「恋愛の抜けたロマンス」ソン・ソック、自身とキャラクターとの違いを明かす“もっと現実的な恋愛をすると思う”

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写真=CJ ENM
「恋愛に対するロマンはありません」と率直に話した俳優ソン・ソックは、映画「恋愛の抜けたロマンス」を見て想像してみたパク・ウリの姿とは似ているようでありながらも異なった。

一言話してなぜか恥ずかしそうに笑う彼が、うぶに見えるウリの顔と重なって見えるが、映画の中のパク・ウリになるまでどれほど深く人物を探求したのか、推測するのは難しかった。

俳優たちが作品のキャラクターにハマって、自分を完全に消そうと努力することがあれば、ある俳優は自分だけの特徴を生かして、引き受けたキャラクターを自分にしていく。ソン・ソックは後者に該当する。

最近行われたオンラインインタビューで彼は「2時間の映画に、さまざまなキャラクターがいるじゃないですか。私が演じる人物は、そのうちの一つの機能を担当すると考えます。私はすべてのキャラクターに接する時、最初に一つの感情を決めます。パク・ウリは愛をしたい人物です。だから私は優先的に「ウリは愛することができないような人」と捉えました。そうしてこそ、観客が最初に触れた時、「あいつが一体どうやって人を愛するの?」と考えるでしょう。最初はその程度描いておきました。愛を勝ち取ることができないようなイメージを先に見せたいと思いました」と、キャラクターを分析して表現した過程を話した。

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続いて彼は「私がキャラクターに近づかず、私に(キャラクターが)近づいてくるようにするというのが正確な表現だと思います。だから私の個人の人生が重要で、年をとっても私がうまく変わっていくことが重要だと思います」と価値観を伝えた。それと共に「誰もが(どの俳優も)そのキャラクターになることはできないと思います。それならば、自分が引き受けたキャラクターが望むものが何なのか把握し、それに合わないか、正反対側から出発することで最初はつかみます。そうして基本のコンセプトと序盤のキャラクターをつかんだら、『私はどうだっただろう?』と悩み始めます。悲しい演技をしなければならない時は、数年前を思い出してみます。私が20代の時愛することができなかったことがあったので、今回の映画撮影前にはその時期を思い浮かべ、『私はなぜその時愛せなかったのだろうか』と考えてみました。キャラクターを演技する時、通常私の記憶から取り出して使います」と演技方式を打ち明けた。

パク・ウリの性格や恋愛スタイルとは違うと明かしたソン・ソックは「実際の私はウリより年がありますから、現実的な恋愛をすると思います」とし「今は私も結婚したいですし、子供も欲しいと思っています。現実的に責任感がなければならない年齢です。(現実的なものを)あまり考えないのがロマンチックなことだと思います。数年前の私より、今の私がロマンチックではないと思います。今は恋愛に対するロマンはなく、漠然と結婚に対する想像をしているからか、結婚に対するロマンだけがあります」と率直に打ち明けた。

チョン・ガヨン監督の「恋愛の抜けたロマンス」は、恋愛は嫌いだが寂しいのはもっと嫌いな29歳のジャヨン(チョン・ジョンソ)と、仕事も恋愛も思い通りにいかない30歳のウリが、デートアプリを通じて出会い、“サム(Somethingの略、男女がお互いに好感を持っている段階)”の過程を描いた。チョン・ジョンソとソン・ソックがそれぞれジャヨン、ウリ役を務めた。二人の年齢差は11歳だが、キャラクターでは1歳差だ。

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ソン・ソックはチョン・ジョンソについて「彼女も私と同じくらい、外見から来る予期せぬ誤解を受けてきたと思いました。他の人よりもうわべを飾ることがうまくできないところも私と似ていました。彼女と私が似ている点は、面白いものが好きだということです。演技もよく合いました」と満足感を表した。

もともとチョン・ガヨン監督の作品が好きだったという彼は、「チョン・ガヨン監督だけでなく、自分だけの色が明確な監督の作品に出演したいと思います。特にチョン監督は唯一無二の自身の色を持っています。作品の一助になりたいと思いました」と明かした。

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チョン監督についてソン・ソックは「驚いた部分は、監督がアドリブではなくセットプレイが好きだという点でした。(自由であると予測していた)チョン・ガヨン監督だったので斬新でした。演技も上手で、序盤はチョン監督の前で演技をすることがプレッシャーになりました」と話して笑った。

「恋愛の抜けたロマンス」は、二人の男女が恋愛にクールなふりをしているが、結局は愛し、愛されたいということを表現している。

ソン・ソックはメロが好きだという。「アクションには爽快感がありますが、メロはお互いに話し合いながらやり取りすることが多いです。だから面白いと思います」と比較した。「それでは、メロの演技に自身だけのノウハウがあるか」という問いに「ノウハウはありませんが、相手にすごく集中します。私のことだけをしようとすると不自然に見えると思います」と答えた。

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アプリを通じて出会いを持つことについては「私とは合わないです」と伝えた。「私の友人の中で、何度かアプリを通じて出会っている人がいますが、うまくいかなかったんです」。もちろん様々な出会い方がありますので、そのやり方も尊重しますが、私はそのようにして出会いたくはないです」と自身の考えを伝えた。

エディターに変身したソン・ソックは、30・40世代女性に支持されるような魅力を「恋愛の抜けたロマンス」で存分に披露した。映画の公開後、おそらくより多くの女性が彼だけの魅力にハマるのではないだろうか。

ソン・ソックは「40歳になります。ますます身体も辛くなるし、思考も古く変わっています。昔の大人たちの言葉は合っていますね(笑)。俳優たちは年をとるにつれてたくさん変わると思います。そういう意味で『恋愛の抜けたロマンス』のパク・ウリが私の若い時代を飾る最後のページになると思いました。これからは違った演技をすることになると思いますが……ですのでパク・ウリは特別です」と愛情を表した。

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ソン・ソックの作品の選択基準は「人」であるという。「一緒にいる人が素敵であれば、台本がイマイチでも選択します。私が人を一番優先してしまうからです。しかしシナリオが気に入っても、一緒にいる人たちが良くなければやりません」と明かした。

続いて彼は「2022年はどうなるか分からないですが、二作品ほど(出演)したいですし、シナリオも一編完成させたいです。余力になることができるなら、演出も一作品やりたいです」と伝えた。

記者 : キム・ボラ