NU'EST、デビュー10年でそれぞれの道へ…K-POP界で見せた異例の歩みに再注目(動画あり)

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写真=Pledisエンターテインメント

2月28日、メンバー3人の契約終了を発表したNU'EST。ベクホ、ミンヒョンはPledisエンターテインメントと再契約を締結し、JR、アロン、レンは事務所を離れ、新たな出発を控えていることが告げられ、K-POPファンに衝撃を与えました。

NU'ESTはデビュー10周年を迎える3月15日にベストアルバムをリリースし、グループの活動を終了します。今回は、2012年にデビューしてから今まで、紆余曲折を経て、これまでのボーイズグループにはなかった異例の活躍で感動を与えたNU'ESTの活動を振り返ります。

 

◆2012年3月15日にデビュー!当時のコンセプトは?

写真=Pledisエンターテインメント
2012年3月15日、5人はNU'ESTとして音楽界に第一歩を踏み出しました。グループ名はニュー(NU)・エスタブリッシュ(Establish)・スタイル(Style)・テンポ(Tempo)の略語で、「音楽に合わせて新しいスタイルを作る」という意味が込められました。JR、レン、ベクホの3人は芸名。リーダーのJRはジュニア・ロイヤルの意味で、「ステージの上では小さい貴族のようにふるまえ」という意味で付けられた名前だといいます。またレンは日本語で蓮の花の意味で、音楽界に花を咲かせてほしいという意味で事務所の代表が命名。さらにベクホは、日本アニメ「SLAM DUNK」の主人公である桜木花道の韓国名(カン・ベクホ)からとったもの。これは、当時同じ事務所の先輩であった元AFTERSCHOOLのユイがつけた名前で、ベクホが一生懸命練習しているところを見て決めたのだといいます。

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デビュー曲「FACE」は、椅子を使ったパフォーマンスが印象的で、校内暴力やいじめなど、社会問題を10代のNU'ESTが代弁したもので、他のグループとの差別化を図りました。その後、「Action」「ヨボセヨ(HELLO)」「Sleep Talking」「Good Bye Bye」「Love Paint」などを発表。特にしっとりとした切ないナンバー「ヨボセヨ(HELLO)」は、NU'ESTの代表曲に挙げられます。また、デビュー初期の風変りなコンセプトとして番組などでも取り上げられるのが「Sleep Talking」ですが、メンバーたちも「当時他のアイドルがパワフルなイメージの曲が多かったので、(事務所から)違う方向に行こうと言われた」「前作が『ヨボセヨ』だったので、似ている雰囲気の曲にした方がいいのではと思って、初めて事務所の意見に反対した」「衣装に驚いた」など当時の思い出を笑いながら語っています。




 

◆日本で活発な活動を展開…日本映画やバラエティ出演も

写真=Pledisエンターテインメント
NU'ESTが日本で初めて立ったステージは、東京ドームでした。当時まだデビュー数ヶ月だった彼らは、ドームで開かれたコンサート「K-DREAM LIVE Vol.1」にINFINITE、BOYFRIENDらと出演。初の日本での大きなステージだったにもかかわらず、トップバッターを見事に務めました。その後本格的に日本進出を果たした彼らは、2014年のデビューシングル「Shalala Ring」をはじめとし、2ndシングル「NA.NA.NA.涙」、1stアルバム「Bridge the World」などをリリース。ファンへのプロポーズイベントや各地でのリリースイベント、全国ツアーを開催するなど日本で精力的に活動、ファンと近い距離でコミュニケーションをとってきました。日本に長期滞在して活動していたこともあり、彼らは流暢な日本語を話し、日本語曲でも完璧な発音で注目を集めました。またNU'ESTのYouTubeチャンネルでは、JRがその名前にちなんで、JR山手線に乗って、上野や渋谷など、東京のさまざまな場所を訪ねる動画なども公開され、ファンを楽しませました。

