【REPORT】無条件に世界を明るく照らすSHINee!120ヶ国約13万人を魅了した初オンライン公演

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韓国の男性グループ、SHINeeが、ステージの枠、テクノロジーの限界、見る者の想像、国境を越える(Beyond)オンライン・コンサート『Beyond LIVE - SHINee : SHINee WORLD』を開催。4月4日、120ヶ国13万人のファンとのインタラクティブ・コミュニケーションを交えて、“今”のSHINeeを世界へ発信した。

彼らの単独公演は2018年2月の『SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~』(会場:東京ドーム、京セラドーム大阪)以来で、約3年ぶり。今年発売した7thアルバム『Don't Call Me』収録の新曲も惜しみなくタップリと披露し、ステージには常にアップデートしていくSHINeeがいた。


天とも繋がるファンキーなステージ

会場には多数のモニター画面が設置され、そこには世界中のファンが笑顔を浮かべ、メッセージボードを掲げている。そしてSHINeeの音楽に体を揺らせば、ライブへの準備はバンタン。チャットのコメント欄はファンのドキドキを活写し、待ちきれない様子が伝わってくる。

コンサートは15時オンタイムにスタートし、フューチャリスティックなメンバー紹介映像が見る者を未知なる空間へと誘う。ファンの歓声を受けた4人は、オープニングに、オンユ、キー、ミンホが入隊する前にリリースした6枚目のアルバムから「Good Evening」をチョイス。中盤以降、彼らは星空をバックにパフォーマンスし、4人が立つフロアには青い光が天の川のように走り、それが星空へと続く。そう、4人のステージは宇宙、天国とも繋がっていたのだ。

続く「Dream Girl」からはバンドセットで。グルーヴィンなサウンドにのせ、それぞれが華麗なマイクスタンド捌きを見せ、オンユはスタンドを持ち上げ、クルリと一回転。テミンも負けじと西部劇の主人公のように、ハンドマイクをクルリとさせる。バンドサウンドと見事に調和したスタイリッシュなステージングに、ファンの興奮は高まる一方。終盤、ミンホが左掌を大きく広げ「Stop」とシャウトした後の、一拍置いてからのテミンの歌声もゾクゾクもの。さらにフェイクするミンホを、3人が囲みながら舞えば、ファンの興奮が渦を巻きながら上昇していく。

こうしてファンをアツくさせた後はファンキーな新曲を連発し、さらなる高みへ。「I Really Want You」は煌びやか、かつ、ファンクネス溢れるサウンドで歌い、シック&ファンキーな「Heart Attack」はめくるめく指使いが楽しくも悩ましい。4人が左右の肩を揺らして、爆発する感情を表現した後も、ファンの歓喜はノンストップ! メンバーはスナップ音をクールにキメ、跳ねるピアノに合わせて、「ホ~~」と一斉にジャンプし、流れるように「Married To The Music」を演じれば、彼らは格好良さに加えて麗しさも醸し、そこにはオトナなSHINeeが立ち現れた。さらにメンバーの弾ける笑顔がファンを明るく照らし、序盤から熱気ムンムン。歌い終えると、会場にはワールドワイドなファンの声援がコダマし、メンバーは「アンニョン~」と挨拶。ここからトークタイムがスタートだ。

まずは右手を挙げて、「こんにちは、輝くSHINeeです」と改めて挨拶し、オンユは「3年ぶりに完全体で戻って来ました」とトーク。ミンホが「会いたかったです。皆さんも会いたかったですよね?」とファンにマイクを向けると、黄色い歓声が沸き、「最後まで楽しんで下さい」と期待を高める。

そしてキーは「普段のコンサートは何も食べれないけど、今日は思いっきり食べながら、気楽な格好で楽しんで!」と、オンライン・コンサートならではの楽しみ方をアドバイス。世界中のファンがモニター上に顔を見せると、メンバーは「すごい! きれい!」と雄叫びを上げ、ファンとメンバーが物理的な距離を超えて一つになっていく。

チャット欄には様々な言語でコメントが寄せられるため、マルチリンガルに応対するのもワールドワイドに活躍する4人ならでは! オンユはインドネシア語で挨拶し、キーは”万能キー”のニックネームに違うことなく、西英の二言語で流暢に挨拶。ミンホは北京語トークの後に、両手を合わせて一礼し、タイ語でも。その卓越した言語センスにファンから「オ~~」との称賛の声が飛ぶ。ラストのテミンはドイツ語で話すが、そのチョット違うイントネーションにキーから「それって韓国語じゃないの?」とのツッコミが。ミンホが「上手だよ」と握手を求めるが、キーは譲らない。テミンはすかさず「今回の公演のために、皆と頑張って準備したので、最後の最後まで期待して下さい」とニッコリ笑顔の日本語で挽回だ!

