キム・ソヒョンからパク・ウンビンまで、子役から立派な女優に成長した6人に注目

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写真=キム・セロン、キム・ソヒョン、パク・ウンビン Instagram

少女から淑女になった子役出身の女優たちが、人々を魅了している。彼女たちには“子役のジンクス”などない。子役時代から着実に演技の経験を積み、開花した“正変(外見が退化するという意味の“逆変”と反対の言葉)のアイコン”たちが、韓国ドラマの人気を牽引している。地上波3社の授賞式でトロフィーを獲得している子役出身女優たちをまとめた。

◆キム・ユジョン

いつの間にか大きくなって、立派な女性に育った。アメリカにダコタ・ファニングがいるとしたら、韓国にはキム・ユジョンがいる。“正変の教科書”と呼ばれるキム・ユジョンは、幼い時から人並外れていた。彼女は2003年にお菓子のCMでデビューし、イム・スジョン、ソン・ヘギョ、ムン・グニョンら、最高の女優たちの子供時代を演じて経験を積んできた。また、大ヒット作であるMBC「太陽を抱く月」で、ハン・ガインの子供時代を演じ、シンドローム級の人気を博した。ドラマや映画を問わず、さまざまな作品に出演して成長したキム・ユジョンは、KBS 2TV「雲が描いた月明かり」で、国民の子役から国民の女優に成長した。少女の姿を脱ぎ捨てて淑女になったキム・ユジョンは、翼をつけて活躍した。20歳になった年に撮ったJTBC「とにかくアツく掃除しろ!」 を通じて“ラブコメディの女神”になり、SBS「コンビニのセッピョル」ではアクション演技まで完璧にこなした。SBS「ホン・チョンギ」では繊細で深い演技力を見せ、“時代劇の女神”の帰還を知らせた。この作品で彼女は「2021 SBS演技大賞」で最優秀演技賞を獲得した。次回作はNetflixのオリジナル映画「20世紀のキミ」だ。キム・ユジョンがスクリーンやテレビを越えてOTT(動画配信サービス)まで席巻する日も遠くなさそうだ。


◆イ・セヨン

写真=MBC「赤い袖先」
“時代劇不敗”と呼ばれるだけある。韓服を着たイ・セヨンはいつでも正しい。12歳の時、ブームを巻き起こしたMBCの時代劇「チャングムの誓い」に出演し、チャングムのライバルであるホン・リナが演じたクミョンの子供時代を見事にこなし、“演技の上手な子役”として強い印象を残したイ・セヨン。20代になると、KBS 1TVの時代劇「大王の夢」で、キム・ユシン(キム・ユソク)の初恋である天官女(チョングァンニョ)役を務めて、成人女優としての跳躍に成功。時代劇初の主演作であるtvN「王になった男」で外柔内剛型の中殿(王妃)を構築し、“レジェンド級の中殿”と絶賛された。30代に差し掛かったイ・セヨン流の時代劇には、より一層磨きがかかっている。彼女は、MBC「赤い袖先」でソン・ドクイムを務め、繊細な演技で切ないロマンスを披露。視聴者を笑わせ、泣かせた。「赤い袖先」は視聴率17.4%を記録して幕を下ろし、イ・セヨンは「2021 MBC演技大賞」で最優秀演技賞を獲得した。シンドロームを巻き起こして、時代劇で連続ホームランを放った彼女は、「イ・セヨン流の時代劇=興行不敗」という公式を証明した。「赤い袖先」は幕を下ろしたが、視聴者たちはまだソン・ドクイムの魅力から抜け出せずにいる。


◆キム・ソヒョン

長いストレートヘアに華奢な体、大きな瞳と人形のような目鼻立ちまで。キム・ソヒョンは、清純なルックスと素晴らしい演技で、子役時代から視聴者に強い印象を残してきた。“リトルソン・イェジン”というニックネームも、一時彼女を代表する修飾語だった。彼女はほとんどの子役が経験するスランプもなく成長し、自然に子役という肩書きを外して人気女優になった。その年齢には思えない成熟したビジュアルと深い演技力のおかげだった。キム・ソヒョンは、これまで数十本の作品に出演してきた。主演として出演した作品だけでも10作以上になる。昨年デビュー13周年を迎え、これまで休まず活躍してきた彼女は、KBS 2TV「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を通じて、原石を越えて宝石としてその真価を発揮した。男性主人公が途中で交代となった中でも、キム・ソヒョンは揺れなかった。むしろ彼女は貫禄を見せてドラマの中心となり、危機をチャンスに変えた。「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」は“キム・ソヒョンパワー”を追い風に、2桁の視聴率を記録した。キム・ソヒョンは「2021 KBS演技大賞」で最優秀賞、ベストカップル賞を手にした。代替不可能な女優に成長したキム・ソヒョンの活躍はこれからだ。


