「ジャンルだけロマンス」イ・ユヨン“素直でありのままの姿の私…思う存分遊べた”

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女優のイ・ユヨンがApple TV+オリジナルシリーズ「Dr.ブレイン」に続き、映画「ジャンルだけロマンス」で帰ってきた。

イ・ユヨンは最近、オンラインでインタビューを行い、11月17日に韓国で公開された「ジャンルだけロマンス」に関する取材陣の質疑応答に答えた。

「ジャンルだけロマンス」は、平凡ではないロマンスで絡み合った人々に出会って、仕事も人生も上手く進まないベストセラー作家キム・ヒョン(リュ・スンリョン)のバラエティな私生活を描いた映画だ。リュ・スンリョンを皮切りに、オ・ナラ、キム・ヒウォン、イ・ユヨン、ソン・ユビン、ム・ジンソンなど魅力的な俳優たちが完璧なケミ(ケミストリー、相手との相性)を披露した。監督兼女優のチョ・ウンジの初の長編映画デビュー作でもある。

劇中でイ・ユヨンは、ミステリアスな“4次元”(個性が強く、ユニークな考え方を持つ)の隣人ジョンウォン役を演じた。思春期の息子ソンギョン(ソン・ユビン)と予想のできないケミ(ケミストリー、相手との相性)を披露し、劇に活気を吹き込んだ。彼女は2014年、映画「春」でデビュー。「背徳の王宮」「あいつだ」「あなた自身とあなたのこと」「マリオネット 私が殺された日」「草の葉」「ディーバ」など多数の作品でその存在感を披露してきた。

特に、イ・ユヨンはApple TV+初めての韓国語オリジナルシリーズ「Dr.ブレイン」(監督:キム・ジウン)で世界中の視聴者を魅了している。同作でコ・セウォン(イ・ソンギュン)の妻チョン・ジェイ役に扮し、ゾッとする姿を披露する一方、新作「ジャンルだけロマンス」ではハツラツとしたギャップのある魅力をアピールした。

これについて、彼女は「2つの作品が同時に公開されて光栄だ」とし「『ジャンルだけロマンス』では明るい役で、『Dr.ブレイン』ではダークなキャラクターなので、いろんな姿をお見せすることができて私も楽しみだ」と明かした。

彼女は「最初の作品からつらい事情をもつ難しい役ばかり務めてきたので、観客を笑わせる明るい役を演じたいといつも思っていた。なので『ジャンルだけロマンス』は私にとってプレゼントのような映画だ。シナリオも一本のウェブ漫画のように笑いながら読んだ」と語った。

ジョンウォンというキャラクターについて彼女は「女優志望者だという点が一番共感できた。ジョンウォンは女優を夢見ているが女優としての人気を得ることができず、挑戦する人物だ。私も以前ずっとオーディションを受けていた時期があったのでその気持ちが理解できた」とし「現実的には若い頃に結婚して、全くコミュニケーションが取れない夫のそばで感じる寂しさと日常の退屈さを突き破るため、別の脱出口を探す姿でもあり、そういう点に感情移入した。ワンシーン、ワンシーン登場するたびに素直で4次元だが、憎めない可愛いらしい魅力に惹かれた」と説明した。

続いて「チョ・ウンジ監督から『ジョンウォンは可愛いドルアイ(おかしな子、ドル(石)+子(アイ)=石の上にいる子)のように見えてほしい。あの女は一体なんだろうという神秘的で気になる存在から、後半になればなるほど溌剌さと素直さで(観客たちを)魅了してほしい』と言われた」と付け加えた。

イ・ユヨンは「ジョンウォンのように私も多様な姿を持っていると思う。今回の映画では私の明るい姿をお見せしたかった」とし「ダークなキャラクターを演じる時は、私もキャラクターの影響をたくさん受けるほうだ。役作りのためにいろいろな工夫をするため、ネガティブな影響を受けてしまう。すると、周りからも『なんだか、敏感になってきたね』と言われる。ジョンウォンを演じる時は、本当に何の心配もなく、毎シーン、瞬間瞬間をただ楽しんだ。深く悩むより、私が気軽にアプローチしないと観客もそうできないだろうと思い、特に何も考えず『楽しもう』と思った。ソン・ユビンとおしゃべりをしながら楽しく遊び、素直でありのままの姿を演じながら思う存分遊べた」と格別な愛情を示した。

相手役のソン・ユビンについては、「ソン・ユビンがこの作品を撮影した時は大学1年生、入学したばかりの時だった。学校の授業と撮影を並行するのが大変だという悩みを相談してくれた。勉強への欲もあり、演技への欲もあったが、いろんな面でソンギョンというキャラクターにピッタリだと思った。内気な性格だと感じたが、それでも不便ではなかった。だけど、カラオケのシーンを撮影する日にソン・ユビンの本当の姿を見た。どんでん返しの魅力があった」と伝え、笑いを誘った。

ジョンウォンとソンギョンとの関係はどのように解釈したのだろうか。彼女は「始まりは退屈と好奇心でソンギョンに近づいたと思う。そうしているうちに、高校生のソンギョンの純粋な姿を可愛いと感じたり、本人の幼い頃の初々しい感性に戻ったような感じを受けて好感を感じたんだと思う。理性的にはそうしてはいけないと思った」と語った。

チョ・ウンジ監督については「『ジャンルだけロマンス』への出演はチョ・ウンジ先輩のデビュー作であることを知って決めた。監督にお会いしてキャラクターについて話を交わしたが、作品に対して持っている考えがとても明確で、また本当に愛しているんだという情熱が感じられた。それでジョンウォンというキャラクターを魅力的に感じられた」と語った。

また「監督は俳優の立場をよく知っているので、たくさん配慮してくれたし、分かりやすくディレクションしてくれた。同じ女優として感じる同質感もあり、とてもありがたかった」と話した。

また、イ・ユヨンは「チョ・ウンジ監督は無口で静かな方だが、その中には可愛い遊園地があるのではないかと思う」と満足感を示した。

「ジャンルだけロマンス」がマーベル映画「エターナルズ」を抑え、リアルタイムチケット予約率1位を記録している感想も伝えた。彼女は「とても光栄だ。本作が思った以上に可愛らしく出来上がったので、嬉しかった」とし、「コロナ禍なので、観客の皆さんが劇場に足を運んでくださるだろうかと心配していたけれど、熱い反応を得ていて嬉しい。『ジャンルだけロマンス』が長期間1位をキープしたらいいなと思う。ぜひご覧いただきたい」と語った。

最後に彼女は「今も色んな作品を撮影しているし、一年、一年があっという間だ。私は一生懸命、緊張感を持って過ごしている方だと思う。本作は、一生懸命に生きている中でも、自分自身を振り返って日常から楽しさを見つける重要さを描いていると思う。真剣になりすぎたりする必要はないと教えてくれているようだ」と伝えた。

記者 : キム・ナラ