「雨とあなたの物語」カン・ハヌル“映画に登場する手紙…何度も自分で書き直した”

MYDAILY |

写真=ソニーピクチャーズエンターテインメントコリア(株)、キダリENT
俳優のカン・ハヌルが20代の平凡な若者の姿でスクリーンにカムバックする。

映画「雨とあなたの物語」(監督:チョ・ジンモ)で、退屈な受験生生活を続けていくヨンホに変身したカン・ハヌルが最近オンラインインタビューを行った。

「雨とあなたの物語」は、偶然に受け取った1通の手紙がきっかけで、お互いの人生を励まし合うようになったヨンホとソヒが“雨の降る12月31日に会おう”という、可能性の低い約束をしたことで、繰り広げられる出来事を描いた作品だ。夢も目標もない浪人生のヨンホと、いつも同じ日々を生きるソヒ、先が見えない未来に不安を感じて、繰り返される退屈な日常に生気を失っていた2人は、ヨンホが手紙を送ったことで変化していく。

映画「二十歳」「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~」「ミッドナイト・ランナー」などを通じて、多様な時代の若者を自身ならではの色で表現してきたカン・ハヌルは「好きな仕事をするか、やっている仕事を好きになるべきか」と悩む普通の若者の姿を繊細に描いた。

「青春の定義がまだよく分かりません」と告白した彼は、「若者の感情を代弁するために作品を選んでいるわけではありません。作品を選択するときの基準はいつも1つで、台本をもらった時に読みきったら選択するようにしています。演技を通じて表現することには、限界があると思います。僕は各作品ごとに、戦略的に違うイメージを披露することができるような能力はありません。各作品に参加する心構えは同じだが、違うキャラクターを見せようと努力しています。撮影中の作品に集中して、キャラクターと向き合うようにしています」と話した。

ごく平凡な人生を生きていくキャラクターを演じるため、多様な努力を傾けた。4年ぶりにスクリーンに復帰した彼は「最初からヨンホに、カン・ハヌルとして近づいていこうとしました。台本に書かれているテキストより、僕の姿がもっと投影されたのではないかと思います」と述べた。また、映画に登場する手紙を自ら書いたと明かし「何度ももみくちゃにして書き直したりしました。直接手紙を書いたことで、感情が入りやすかったです」と語った。

ヨンホに似ている点については「成績が悪かったところです。俳優にならなかったら『四浪したんじゃないかな』と思います」と冗談を言った彼は「革工房を運営している父から仕事を学ぶヨンホは、職人気質のある人物です。工房が似合う姿が素敵だなと思いました。技術で工房を運営すること自体、固執と自分なりの哲学が必要だと思います。撮影中に、そのようなこだわりのある部分が似ているなと思いました。恋人関係になる前の“サム(友達以上恋人未満)”の段階で曖昧に行動したりしない、はっきりとした性格です」と明かした。

チョン・ウヒ、カン・ソラとの共演にも期待が高まっている。チョン・ウヒは、映画「サニー 永遠の仲間たち」「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」「哭声/コクソン」などで披露した強烈なイメージとは異なり、親しみのある平凡なキャラクターを演じた。厳しい現実にも希望を失わない凛々しい姿と、姉の代わりに偶然交換することになった手紙だが、ヨンホへのありがたい気持ち、申し訳ない気持ちがだんだん大きくなっていくソヒの内面を、感性的に演技で表現した。

劇中、チョン・ウヒと感情的に交流する過程で、自由を感じたというカン・ハヌルは「限界なく表現できると感じました。気楽に演技できたのは、監督を信じられたからだと思います」と伝えた。続いて、チョン・ウヒへのファン心を示して「多くの方々が思うように、ウヒ姉さんが出ると、画面からのパワーをより大きく感じられると思いました。可愛らしい雰囲気の方でした」と絶賛した。

カン・ソラはヨンホが通う予備校の友人、スジン役として特別出演する。自分の感情に素直な堂々としたキャラクターで、ストーリーにポジティブなエネルギーを与える。カン・ハヌルは、2014年に韓国で放送されたドラマ「ミセン-未生-」を通じてカン・ソラと知り合ったとし「才能はもちろん、人への態度、最善を尽くそうとする責任感の強さなど学ぶ点が多かったです。年を取りながら、現場で以前より余裕ができたように思います。『ミセン-未生-』の時は僕も、ソラさんも頑張らなくてはというプレッシャーで現場で楽しむことができず、人々の視線に閉じ込められていました」と当時のことを明かした。

過去にMBC「ラジオスター」に出演して公開されたエピソードを通じて、“美談自動販売機”と呼ばれるようになったカン・ハヌル。これについて彼は「周りの方々が盛り上げてくださったおかげです。バラエティ番組のために練習したりはしません。『門前の小僧習わぬ経を読む』というか、いつまでも面白くない人として生きるのが、視聴者の皆さんに申し訳なくて、口数を増やすよう努めました」と率直に告白した。

続けて、「『ラジオスター』にはありがたい気持ちでいっぱいです。気にしないからプレッシャーも感じません。ただ、もっと慎重に、僕らしく生きようと思っています」と話した。

特別な趣味がないという彼は、“インドア派”の一面をアピールした。「『観察バラエティ番組から、キャスティングオファーを受けたらどうかな?』と考えたこともありますが、無理そうです。何もせず座って本を読んだり、ドキュメンタリーを見たり、暇なときには寝て、ぼーっとする時間が多いです。観察バラエティ番組に出るのは、迷惑だと思います。日常は単純で、何もしていません」と言って笑いを誘った。

映画の注目ポイントとして、ヨンホとソヒは会うことができるのかについて挙げた。カン・ハヌルは「雨が降りそうで降らないような天気が続きます。結末がどうなるか、最後まで客席で見守ってほしいです」と述べた。

記者 : ヤン・ユジン