シン・ヒョンビン、ドラマ「あなたに似た人」の魅力は?“全員が被害者であると同時に加害者”

Newsen |

女優のシン・ヒョンビンが「あなたに似た人」で卓越した演技を披露し、視聴者に強い印象を残した。

最近韓国で放送が終了したJTBCの水木ドラマ「あなたに似た人」(脚本:ユ・ボラ、演出:イム・ヒョヌク)は、妻とママという修飾語を捨てて自分の欲望に忠実だった女性と、その女性との出会いで人生の光を失ったもう1人の女性のストーリーを描いたドラマだ。

シン・ヒョンビンは劇中チョン・ヒジュ(コ・ヒョンジョン)とソ・ウジェ(キム・ジェヨン)、愛していた二人の裏切りにより壊れてしまったク・ヘウォンを演じて好評を得た。

最近Newsenと会ってインタビューを行ったシン・ヒョンビンは「完全事前制作ドラマで、夏にドラマ撮影が終わっていました。撮影が全て終わった状態でドラマが放送されたのは初めてなので、実感がありませんでした。すっきりしたというよりは名残惜しい感じがあります」と明かした。また「この作品を終えて『賢い医師生活』の撮影もしましたし、また他の作品を撮っている状況の中で放送が始まったので、ちょっと面白かったですし不思議でした」と感想を語った。

女優の道に入る前、実際に長い間美術を専攻していたシン・ヒョンビンは、美術の臨時教師ク・ヘウォン役で再び美術と出会った。彼女は「美術関連のシーンは多くはなかったのですが、慣れ親しんだ言葉が多く、セリフを変えてやったところもあり、絵を描いたことが役に立った部分はありました」と話した。

シン・ヒョンビンは劇中の人物が持つ傷と痛みに哀れみを感じた。彼女は「心はすごく理解できるのですが、『こんなにまでしなければならなかったのか』という気がする時もありました。もちろん私が経験した人生ではないので、そう言えるのだと思います。全てのように思えた人が二人も自分を裏切った時、どのように生きていけるかを考えようとしました。ある意味、キャラクターたち全員が被害者であると同時に加害者です。これがこのドラマの魅力であり、心が辛くなる部分だったと思います。そのような話だからもっと身に染みたのだと思います」と伝えた。

作品のような状況を経験したことはなかったが、演技の際に没入した瞬間が多かったというシン・ヒョンビンは、ク・ヘウォンとして悲しく、怒ってはならない場面で涙が出た時も多かった。彼女は劇中、自身を裏切ったチョン・ヒジュとソ・ウジェへ向けたク・ヘウォンの心をすべて愛憎と定義した。

シン・ヒョンビンは「今の世の中、インターネットに文章一つ書けば終わりじゃないですか。そのような行動をするというのは、その人が好きな気持ちがなければ、そこまではしないだろうと思いました。元に戻せない関係ですが、何とか報われたい気持ちがあったのだと思います」と話した。また「ウジェが記憶を取り戻して帰ってきた時、謝罪を適当にしてしまうことも、ヘウォンの立場では悲しいです。もちろんウジェが間違っていたのですが、ヘウォンがウジェに対して悪かったこともあります。真実を知りながらも、ウジェに知らせずに嘘をついたからです」と説明した。

シン・ヒョンビンは劇中、ク・ヘウォンとソ・ウジェのベッドシーンや料理をするソ・ウジェを見守る時の姿が、ク・ヘウォンとして惨めさを感じた場面だと話した。

シン・ヒョンビンは「(ベッドシーンは)切迫していて惨めな場面でしたが、リハーサルをすごく長くやりました。感情的にも大変で疲れて、一人残っている場面で自然に辛い心が表れたのだと思います」とし「最も惨めな場面は、『僕が料理していたじゃないか』と錯覚したウジェの料理する姿を見守った時でした。台本を見た時も惨めだと感じました。確かに私が知っていた人で、とても近いと思っていた人なのに、その人ではないと感じた瞬間じゃないですか。そのような部分で一番心が痛かったです」と話した。

シン・ヒョンビンはこの作品を通じてコ・ヒョンジョンと初めて共演した。大先輩コ・ヒョンジョンとの共演にプレッシャーはなかったかという質問に彼女は「コ・ヒョンジョン先輩が出演するという話を聞いてすごく良さそうだと思いましたし、撮影前に監督、コ・ヒョンジョン先輩、チェ・ウォニョン先輩、キム・ジェヨンさんとたくさん会っていたので、撮影を始めた時は気持ちが楽でした」と明かした。また「序盤は『賢い医師生活』の撮影前、あらかじめ1~4部のエンディングを一度に撮っておかなければならなかったんです。エンディングに感情が溢れるシーンが多くて容易ではなかったのですが、コ・ヒョンジョン先輩がたくさんサポートしてくれて、理解もしてくれました」と感謝を伝えた。

それと共に「演技もよく合う部分が多かったんです。先輩が私の分もモニタリングをたくさんしてくれて、台本についても話をたくさんしました。私がふざけた時も先輩が受け入れてくださいました。むしろ私があまりにもふざけて気楽にやりすぎなのではないかと心配するほどでした」と説明した。

シン・ヒョンビンにとってコ・ヒョンジョンはどんな先輩なのだろうか。彼女は質問を聞くやいなや「とても素敵な先輩です」と答えた。彼女は「私を信じてくれて、素敵な話をたくさんしてくださって大きな力になりました。先輩がいたので撮影中は心強かったです」と話した。

記者 : イ・ハナ