「イカゲーム」の“おじいさん”オ・ヨンス、異様な空気感で注目…長きにわたり演劇で活躍も

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写真=Netflix
賞金456億ウォン(約43億円)をかけた謎のサバイバルゲームで唯一笑顔の人物。まさに“おじいさん”ことオ・イルナム(オ・ヨンス)が与える謎の恐怖が「イカゲーム」を熱く盛り上げた。

9月17日に公開され、全世界で人気を博しているNetflixオリジナルシリーズ「イカゲーム」は、賞金456億ウォンをかけた謎のサバイバルゲームに参加した人々が、最後の勝者になるために命をかけてゲームに挑戦する物語だ。

ゲームに参加した人々は、ほとんどが借金を抱えていたり、莫大なお金が必要で、自らこの殺人サバイバルゲームに参加した。最初のゲームの種目で、第1話のタイトルでもある「ムクゲの花が咲きました(だるまさんが転んだ)」は、殺伐とした殺人ゲームの始まりを告げた。幼い頃にしたこの遊びでは、体を少し動かすとに捕まり、他の友達がタッチして助けてくれるのを待つのが罰則だったが、「イカゲーム」では動いた瞬間アウトとなるのだ。

唯一笑顔だった人物は、最年長参加者のイルナム(オ・ヨンス)だ。イルナムはまるで子供の頃を思い出したかのように、どの参加者よりも楽しそうにゲームに参加した。

イルナムを演じたオ・ヨンスは1944年生まれで、1963年に劇団広場の団員として演技を始めたベテラン俳優だ。数十年余りに渡る演技の経歴で、1979年に東亜演劇賞の男子演技賞、1994年に百想芸術大賞の男子演技賞、2000年に韓国演劇協会の演技賞などを受賞した。テレビでは見慣れない俳優だが、映画「春夏秋冬そして春」、ドラマ「武神」「善徳女王」「美賊イルジメ伝」などの大作に出演した。

長い間演技をしてきたベテラン俳優のあどけない微笑みは、「イカゲーム」の異様な空気を引き立てるには十分だった。皆が血を流し、戦って死ぬ時、悲鳴と耳鳴りの中で見せる無垢な笑顔は「イカゲーム」が持つ象徴の一つで、ドラマに恐怖、そして緊張感を与える。

演出を担当したファン・ドンヒョク監督は、インタビューでオ・イルナムについて「一男(イルナム)という字を使った幼なじみの名前だ」と明かした。人間の本性が沸き立つ、その場の空気には合わない不気味な笑みは、言い表せない余韻を残した。

記者 : キム・ノウル