「ラケット少年団」キム・ミンギ“僕の始まりであると同時に、永遠に忘れられない思い出です”

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写真=HMエンターテインメント
俳優キム・ミンギが出来の良いドラマ「ラケット少年団」の放送を終了し、一回り成長した。

キム・ミンギは最近韓国で放送が終了したSBS月火ドラマ「ラケット少年団」(脚本:チョン・ボフン、演出:チョ・ヨングァン)で、成績が全国でも上位であり学年1位の軍医長の息子チョン・インソル役に扮し、熱演した。

「ラケット少年団」は、バドミントン界のアイドルを目指す“ラケット少年団”の少年体育大会への挑戦記で、陸の端の農村で繰り広げられる16歳の少年少女たちのリアルな成長ドラマだ。漫画のような演出と悪役のないクリーンなドラマで同時間帯で視聴率1位をキープし、ウェルメイドドラマとして好評を博した。

キム・ミンギが演技したチョン・インソルは、関心事は勉強だけで、ぶっきらぼうで利己的な子供のように見えるが、実は誰よりもバドミントン部の人たちと付き合いたいと思っている人物だ。ストーリーが進むにつれ、自身が本当に望むことに従おうと決断する心境の変化が際立った。キム・ミンギは勉強から運動へ関心事が移っていくチョン・インソルの、純粋でしっかりとした内面を丁寧に表現した。

キム・ミンギは最近、Newsenとのインタビューで「放送終了だなんて実感が湧きません。数ヶ月間、家族より多くの時間を過ごした先輩や同僚、スタッフ、そして何より“ラケット少年団”の友人たちに会えないという事実が信じられません。毎日が疲れて大変でも、いつにも増して一緒に笑った現場が懐かしくなると思う」と感想を語った。

「ラケット少年団」は、毎回それぞれの人物に事情を持たせるしっかりとしたエピソードはもちろん、有機的なストーリーで視聴者を泣かせ、笑わせた。キム・ミンギは評論家と視聴者の両方を満足させたことについて「しっかりした先輩たちと、その間でドラマを引っ張っていく“ラケット少年団”のメンバーたちの重ならない魅力、阿吽の呼吸が際立ってより愛されたと思います。俳優たちが楽に演技できるようにしてくれた監督さんと面白いシナリオを書いてくれた作家さんまで、全てはアベンジャーズチームが集まっていたから可能なことでした。童心に戻った気持ちで幸せを感じました」と自負した。

写真=SBS
チョン・インソルそのものを描き出したキム・ミンギは、どのような過程でドラマに合流したのだろうか。彼は「何回ものオーディションを経て、“ラケット少年団”のメンバーが集まったと聞いています。先にキャスティングされた他のメンバーとは違って、ウチャン(チェ・ヒョヌク)とインソル役はふさわしい俳優がいなくて、もう一度オーディションを行ったが、運よく僕がそのオーディションに参加しました。事前に案内された通りに『応答せよ』シリーズの方言の演技を準備し、現場の要請で戯曲『ガラスの動物園』のトム役を演じました。恥ずかしくて今でも記憶に残っています。僕がオーディション会場を後にした後、監督が『この子をインソル役にすればよさそうだ』とおっしゃったという話を聞いて、責任を感じました」と説明した。

「ラケット少年団」はキム・ミンギの地上波ドラマデビュー作だ。これまでtvNドラマ「女神降臨」、ウェブドラマ「言葉の温度:僕らの19歳」「マンチッ男女」などで安定した演技を披露してきたが、地上波は初であるだけに、プレッシャーも大きかったはずだ。彼は「『女神降臨』で過分な愛をもらったので、大きな関心に応えなければならないというプレッシャーもありました。ちょうど『ラケット少年団』に合流し、頼もしい友達や脚本家、監督に会い、むしろより自信を持って楽しく撮影に臨みました」と明かした。

