「早くファンミに行きたい!」FTISLAND イ・ホンギ、GOT7、SEVENTEEN…古家正亨の忘れられないファンミーティング K-POPスター編 Vol.1
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今回は昨年秋にお届けした“韓流スター編”に続く、K-POPスター編です。僕が一番最初にK-POPスターとお仕事をしたのは、2000年に当時、人気絶頂を誇っていたロックバンド紫雨林(ジャウリム)でした。それ以降、僕の場合は特にK-POPスターとのお仕事が多く、思い出もたくさんあります。その中から今回は、この5年以内にあったイベントやコンサートを中心にその思い出をピックアップして時系列でご紹介していこうと思います。
◆2017年 FTISLAND イ・ホンギ
2017年12月7日 東京国際フォーラム2017 LEE HONG GI Winter Mini Live ~ ホン!気!ラ~
もうすぐ除隊ですね。人気ロックバンドFTISLANDのイ・ホンギさん! その2017年12月に開催されたソロイベントのお話です。2017年と言えば、韓国デビュー10周年のアニヴァーサリー・イヤーでしたが、当時ホンギさんは、音楽はもちろん、ラジオDJとして韓国でレギュラーもあり、また俳優としてドラマ(この時は『花遊記』)の撮影もありで、大忙しの時期でした。韓国ではラジオのレギュラーが決まると、毎週月曜日~日曜日までの毎日2時間、生放送(スケジュールが合わない時は収録)の番組を務めるのが基本なので、ラジオが決まると本当に忙しくなります。
そんな中、日本でのファンイベントをやってくれただけでもありがたい状況だったわけですが、この時は“Winter Mini Live”というタイトル通り、ライブがメインで、トークパートもありという感じだったので、ファンミーティングでもコンサートでもない、ちょっと変わった形式のイベントでした。
しかもそのトークパートも独特な設定で、僕はホンギさん行きつけの“ホン気食堂”のマスターという設定で、まるで『深夜食堂』の小林薫じゃないか? と思われそうな衣装、さらにこのイベントのためにそんな食堂のセットをわざわざ組んで、そこで軽く飲みながら! 台本なしのフリートークを繰り広げるというものでした。
FTISLANDをはじめ、CNBLUEやN.Flying、SF9といったアーティストが所属しているFNC ENTERTAINMENTのアーティストさんとは比較的たくさんお仕事をさせてもらっているのですが、FNCさんのイベントはいつも、とにかく設定が凝っていて、大体僕が普通のMCという設定でステージに立つことはありません。時には教師、時には店長、またある時には船長など、いつも何かしらの職種についた状態でイベントを進行していくので、普通のイベントMCに加えて、設定における自分の役割を意識しなければならないので、独特な緊張感があります。
写真を見ていただければわかると思いますが、この時も食堂のマスターという設定でしたが、この日はそれに加えて、軽く飲みながら、ぶっちゃけフリートークという……しかも、普段からぶっちゃけトークのホンギさんと一緒だったので、ホンギさんがどこまで何を話すかわからない緊張感は、言葉で言い表せないものがありました(汗)。
とはいってもそこはプロ! ちゃんとホンギさんの頭の中では、いろんなことが整理されていて、それを僕が引き出すというバランスが組まれていたので、実際に現場では、目の前にファンの皆さんがいるとは思えない、自然体のホンギさんのトークをまるで、本当に食堂のマスターと気兼ねなく話している雰囲気が出せたのではないかと思います。
ホンギさんをはじめ、FTのメンバーとはいろんな場所でいろんなお仕事をさせてもらったので、またメンバーが除隊して揃った暁には、大人なトークの楽しめる、そんなイベントを共に過ごしてみたいです。
◆2018年 GOT7
2018年5月18日 オリックス劇場GOT7 Japan Fan Connecting Hall Tour 2018 “THE New Era”
この春、新しい一歩を踏み出したGOT7の皆とも、思い出につきません。特に、2018年に行われたこのイベントは、ファンミーティングではなくFan Connecting Hall Tourという、前半がファンミーティング形式のトーク&ゲームパート、そして後半はライブで盛り上がるという、一度で二度美味しいイベントとなりました。
この時は、普通にMCを務めさせていただきましたが、驚いたのは、ファンとの距離をより近づけようと、リラックスしたメンバーの姿を見せるため、メンバーがパジャマ姿で登場するというところ。しかも、全員ベッドに乗って出てくるという粋な演出付き。
ユニットごとにゲーム対決を行ったのですが、座布団を使ってツムツムしたり、ファンがステージに上がり目隠しした状態で手を握ったメンバーが誰かを当てたりと、まさにメンバーとファンがConnectできる瞬間もあった、そんなイベントでした。後半はライブ。もちろん、大盛り上がりでGOT7の熱いパフォーマンスに会場の興奮は最高潮に達しました。