写真=Pledisエンターテインメント
2016年にはNU'ESTが主演を務めた日本映画「知らない、ふたり」が公開され、第28回東京国際映画祭にも出品されました。さらに「プロデュース101」シーズン2で人気が高まったことから、同作は韓国でも公開されました。さらにミンヒョンはテレビ東京の「THEカラオケ★バトル」に一人で出演し、HYの「365日」を歌い、司会の堺正章らに絶賛されました。2019年にはリアリティ番組「NU'EST ROAD」で箱根旅行を満喫し、富士急ハイランドのアトラクションやお化け屋敷で絶叫する姿などで笑いを誘いました。また2020年には約5年ぶりとなる日本アルバム「DRIVE」をリリースし、特典会やスペシャルライブ&トークショーをオンラインで行い、日本ファンを喜ばせました。




 

◆「プロデュース101」シーズン2に出演…再び練習生へ

写真=Mnet
2017年、足を負傷したアロンを除いたJR、ミンヒョン、レン、ベクホが「プロデュース101」シーズン2に出演。この番組はアイドル練習生が、ボーイズグループとしてのデビューを目指して参加する番組で、当時すでにデビュー6年目のアイドルだった4人は、再び練習生に戻って本名で参加するという異例の挑戦でした。5年間の活動の中で大きなヒット作を生み出せなかったNU'ESTは、最後のチャンスと思い出演。メンバーたちは番組で「(NU'ESTが)失敗したという人もいると思うし、事務所もそう考えていると思う」「アルバムで利益を出せなくて、事務所に次のアルバムを出したいと堂々と言えなかった」「NU'ESTの終わりが見えた。解散までもうあまり残っていないと思った」「SEVNTEEN、I.O.Iのようになりたい」などと率直な思いを語っています。彼らと同じ事務所で過ごしたことのある、元AFTERSCHOOLのカヒは、トレーナーとして番組に参加し、4人を見て涙を見せました。

ミンヒョンもある番組で「デビューしたら人気が出て、コンサートもして自分たちのやりたいことをやって……と思っていたのに、実際はすごく大変だった。アイドルのサイン会は普通、アルバムを買った人の中から抽選で行われるが、(人気のグループは)数十枚買わないと当たらない。でも僕たちのサイン会には100人まで参加できるのに、50~70人しか来なかった。1枚だけ買っても参加できるのに……それがデビューして4、5年たった時だった」と振り返っています。

写真=Mnet
こうして番組に出演したことで、4人の魅力が多くの人々に知られることに。JRはチームのリーダーとしてメンバーを引っ張っていく責任感の強い姿で大きな支持を得ました。レンは優れたパフォーマンスはもちろん、天真爛漫で明るい性格で視聴者や練習生たちを笑わせるムードメーカーとして人気に。ベクホは男らしい姿で、番組を通じて“山賊セクシー”というニックネームを得ました。ミンヒョンは温かい歌声と洗練されたパフォーマンスで注目を集めました。

最終回の生放送で、ミンヒョンがWanna Oneのメンバーとしてデビューすることが決定。しかし、Wanna Oneとしてデビューすることが決まった他の練習生が嬉しそうな姿を見せている中、ミンヒョンはステージの端で一人涙を流し、ファンの胸を痛めました。4人のうち自分だけが選ばれたことを悲しんでいた彼でしたが、NU'ESTのメンバーたちは「僕たちの中から1人でも(Wanna Oneに)なったんだから(よかったよ)」と笑顔で彼を祝福し、それぞれの道で輝くことを誓いました。




 

◆ミンヒョンはWanna One、4人はNU'EST Wとして活動

写真=Pledisエンターテインメント、SWINGエンターテインメント
「プロデュース101」シーズン2を終えて、JR、アロン、ベクホ、レンは、4人組のユニットNU'EST Wとして活動しました。NU'EST WのWはWaitで、ミンヒョンが帰ってくるのを待っているという意味が込められました。2017年にユニットとして初めてリリースしたスペシャルシングル「If You」は、各音楽配信サイトで1位を記録、8月のファンミーティングのチケットは3分で完売するなど、人気を証明しました。そして10月にリリースしたアルバム「W, HERE」のタイトル曲「WHERE YOU AT」で、デビュー後初めて音楽番組で1位を獲得。メンバーたちは言葉を失い、茫然としながらも、アンコールステージでは涙を流しながら抱き合って、喜びを噛みしめました。その後も、2ndミニアルバム「WHO, YOU」、3rdミニアルバム「WAKE,N」で連続ヒットに成功しました。