そしてトークは続く曲紹介へ。テミンが「初々しくてトキメク春のような曲」と話すと、ミンホは「テミンみたいな曲?」と応じ、それにテミンが「いや、僕は夏みたいな人ですよ」と応酬する。その後、キーが「すごく久しぶりの曲」と続けると、テミンは「キー兄さんが一番体重が重かった時代の曲ですよね?」と笑いを誘う。ファンが「どの曲だろう?」と想いを巡らす中、披露されたのは10年前の名曲「Hello」! 恋にウブな男の子の気持ちを描いた歌詞に懐かしさが込み上げるが、この日のスペシャル・アレンジはエレガントでグッと大人びたもの。キーが「皆、一緒に!」と呼びかけた後、ミンホが右手を左右に揺らすと、ファンが手にするペンライトも左右に揺れる。

心地よい感動がじんわりと国境を越えて広がる中、ラストは「僕たち二人」という詞に合わせて、ミンホが右手でピースサイン! 更に新曲「Attention」ではパールアクアグリーンの風船を小道具に、全員が可愛らしさを爆発させ、ホイッスル音や両手を口元に当てる仕草でウキウキ・モード。そして前半部は、お洒落なハウスチューンの「View」で幕を締め、大気圏外で歌うような演出が魅惑的だった。


ライブの副題は“無条件”に決定!

この日のために特別に用意した「Chemistry」のビデオ上映を挟んだ中盤は、闘牛士チックなファッションにチェンジし、凛々しさを炸裂させる番。新曲「CØDE」に続いたのは、2Stepチューンの「Prism」! 超クールな表情&スピーディーな展開の中にも、キーはジャケットをはだけて、艶を練りこみ、パフォーマンス後、テミンは「久しぶりでワクワクしました」と振り返り、キーも「楽しかった」と頷く。そして、舞台が一度、暗転してからの「Sherlock」はイントロ部で全員が「Go!」と声を揃え、気合十二分‼ 終始、力強さが漲り、熱きエネルギーが充満する。さらに「Everybody」というテッパン曲を並べれば、ファンのテンションはレッドゾーンへ突入。スペシャルな演出効果により、メンバー扮する玩具なロボットも、ハイテク度高めな近未来型のそれへと変身。テミンが「眠る君の心を起こして~」と雄叫びを上げると、花火が打ちあがり、ファンを痺れさせる。そして電池の切れたメンバーはステージ上に倒れながら人差し指を高く掲げてフィニッシュし、熱量の高いステージングでファンを圧倒した。

二度目のトークタイムはキーの「楽しんで見ていますか~?」からスタート。「皆さんがペンライトを振っているのを見てますよ」との声に、ファンはより一層大きくライトを揺らす。そしてライブチャット欄のコメントをピックアップしながら、ファンと交流。テミンは「嬉しすぎて眠れなかった」という日本語のメッセージを紹介し、「居眠りせずに最後まで、よ~く見て下さい。最後の最後まで絶対、見逃さないで下さい」と右手小指を立てた約束ポーズでファンをキュンとさせた。

その後、話題は定番の「サブ・タイトルを決めよう」へ。テミンは「僕たちが爽やかなエアコンになる」との思いから「エアコン」を、キーは「ワールドコン」を提案。ミンホは「前日に思い浮かびました。皆さんと一緒にコンサートが出来て、幸せなので」と前置きしながら、「無条件(ムジョッコン)、無条件だ~。チャチャラ、チャラチャラ、チャンチャンチャン」(トロット(演歌)歌手、パク・サンチョルの大ヒット曲「無条件」のサビ)とダブルサムズアップ付きで熱唱し、「無条件」を候補に。すると、ファンからどよめきにも似た歓声が沸き、それに応えるように、「貴女に対する僕の愛は特急の愛だ~~」とコブシを効かす。ここまでやってくれたミンホの熱意にほだされたキーは「エアコン」か「無条件」の2択を提案し、オンユの「桜コン」は軽くスルー。最後は、ファンの意見も踏まえて「無条件」に決定し、ミンホは丁寧なお辞儀と闘牛士ポーズで感謝した。

めでたく副題が決まった後は、「Let's Go! 無条件、無条件だ~~」とシャウトし、「Don't Call Me」を披露した4人。まずは、闘牛士ファッションでライブをスタートさせ、途中、ベージュを基調としたファッションへチェンジする。からの、再びのチェンジでは、ミンホが腹筋を露わにし、超絶セクシーに変身。キーはクールな烏骨鶏ファッションに着替え、ワイルドにパフォーマンス! こうして同一曲中、2回衣装チェンジという神業をやってのけた彼らは、さっきまでのコミカル&”無条件”な姿が嘘のようだった。


最新曲の最速披露から懐かしの名曲まで

後半はスペシャルビデオ「Kind」の上映からスタートし、いよいよ、この日のハイライト、「Atlantis」へ。「愛する人を通して初めて向き合う感情を、未知の世界である“アトランティス”に例えた歌詞がポイント」(テミン)というこの曲は、4月12日配信、15日CDリリースとなる7thアルバム・リパッケージ盤のタイトル曲にして世界初披露! バックには荒れる大海原が描かれ、彼らが立つステージにも波が押し寄せるが、テミンのポニーテール風ヘアスタイルと、キーのセーラー&フリル・ファッションには可愛らしさが光る。