このトーク&ゲームパートとライブパートの間ですが、僕がメンバーの写真を紹介したり、この来日期間中の出来事だったりと、フリートークでつなぐという時間があったのですが、実はこの繋ぎ時間って、韓流・K-POPのファンミあるあるなんですよね。出演者が着替えたり、マイクを付け直したり、メイクやヘアを修正したりする際、MCが急遽、そういった時間をフリートークなどで繋がなくてはならない時があるんです。このイベントでは事前にその時間が必要であることを知らされていたので、前もって念入りに準備できたのですが、突然、イベント開始前に言われることもあるので、万が一のために、常にスターのSNSや韓国でのスケジュール、来日時の行動をリサーチする必要があるんです。なので、イベント1ヶ月前くらいから、暇さえあれば、そのスターのSNSなど、ファンと同じくらいの勢いで、毎日チェックするほどなんです。
で……話はGOT7のイベントに戻りますが、実は僕、5月22日が誕生日なのですが、この日、イベントが終わった後、誕生日が近いということもあって、メンバーがサプライズでバースデーイベントを控え室で行ってくれたんです。写真をご覧いただければお分かりの通り、皆んな衣装のパジャマ姿です。僕自身、もう20年も韓流・K-POP業界で仕事をさせてもらっていますが、こういった粋な計らいをしてくれたのは、BIGBANG(今年こそは再会できますように……)と彼らGOT7ぐらいで、その分、本当に嬉しかったですし、忘れられない記憶になりました。
◆2018年 SEVENTEEN
2018年9月9日 さいたまスーパーアリーナSEVENTEEN JAPAN FANMEETING 'CARAT SUMMER CAMP'
個人的に、毎回楽しみにしているSEVENTEENとのイベント。2018年に行われたファンミーティングは、SUMMER CAMPがコンセプト。当然、僕はキャンプ場の係員という設定ですから、この日のために、キャンプ場に居そうな係員をイメージして衣装を選択。この衣装というのが、毎回、悩みどころなんですね。
基本普通のMCの場合は、黒かモノトーンのジャケット、パンツを着ることは(自分の中では)鉄則です。なるべく裏方に徹するために、できる限り目立たないような服装を心がけています。ところが、先にもご紹介したように、コンセプトがあるとそれに合わせた衣装を準備することになります。その場合、スタッフさんが用意してくれる場合と自分で用意する場合があります。この時は、スタッフさんからある程度予算をいただき、その範囲内で、自分で準備することになりました。とはいっても、キャンプ場の係員のイメージって人それぞれだと思うんですね。僕も色々とネットで検索してみたりしたのですが、結局決められず、「キャンプといえば!」ということで、mont-bellに行き、お店の人に単刀直入で「すみません、キャンプ場に居そうな係員のイメージで服を買いたいのですが……」と聞いて、選んでもらったのが、この写真の衣装です。スタッフさん、そしてメンバーからは「あ~、いそうですね……」と言われる一方「完全にボーイスカウトですね」という声も。確かに、ボーイスカウトのイメージですよね。
さて、そんなSEVENTEENのファンミのお話ですが、とにかく彼らは誠実です。大きな会場で、遠くにいるファンに対しても、どのようにすれば近くにいるファンと同じように楽しんでもらえるか、リハーサルの際にも会場をしっかり念入りにチェックして、その動きを確認します。この時もセンターステージや花道をどのように活用できるか、しっかり考えていましたね。
そして、その類まれなバラエティーセンス! それぞれのメンバーが、自分の立ち位置を理解していて、どのタイミングにどんなリアクションをすれば良いか、よくわかっているんです。これって簡単そうですが、メンバーが多いグループの場合それが特に難しく、MCとしても全てのメンバーに、同じ位喋る時間を与えるために、その瞬間瞬間、臨機応変に状況判断をして進行していくんですが、彼らの場合、僕がそういった状況を作らずしても、いいタイミングで話に入ってきてくれるんですよね。そして、しっかり他のメンバーにもそのタイミングを振ってくれるんです。
SEVENTEENのパフォーマンスの素晴らしさは、ライブやコンサートを観れば一目瞭然ですが、こういったファンミーティングやイベントにおけるメンバーの巧みさも超一流であることをぜひ多くの人に知ってもらいたいです。
古家正亨×Kstyleコラム Vol.9
古家正亨(ふるやまさゆき)
ラジオDJ・テレビVJ・MC
上智大学大学院文学研究科新聞学専攻博士前期課程修了
2000年から韓国音楽を中心に、韓国の大衆文化をあらゆるメディアを通じて紹介。昨年までは年平均200回以上の韓流、K-POP関連のイベント等のMCとしても活躍。
現在もNHK R1「古家正亨のPOP☆A」(水曜21:05~)、NORTH WAVE「Colors Of Korea」(土曜11:00~)、CROSSFM「深発見!KOREA」(土曜18:30~)、Mnet「MタメBANG!~ただいま打ち合わせ中」(毎月第1、3、5木曜23:30~他)を通じて日本から韓流、K–POP関連の情報を伝えている。
最近では、YouTubeチャンネル「ふるやのへや」を立ち上げ、妻でアーティストのMina Furuya(ホミン)と共に料理やカルチャーなどの情報を発信中。
Twitter:@furuyamasayuki0
記者 : Kstyle編集部