シン・ヒョンジュン、自伝的エッセイ「響き」を出版“ポジティブなエネルギーを分かち合いたかった”

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写真=ピョ・ミョンジュン
俳優のシン・ヒョンジュンが、自伝的エッセイ「響き」を発刊した。「響き」には、彼の家族や、社会生活をしながら出会った人たちの話が収められた。シン・ヒョンジュンは彼らが自身にくれた愛と教えを「響き」と表現し、生きる知恵を伝えた。

「響き」という本は、子供の頃から続けてきたシン・ヒョンジュンのメモする習慣から始まった。「俳優はポジティブな視線で物事を見て覚え、感じたことを心の中に保存すべきだ」というイム・グォンテク監督の話を聞いて、さらに良い俳優になるために積極的にメモをしてきたというシン・ヒョンジュンは、自身が感じたポジティブなエネルギーをたくさんの人と分かち合いたかったと説明した。

シン・ヒョンジュンは「僕に大きなことを教えてくれる文章から、息子と過ごした日常の中の話まで、様々なことをメモしてきました。職業柄、たくさんの人に会います。人に会って得た知恵が生活の中に自然に溶け込むと、さらに幸せを感じたり、生活にも余裕が持てました。そのようなことを分かち合いたくて、本を作ることを決心しました」と話した。

放送、教職など様々な分野で活動したシン・ヒョンジュンは、新型コロナウイルスという“変数”にも出会い、忙しい時期を過ごした。そんな中、昨年7月に突然元マネージャーがシン・ヒョンジュンから13年間、不当な扱いを受けてきたと主張した。当時シン・ヒョンジュンはこれについて「事実無根だ」とし、法的対応をした。

そして昨年11月、シン・ヒョンジュン側は「元マネージャーがパワハラなどの理由で告訴した事件が11月9日、ソウル北部地方検察庁から嫌疑なしで不起訴処分を受けた」とし、「すでに知られているように、7月27日江南(カンナム)警察署は元マネージャーがいわゆるプロポフォール疑惑で告発した事件について、いかなる違法な事実も確認できないという理由で、すぐに告発状を返したことがある。元マネージャーが主張しながら暴露した内容は、すべて事実ではないことが捜査を通じて明かされた」と伝えた。

シン・ヒョンジュンは「実は、今も傷を克服したわけではありません。『芸能街中継』の司会を長い間務めてきたので、どれだけ気を付けてきたことでしょう。予想もしなかったカテゴリーから事件が起きて、とても辛かったです。法的にはすべてが終わりましたが、傷は長く残るでしょう」とし、「特に妻がかなり怯えていました。悪いことが起きたり、悪質なコメントのため極端的な選択をした芸能人の話に僕が苦しんでいたのを見ていた人なので、夫も悪いことを考えたりするのではないかと心配していました」と説明した。

続いて「僕がどうにかなるんじゃないかと、ずっと僕と一緒にいました。妻がチェロをやっているので感性が豊かですが、息子を二人産んで育てたら強くなりました。妻がいなかったら本当に乗り切ることはできなかったと思います」とつけ加えた。

シン・ヒョンジュンは意図しなかった空白期を前向きにとらえようと努力した。この時間を十分乗り越えられると信じ続け、忙しくてできなかったことを振り返り、妻、息子ともたくさん思い出を作った。この過程のおかげで「響き」という本も完成した。

シン・ヒョンジュンは今回のことを経験しながら、7年前に死去した父親のことを思い出したという。彼は「選択の岐路に立つ度に、いつも父に聞いていました。今はもういないけれど、父だったらどんな選択をしただろうかと考えました。そして、とても鮮明な判断ができました」とし、「僕の子供たちも後に大きくなってこのようなことを経験する可能性も十分にあると思います。僕の子供たちにも“うちの父親はこんな判断をした”というのを見せるべきだと思いました。法的手続きに入ると時間がどれぐらいかかるのかわからないといったが、妻、母親、義父、義母まで家族全員が僕の意見に力を添えてくれました」と伝えた。

そして「最初あのことが報じられた時、法的対応を取ると話したら、反対していた周りの人がいました。しかし、僕の選択に何の後悔もありません。法的手段によって僕は何の罪もないということが明かされました」とし、「死にそうな時間でしたが、僕の子供たちにも父親が賢明な判断をし、“偽りは真実に勝てない”ということを教えられたと思います。自分自身もかなりしっかりしました」と強調した。

シン・ヒョンジュンは法的な紛争をする間、生徒から食堂の店主まで、自身に温かい応援を送ってくれた人たちに感謝を伝えた。

シン・ヒョンジュンは「11年間教授として学生たちに教えています。学生たちが“教授、頑張ってください”“信じています”と応援してくれました。よく行くクッパ屋のおばあさんは、僕の代わりに悪口を言ってくれて、頑張ってと肩も叩いてくれたし、ある食堂でアルバイトしている方は“シン・ヒョンジュン、ファイト。頑張ってください」と飲み物をくれました」と伝えた。また「妻は冗談で“あなた、同情のアイコンになったね”と言いましたが、人から受けた傷は、人で癒されるということを感じました。キム・スミ先輩が幸せすぎると良い芸術はできないと話していました。芸術家として良い経験をしたと思うようにしたいです」と明かした。

記者 : イ・ハナ