最新曲を披露した後は、バンドをバックに、デビュー年にリリースした「Love Like Oxygen」で今一度、あの頃へプレイバック。が、サウンドは大人っぽいフュージョン・タッチで、今の彼らにドンピシャ。そして新曲「Kiss Kiss」は柔らか&グルーヴィンなサウンドでラブリーに歌い上げ、メンバーはファンへキッス&投げキッス。ファンはライブチャット欄にキッスのイラストでレスポンスし、メンバーとファンが甘~く結ばれていく。続く「JULIETTE」も個人的ハイライトで、メンバーのパフォーマンスは確かなジョンヒョンの存在を強く感じさせ、深い感動と熱き涙が溢れてきた。

その後、4人は二組に分かれてバックステージで衣装替え。まず、オンユとミンホが楽屋に向かうと、ステージに残ったキーとテミンが腕を組んで、ファンの元へ向かう。そしてテミンが膝をついて、ファンの前で公開プロポーズをすれば、キーは顔をくしゃくしゃにしながら嬉し泣き。からのハグに、ファンはホッコリ・ムード。その後、着替え終えたオンユとミンホがバトンタッチし、ファンの「コンサートはSHINee WORLDが最高」との声に、二人がしかと頷く。そして、ニューアルバムから披露されなかった「Body Rhythm」の話題に移ると、ミンホが「今後、完璧に準備してお見せします」と宣言。が、ファンからリクエストの声は止まず、オンユがアカペラで歌い、ミンホは腰を揺らしてボディを一回転! チラ見せで本格披露への期待を高めた。その後はキーとテミンも合流し、リパッケージ盤のイメージ写真を紹介しながら音楽番組にも出演予定と告知。今春吹き荒れたSHINee旋風はまだまだ止みそうにない!

その後は、メンバーが世界中のファンに見守られながら、ジョンヒョン作詞の「Selene 6.23」を歌い繋ぎ、その姿は切なくも美しい。そして、本編ラストの「An Encore」はグリーンに輝く光の粒子に包まれながら、4人が美しいボーカルワークで魅了。終盤にはファンの元へ向かい、3年ぶりに再会したメンバーとファンを祝福するように綺麗な紙吹雪が舞い降りた。

「ありがとうございます」と手を振りながらファンに感謝し、バックステージへと向かうメンバーたち。ラストは4人が並んで、右手サムズアップでファンに挨拶し、4人が抱き合いながら、またも感謝。こうして初のオンライン・コンサートはラブリーに幕を閉じた。


サプライズではアカペラの美声が止まらない!

このまま終えるのは寂しい、と白のロンTとジーンズに着替え、再びステージに戻ってきたSHINee。ここからリアルタイムで視聴している人限定のサプライズコーナーの始まりだ。

「1番良かったステージを振り返る」トークでは、キーが新曲をピックアップ。ミンホも最新曲「Atlantis」を挙げ、テミンは仲間に想いを馳せながら「Selene 6.23」をチョイス。オンユは「I Really Want You」を挙げ、「ファンキーな雰囲気が楽しかった」と振り返る。

個別リクエストではファンがテミンにBrave Girlsの「Rollin'」ダンスをオネダリ! もちろん彼は難なくクリアーし、最後は全員でローリン・ダンス大会に! 次なるヘアーカラーを聞かれたミンホは「ミント色を検討しますね」と答えてファンを喜ばせる。そして「今晩、ファンに聞いてほしい曲」にはオンユがアンサー。第三位に「Best Place」と答えれば、4人がそれをアカペラで歌い、第二位の答え「ROMANTIC」では、意気投合したテミンとガッチリ握手し、アカペラで甘い歌声を響かせる。そして1位は全員で「Kind」をチョイスし、オンユはここでも歌声をチラリ。トークだけでなく、最後まで生で歌ってくれる彼の優しさが嬉しかった。

最後はメンバーそれぞれがポジティブなメッセージや感謝の言葉を伝えて、フィナーレ。オンユはリパッケージ盤の活動後、暫くSHINeeとしてのカムバックが難しくなると話し、目に涙を浮かべたが、「そうなってもお待ちになって下されば、もっと格好いい姿をお見せします」とニッコリ・プロミス。その言葉がファンには心強かった。

尚、この日の模様は4月13日20時からと、18日11時からの二回で、再放送が行われる。見逃した方は是非、このディレイストリーミングをお楽しみあれ!

取材:きむ・たく

「Beyond LIVE - SHINee : SHINee WORLD」
日時:2021年4月4日(日) 15:00スタート

【セットリスト】
01. INTRO + Good Evening
02. Dream Girl
03. I Really Want You
04. Heart Attack
05. Married To The Music
06. Hello
07. Attention
08. View
09. CØDE
10. Prism
11. Sherlock
12. Everybody
13. Don't Call Me
14. Atlantis
15. Love Like Oxygen
16. Kiss Kiss
17. JULIETTE
18. Selene 6.23
19. An Encore

記者 : Kstyle編集部