チュンボム役を演じることになったのは、このドラマで共演しているキム・テヨン(イ・ミナ役)との縁がきっかけだという。2020年3月、キム・テヨンと共に演劇の準備をしていた時、先に「中小企業物語」への出演が決まったキム・テヨンがグループチャットに「誰か出演したい男性俳優はいない?」というメッセージを送ったことがきっかけだった。ナム・ヒョヌは「あの時、運よく僕だけが答えて、キム・テヨンさんに協力してもらって、オーディション映像を送って出演することになったんです」と説明した。

一般社会での経験が皆無だった彼は、未熟な新社会人のチョ・チュンボムというキャラクターを作るため、多くの人にサポートしてもらったという。彼は「参考にした人物がいます。監督と初めて会った時、色々と教えてくださいました。たくさんアドバイスしてもらい、キャラクターが立体的に変わりました。また、スタッフさんや共演者の方々がアイデアを出してくれて、それを取り入れながら作り出したキャラクターです」と語った。

チョ・チュンボムは“母胎ソロ(生まれてから一度も恋愛経験がない人)+アウトサイダー(仲間に加わっていない者)”の典型と言っても過言ではないキャラクターだ。ナム・ヒョヌはチョ・チュンボムという人物を表現するため「雰囲気にかなり気を配りました。キャラクターについては監督や僕もそれなりに悩みましたが、作品が上手く完成された理由は、雰囲気がとても良かったからだと思います。僕たちだけでよく話し、そうするうちに自然に雰囲気に合わせて、ナチュラルで面白いキャラクターがたくさん生まれました」と述べた。

それだけでなく、彼は大手企業の面接で萎縮し、ちんぷんかんぷんなことばかり言う姿など、細かい部分一つも逃さず、チョ・チュンボムになるために努力した。彼は「ディテールを生かそうとしたわけではなく、自然に出てきたかんじです」とし「大企業の面接を受けるシーンでは、チョ・チュンボムとして1人で台本を読みながら『どのようにたどたどしく表現すればいいか』と考えて、どもることにしました。ところが、現場に行ってみたら、どもるのは不自然だと思い、自分の中の考えが衝突して生じる葛藤を表現しなければと思いました」と語った。

“アウトサイダー”のチョ・チュンボムとは異なり、実際はいたずら好きな“インサイダー(人気者)”だというナム・ヒョヌは「チュンボムの姿も結局、僕の中から出てきた姿です。僕の中にある部分を拡大したり、削ったり、肉付けしたりして作られたものだと思っています」とし「初めて撮影する前に、僕が思うチョ・チュンボムという人物として日常生活をしたことがあります。その時は、小物や衣装まで全部チュンボムのように身に着けました。そうしてみると、バスに乗る時、僕が乗る前に(存在感がなくて)ドアが閉まることもありました。チュンボムの気持ちを理解するために、チュンボムとして生きていくために努力しました。どのように演じればいいか分からなくて、ヒントを得るためにとった行動でしたが、結果的に役立ったと思います」と役作りを明かした。

これまで主に演劇の舞台で活動してきたナム・ヒョヌにとって「中小企業物語」は初のドラマ主演作だった。「ドラマでセリフが多い役を演じるのは初めてだったので、かなり心配でした。演劇は、最初は下手でも改善していくうちに結果が良くなっていくものですが、ドラマでの演技は最初からすぐに撮影に入るためプレッシャーでした。そのような不安を完全になくしてくれたのが、監督と撮影監督のディレクティングでした。『演劇の時のようにやってみて』と言って気持ちを楽にしてくれたので、その時からプレッシャーが消えました」と話した。

ナム・ヒョヌは「中小企業物語」について「多くのことが経験でき、感謝すべきことの連続でした。おそらく死ぬまで、絶対に忘れられない作品になると思います」とし「最も大きな収穫は、経験ができたことだと思います。その経験によって感じたことも多いです。良い経験ができたので、これから生きていく上でガイドラインになるのではないか、価値観がもっと立体的に変わるのではないかと思っています」と打ち明けた。

また、このドラマを通じて視聴者に伝えたいメッセージについて聞くと「僕たちが『努力して何かを変えよう』という思いで作った作品ではありません。問題を皮肉って必要性を感じさせる作品です」とし「コメント欄を見ると、多くの方が、自分たちが経験したことや状況を書いてくれています。このように純粋に自身が経験したことを振り返り、思い出しながら自由に見てほしいです」と語った。

シーズン5まで撮影を終えたナム・ヒョヌは「これからどんな演技がしたいか」という質問に「ジャンルや演技にこだわらず、とにかく次の作品がやりたいです。次の作品でこれまでやってきたことを改善したいし、その作品の中の人物に出会ってハマりたい気持ちです」とし「今オーディションを受け続けているので、頑張ります」と覚悟を語った。

釜山(プサン)芸術大学演劇科を卒業し、2015年から演劇やミュージカルなどで活動してきたナム・ヒョヌ。演技の道に足を踏み入れて8年目になった彼は、過ぎた時間を振り返って「初めて演技をした時が最も楽しかったと思います。あの時は先生たちがひたすら可愛がってくれました。今は1歳、1歳、年を重ねているので、それに合わせて成熟しなければならない部分があると思います」と述べた。

過去の自分と比べて変わったところとして「経験」を挙げた彼は「経験の過程で出会う人々と状況が僕をより賢い人にしてくれるのではないかと思います」と話した。それと共に「これからは僕が感じて経験し、新しく変わる価値観、演技観をそのまま表現し、行動しながら演技がしたいです。そのために最善を尽くして努力するのみです」と意気込んだ。

2022年の目標を聞くと、彼は「一度は映画に出演することが夢です」と答えた。そして「チケットを取って映画館に座って、自分の顔が映るのをこの目で確かめるのが目標です。俳優なら誰しも『スクリーンに自分の顔が映ったらどうだろう』と思うでしょう。何よりも嬉しいことだと思います。その時を想像しながら今年の目標をもっと高く設定します」と話した。

今年でいつのまにか20代後半に入ったナム・ヒョヌ。彼は「30代の姿はどんなふうだと思うか」という質問に対し、「スクリーンで活躍していて、僕がやるべきことを着実にこなしながら、韓国の素敵な俳優になっていたいです」と希望を語った。

続けて「子供の頃から早く年を取りたいと思っていました。今も同じです。早く大人になって、演技面や人間的にも賢い人になりたいと思っています。そうするためには、30代になっても賢い人でいなければならないです」と話した。

最後に彼は「『中小企業物語』の映像を見ると『この時代を生きるチュンボムへ』『僕たちはあの時、みんなチョ・チュンボムだった』というコメントがありましたが、とても嬉しかったです。意味も含蓄的で、僕が思う全ての部分がそこに入っているような気がしました。平凡で日常的な生活をする人々、あるいは他のところで働く方々、みんな元気で幸せになってほしいです」と付け加えた。

記者 : キム・ナヨン