同年代の俳優と共にシン・チョルジン、チャ・ミギョン、シン・ジョングン、ウヒョン、キム・サンギョン、オ・ナラなど先輩と息を合わせた現場の雰囲気については「明るくて楽な現場でした。特にキム・サンギョン先輩と長い時間を過ごしましたが、僕が経験が豊かな方ではないので、まだ未熟な部分について色々なコツを教えてくださいました」と話した。

続けて「同年代の仲間ととても仲良くなって、お互いに悩みや心配事を打ち明けて、食事の時間になれば一緒にご飯を食べて、休む暇さえあればバドミントンの順位決定戦をやりました。僕はこれまで僕より年下の子に会う機会がなかったのですが、キム・ガンフンと仲良くなって、撮影の後半ではほとんどいつも一緒にいました。気が合う弟ができた気分が不思議でしたし、最近でも休日には一緒にゲームをしたりします」と同僚俳優への愛情を語った。

キム・ミンギにも童心に戻った気持ちを与えてくれた「ラケット少年団」。他の人物とは違って、後からバドミントン部に合流するチョン・インソルを演じるため、初めて友達を作る時のぎこちなさや純粋さを表現するディテールにこだわった。

キム・ミンギは「単に勉強ばかりしていた子が友達と仲良くなったという話ではなく、徐々に変わるインソルを作品に収めたいと思いました。そのためインソルが初めて登場する姿と、後半の姿が『これが同じ人なのか』という気がするほど、はっきりと差を与えるために努力しました。いつも勉強ばかりしていたインソルが初めて友達と深く付き合う過程で感じるぎこちなさもうまく表現しようと思いました。インソルがさまざまな状況に違和感を感じながらも、一緒に付き合うために努力する姿をポイントにしました」と伝えた。

写真=HMエンターテインメント
チョン・インソルは、大人びた子供のようだが、誰より純粋な性格を持った人物だ。キム・ミンギは劇中の人物と自身のシンクロ率について「80%ぐらいだと思います。僕も幼い頃、対人忌避症で友人と付き合うことが困難だった経験があるんです。高校に進学して演技を始めると同時に、良い友達と兄さんたちに会って性格が180度変わりました。あの時の僕を思い出しながらインソルという人物のディテールを生かそうともしました。残りの20%は僕と違って全南(チョンナム)で1位になるほど勉強ができるからです。インソルの優秀な頭脳がほしいです」と伝えた。

バドミントン部のメンバーであっただけに、運動神経も欠かせなかった。元々運動神経が良いとは言えず、地道にレッスンを受け、血のにじむような努力で馴染んだという。キム・ミンギは「毎日のように撮影しながらも、たまに撮影がない日にはレッスンを受けました。最初は体力的に大変でしたが、自分が好きでバドミントンをしていたら、いつの間にか体力も向上しました」とバドミントンへの愛情を示した。

また「夏の大会、少年体育大会の撮影のため競技場で何泊か過ごした時は、暇さえあればバドミントンをやりました。最後の撮影の時は12時間、チェ・ヒョヌクと一緒に高校の選手たちを相手にダブルスをしたことも覚えています。最近でも友人と町の公園でバドミントンをしたり、一人でステップを踏むなど、後遺症が残っています」と伝え、作品のためにかけた努力をうかがわせた。

キム・ミンギにとって最も記憶に残っている評価は、「インソルの合流で“ラケット少年団”が完全体になった」という言葉だ。視聴者の反応が見られるチャンネルはほとんど見るほど、「ラケット少年団」に愛情を注いだキム・ミンギは、バドミントンと共にした過ぎた季節をどう記憶しているのだろうか。

「自分が見せたかったポイントを全部伝えたのか、目標を達成したのかは確信できないですが、先日作家さんが『台本を書いた時より良かった』と演技の部分を評価してくださってうれしかったです。『ラケット少年団』は僕の始まりであると同時に、永遠に忘れられない大切な思い出です」

記者 : キム・ノウル