「早くファンミに行きたい!」OH MY GIRL、IZ*ONE、WINNER…古家正亨の忘れられないファンミーティング K-POPスター編 Vol.2

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前回お届けした“忘れられないファンミーティング K-POPスター編 Vol.1”に続き、今回もK-POPスターの来日イベントの中で、特に僕が忘れられない思い出を振り返っていきます。

2003年末にソウルで行われた俳優ペ・ヨンジュンさんの初のファンミーティングでMCを担当して以来、17年間に渡って、1,000回を超える韓流、K-POPスターのファンミーティングをはじめとするイベントのMCを務めてきました。そんな私、古家正亨が数々のイベントの中から、特に忘れられないイベントを振り返っていくこの企画ですが、僕が一番最初にK-POPスターとお仕事をしたのは、2000年に当時、人気絶頂を誇っていたロックバンド紫雨林(ジャウリム)でした。

それ以降、僕の場合は特にK-POPスターとのお仕事が多く、思い出もたくさんあります。その中からこの5年以内にあったイベントやコンサートを中心にその思い出をピックアップして、時系列でご紹介していきます。

Vol.1 ―「早くファンミに行きたい!」FTISLAND イ・ホンギ、GOT7、SEVENTEEN…古家正亨の忘れられないファンミーティング K-POPスター編


◆2019年 OH MY GIRL

2019年5月6日 福岡 福岡県立ももち文化センター大ホール
「OH MY GIRL JAPAN OFFICIAL FANCLUB 1st ファンミーティングツアー2019」


ガールズグループの中で、イベントでそのセンスを毎回いかんなく発揮してくれるのは、OH MY GIRLです。日本デビュー前から彼女たちとお仕事をさせてもらっていましたが、日本のファン、そして日本の活動に対して、本当に一生懸命なグループで、その爽やかさ、純粋さは、一緒に仕事をしていて、本当に“心地よい”の一言! 昨年は「NONSTOP」でついに大ブレイクしましたが、むしろ遅すぎたのではと感じた人も多いでしょう。曲良し、パフォーマンス良し、性格良し! スタッフからも愛されるのも当然でしょう。

そんな彼女たちと2019年にご一緒させてもらったのが、1stファンミーティングツアーでした。ライブパートとは別に行われたのが、「OH MY GIRL スーパーマッチ」。いわゆるゲームコーナーですが、メンバーが3つのチームに分かれて競い合うという流れでした。この時、結構体を張ったゲームをしたのですが、彼女たちの場合、それを全力でやってくれるんですよね。いろんなK-POPアイドルのイベントに参加したことがある人であれば、グループやイベントの内容によって、メンバーの本気度が全然違うことに気がつくと思うんですが、オマゴルの場合は、本当に全力でやってくれるんですよね。特に、様々なミッションを99秒以内にクリアしなければならない「OH MY GIRL 99秒ミッション」では、各会場ごとに、メンバーの個性が垣間見られるミッションに挑戦。この時は、りんごの皮剥きでのスンヒさんのプロのような手際のよさが、会場を大いに沸かせました。ステージの合間には、ビニさんが、自分の持っている日本語のスキルを伸ばそうと、僕をはじめ日本のスタッフの席にまで足を運んで、日本語オンリーで話かけてくれたりと、思い出に尽きないファンミーティングツアーとなりました。
 

◆2019年 IZ*ONE

2019年8月31日 愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)
IZ*ONE「Mnet Presents AICHI IMPACT!2019 KPOP FESTIVAL」


先日行われたオンラインライブには、とにかく涙、涙、泣かされました。2年半という限られた活動期間、様々な試練がありながらもファンに沢山の思い出と夢を届けてくれらガールズグループIZ*ONE。日本デビュー当時から、イベントや番組を含めて幾度となくお仕事をご一緒させていただきましたが、その中でも一番忘れられない思い出が、2019年にセントレアに隣接する形で新たな大規模イベント会場として作られたAichi Sky Expoの柿落としイベントとして行われた「Mnet Presents AICHI IMPACT!2019 KPOP FESTIVAL」での出来事。

2日間に渡って開催されたわけですが、8月31日のIZ*ONEのステージは、メンバーのウォニョンさんのお誕生日ということもあり、彼女へのサプライズをみんなで計画していたんです。

イベント中に僕がMCを務めるトークコーナーで突然照明が落ち、一緒にMnetの番組で共演しているボーイズグループApeaceのジヌさん、ヨンウクさんが、超大きなバースデーケーキを登場させ、会場のみんなでお祝いするというもの。

事前にそのタイミングを何度もリハーサルし、完璧な状態で臨んだ本番。彼女たちの華麗なステージが続き、トークコーナーになると、僕は、その暗転の瞬間をずっと待っていましたが……あれ、暗転しない……どうなっているのか。もしかしたら、スタッフさんが忘れてしまったかもと思い、僕は気づいて欲しく「さ~て、そろそろあの……」などと微妙な言葉遣いでサプライズへの誘導を試みたのですが……すると、ジヌさん、ヨンウクさんの2人の「ウォニョンさん、お誕生日おめでとう!」の声が! 暗転してからのはずなのに……。そして、その大きなケーキは、なんと2人の手によって運ばれてきました。リハーサルでは素敵な台車と共にやってくる予定だったのですが……。何が起こったのか全く把握できないまま、感動のバースデーイベントが行われると、そのケーキは、あの華奢なウォニョンさんの両手に……。相当重いであろうそのケーキを持って、ステージの右から左へと走り始めたウォニョンさん。いても立ってもいられなくなった僕を含めた3人は、そのケーキを彼女から受け取り、感動と興奮のステージをそのままに、何事もなかったかのように、次のパフォーマンスに移っていきました。