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ミンヒョンはWanna Oneのメンバーとして2017年8月7日に再デビュー。デビュー当日に高尺(コチョク)スカイドームにて、ショーケースとコンサートが合わさった「Wanna One Premier Show-Con」を開催し、大型新人の活躍を予告しました。デビューアルバム「1X1=1(TO BE ONE)」から2ndミニアルバム「0+1=1(I PROMISE YOU)」でシンドロームを巻き起こすほどの人気を呼び、スペシャルアルバム「1÷x=1(UNDIVIDED)」ではユニットでの楽曲も披露。Wanna Oneとして最後にリリースした1stフルアルバム「1¹¹=1(POWER OF DESTINY)」は初動販売枚数が43万8000枚を記録。また、日本を含む世界各国でのワールドツアーも成功させました。

2019年1月にラストコンサートを開催し、涙の中で解散したWanna Oneは最近、「2021 MAMA(Mnet ASIAN MUSIC AWARDS)」で再結成を果たし、大きな話題となりました。NU'EST WとWanna One共に音楽界で大活躍し、同じ音楽授賞式に出席した時には、NU'EST WがWanna Oneのステージを笑顔で見守ったり、ミンヒョンがNU'EST Wの曲を口ずさみながら見ている姿がキャッチされ、互いを応援する姿が印象的でした。Wanna Oneとしてのデビューが叶わなかった3人の脱落を残念に思う声も多く、プロデューサーのBoAも、ある番組でJRと共演した際、「最終回の時、ずっと(JRの)名前が出てこなくて、この子はデビューすべき子なのにと思って、すごく悲しかった」と明かしています。




 

◆再び5人が集結!デビュー2611日で初の音楽番組1位・満点も

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ミンヒョンがWanna Oneとしての活動を終えた後、NU'ESTはデビュー7周年となる2019年3月15日に、5人が作詞したスペシャルデジタルシングル「歌のタイトル」をリリース。これまで支えてくれたファンに感謝の気持ちを表しました。そして4月、ミンヒョンがNU'ESTのアルバムの先行公開曲としてソロ曲「Universe」を発表、続いてオリンピック公園体操競技場(KSPO DOME)で、完全体での単独コンサートを成功させました。このコンサートではミンヒョンがいなかったNU'EST Wの楽曲も5人バージョンで披露され、感動をもたらしました。

同月に6thミニアルバム「Happily Ever After」でカムバックした5人は、タイトル曲「BET BET」で、デビュー8年目にして初めて完全体・NU'ESTとして音楽番組1位を獲得。デビューから2611日で1位を記録したNU'ESTは、当時1位獲得まで最も時間のかかったアイドルグループとしてK-POP界にその名を刻みました。さらにMnet「M COUNTDOWN」では、これまで数組のアーティストしか達成したことのない満点の11,000点で1位を記録するなど、意味のある記録を残しました。「BET BET」のミュージックビデオの最後には、「Universe」の後半に登場した騎士の姿をしたミンヒョンが、赤と青の光が差し込む空間のうち、青の方を選んで進むと、メンバー4人が待っている空間に到着するというシーンが描かれ、ミンヒョンの帰還を表現しています。

写真=Pledisエンターテインメント
その後も「LOVE ME」「I'm in Trouble」「INSIDE OUT」などで連続ヒットを記録。デビュー当初に比べ、メンバーのアルバム制作への参加度は高まり、ベクホは「プロデュース101」シーズン2終了後にリリースした楽曲のほとんどを作詞・作曲し、レコーディングのディレクティングも務めるなど、音楽的な才能を披露しました。NU'ESTの楽曲は、流行にとらわれることなく、いつもリスナーに「これぞNU'ESTの曲」と思わせる独特の雰囲気を持っているのが特徴。多くのファンに愛されただけでなく、BTS(防弾少年団)、AB6IX、ONFなどの後輩グループも楽曲のファンを公言してきました。5人が再び集まった後、グループ活動だけでなく個人活動もさらに増加。メンバーそれぞれが、バラエティ、オーディオショー、ドラマ、ミュージカル、広告モデルなど多方面で才能を発揮し、新たな姿を披露。10周年を迎えた後、惜しくも別々の道へ進む5人ですが、5人がそれぞれの場所でどんな姿を披露してくれるのか、活躍に期待されます。



記者 : Kstyle編集部