◆パク・ウンビン

パク・ウンビンに限界はない。コミカル、マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)、時代劇、スポーツなど、いかなるジャンルと役割も見事にこなす。突然登場したようにみえるが、実は彼女は5歳でデビューしている。彼女は子役時代から注目を集めたケースではなかった。少しずつ段階を踏みながら自分の存在感を育ててきたパク・ウンビン。彼女の真価は、成人した後から光を放った。母胎ソロ(生まれてから一度も恋愛経験がない人)、変わり者判事、熱血探偵助手など、一人が演技したと思えないほど大胆なメージチェンジを披露してきたパク・ウンビンは、出演するドラマでいつも強烈な存在感を見せ、作品の人気を牽引した。特にKBS 2TV「恋慕」は、彼女のポテンシャルが爆発した作品だ。“男装女性の王”という設定を、彼女より完璧に演じこなす女優はいないだろう。パク・ウンビンだからこそ可能だった。悲運の皇太子イ・フィを務めたパク・ウンビンの演技は、驚きの連続だった。“男装女性”の新たな歴史を築いた彼女は、「2021 KBS演技大賞」で最優秀賞とベストカップル賞を獲得した。ジャンルを問わす優れた演技力を見せているパク・ウンビン。彼女が見せる新たな顔が楽しみだ。


◆キム・セロン

映画「アジョシ」の中の少女が、立派なお嬢さんに成長した。身長165cmの長身と清純なルックスまで、大人に成長したキム・セロン。幼い時にすでにカンヌ映画祭に招待されたほど、生まれながらの女優だ。演技の天才と呼ばれたキム・セロンは、映画「私の少女」「大俳優」、ドラマ「女王の教室」「誰も知らない」などの作品に出演して、大人顔負けの演技で人々を驚かせた。彼女が子役のイメージを脱ぎ捨てたのはJTBC「魔女宝鑑」の頃からだ。呪われた姫で、凍りついた心臓を持つ白髪の魔女ヨンヒ役を繊細な演技で完成させ、相手役のユン・シユンと14歳の年齢差を感じさせないケミ(ケミストリー、相手との相性)を披露して好評を得た。子役出身の俳優ナム・ダルムとロマンスを披露したKakaoTVオリジナル「優秀巫女カ・ドゥシム」では、女優人生に残るキャラクターを更新した。最近では、KBS「ドラマスペシャル2021」の「彼女たち」で、宮殿生活14年目に追い出される危機に直面した女官ソサン役をリアルに表現。「KBS演技大賞」でドラマスペシャルテレビシネマ賞を受賞した。2021年に続き、2022年も順風満帆だ。映画「私たちは毎日毎日」とNetflixシリーズ「ブラッドハウンド」の主人公にキャスティングされ、活躍を続けていく予定だ。ビジュアルも演技も着実に成長したキム・セロンから、深い女優の香りが漂い始めた。


◆キム・ファンヒ

写真=キム・ファンヒ Instagram

韓国で687万人の観客を動員した映画 「哭声/コクソン」のヒットの主役だ。「何が重要なんだ。何が重要なんだよ」の一言でシンドロームを巻き起こしたキム・ファンヒ。彼女は身の毛のよだつような表情で悪態をつき、両手で食べ物を貪り食い、幽霊に取り憑かれた演技を完璧に表現し、観客を感心させた。キム・ファンヒはこの映画で、大鐘賞映画祭の新人女優賞を手にし、忠武路(チュンムロ:韓国映画の代名詞)で最高の期待株に浮上した。その後、映画「飛べない鳥と優しいキツネ」、ドラマ「天気がよければ会いにゆきます」など、映画とドラマを行き来しながら経験を積んできたキム・ファンヒ。昨年は、MBCドラマ「目標ができた」を通じて、成人になって初の主演作を務めて、秘密多き少女ソヒョン役を立体感ある演技で表現し、より一層深まった演技力を披露した。成人になった後、磨きをかけた演技力を誇り、視聴者に強い印象を与えた彼女は、「2021 MBC演技大賞」で短幕劇部門の優秀演技賞受賞の栄誉に輝いた。成人俳優として華やかな飛翔を始めたキム・ファンヒは、クランクアップした映画「こんにちは」で、希望を探しながら成長していく少女スミ役を務めて、もう一度映画で存在感を見せる予定だ。キム・ファンヒが今回はどのような演技で観客を魅了するのか期待したい。

記者 : ファン・ヨンド