イベント終了後、なぜそうなってしまったのか、確認したところ、単純な確認ミスだったようです。でも、おかげで彼女の可愛らしさが、より発揮されたバースデーイベントになりましたが、時々、韓流・K-POPイベントでは、こういった「え?」「あれ?」っていうことがあるんですよね。そんな瞬間をいかにプラスに働かせるか……これはやはり経験がモノを言うと思います。
 

◆2019年 WINNER

2019年9月1日 名古屋 日本特殊陶業市民会館
WINNER「WINNER JAPAN TOUR 2019」名古屋公演


YG ENTERTAINMENTのアーティストさんとは、BIGBANGを含め、iKON、2NE1、BLACKPINKなど、様々なアーティストさんと一緒にお仕事させていただきましたが、特に一緒にお仕事させてもらったのは、WINNERの皆んなかもしれません。

デビュー当時から日本での活動の際に、いつも一緒だったWINNERですが、皆んなすごく優しい心の持ち主なんですね。

話は変わりますが、個人的には、時間がある限り、日本で行われるK-POPのライブやコンサートは、自分の仕事柄、観にいくようにしているんですが、このWINNERの2019年のJAPAN TOURに関しては、どうしても東京、大阪公演の日が、別のスケジュールと重なっていたため、半ば観にいくことを諦めていたんです。すると9月1日の名古屋公演だけ、なんとかスケジュールが空けられることになり、名古屋に遠征することになりました。

メンバーもまさか僕が仕事ではなく、ライブを観るために名古屋に僕が来るとは思っていなかったようで、とても喜んでくれましたが、びっくりしたのは、そんなライブ中での出来事。

MCパートでメンバーが、「では恒例のお客さんへのインタビューコーナーを」といって、会場を訪れているファンにインタビューするコーナーが始まると、そのメンバーの足取りは、確実に後方の僕の席に向かってくるではありませんか! まさかと思ったら、インタビューされることに。こういう仕事をしていますが、僕は基本的にシャイなので、自分のステージ以外で喋ることは正直苦手なんです。なので、メンバーが近づいてきただけで、なぜかドキドキしてきて、かなり緊張してしまいました……。

気の利いたコメントはできませんでしたが、本当に嬉しかったですし、WINNERの皆んなの愛を感じました。


いつも感じることですが、日本でライブツアーを行っているK-POPスター達は、確実にステージワークがどんどん良くなっていきますし、ライブを楽しむ術をスター自身も得ていきますよね。海外のアーティスト達が日本で公演を行う際、よくアーティストサイドから聞く話として「日本の観客は世界で一番」だと。その理由として、自分も観客の1人として思うのが、日本の観客って、しっかり音楽と向き合っていると思うんですよね。聴かせる曲の時はしっかり耳を傾け、盛り上がるときには大いに盛り上がる。そして、基本的に観覧ルールは守る。これらを指示されることなく実践できる日本の観客は、観覧文化という点において、成熟しているといっていいと思います。

ところが最近、初めてのライブ、コンサートがK-POPという若者達も少なくないため、韓国での観覧スタイルがそのまま日本での通用すると思っているのか、そんな良き観覧文化が継承されていないように感じることも少なくありません。ですから、観る側としては、アーティスト達が気持ちよくステージに集中できるような韓国的観覧スタイルを織り交ぜつつも、日本らしい観覧ルールを守りながらの雰囲気作りで、K-POPスター達がより成長できるようなライブ、コンサートを共有していきませんか?

Vol.1 ―「早くファンミに行きたい!」FTISLAND イ・ホンギ、GOT7、SEVENTEEN…古家正亨の忘れられないファンミーティング K-POPスター編

古家正亨×Kstyleコラム Vol.10

古家正亨(ふるやまさゆき)

ラジオDJ・テレビVJ・MC
上智大学大学院文学研究科新聞学専攻博士前期課程修了
2000年から韓国音楽を中心に、韓国の大衆文化をあらゆるメディアを通じて紹介。昨年までは年平均200回以上の韓流、K-POP関連のイベント等のMCとしても活躍。

現在もNHK R1「古家正亨のPOP☆A」(水曜21:05~)、NORTH WAVE「Colors Of Korea」(土曜11:00~)、CROSSFM「深発見!KOREA」(土曜18:30~)、Mnet「MタメBANG!~ただいま打ち合わせ中」(毎月第1、3、5木曜23:30~他)を通じて日本から韓流、K–POP関連の情報を伝えている。

最近では、YouTubeチャンネル「ふるやのへや」を立ち上げ、妻でアーティストのMina Furuya(ホミン)と共に料理やカルチャーなどの情報を発信中。

Twitter:@furuyamasayuki0

記者 : Kstyle編集部