「三姉妹」ムン・ソリ“社会を生きる多くの人が共感できるストーリーだと思う”

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写真=C-JeSエンターテインメント、リトル・ビッグ・ピクチャーズ
俳優のムン・ソリが映画「三姉妹」を通じて、もう一度観客たちに深い響きを与える。

ムン・ソリは最近、ビデオインタビューを行い、1月27日に公開された映画「三姉妹」の多様なエピソードを伝えた。

「三姉妹」は、表面上は全く問題がないように見えても内面は異なる次女ミヨン(ムン・ソリ)、小心者の長女ヒスク(キム・ソニョン)、トラブルメーカーの三女ミオク(チャン・ユンジュ)の3人の姉妹が、言えなかった過去を打ち明けることから展開する物語を描いた作品だ。「疎通と嘘」「ハッピーバースデー」などを通じて、繊細な演出力を証明したイ・スンウォン監督がメガホンを取った。

ムン・ソリは劇中、完璧なフリをする見せかけの性格の次女ミヨン役を演じる。信仰心の深い聖歌隊の指揮者として誠実に活動する、完璧な主婦の一面を見せるが、いつも仮面をかぶっている人物を描く。それだけではなくムン・ソリは、共同プロデューサーとして映画全般のプロデュース作業にも参加し、多才な力量を発揮して「三姉妹」の完成度を高めた。

この日、ムン・ソリは「『三姉妹』を全州(チョンジュ)国際映画祭、釜山(プサン)国際映画祭で見ましたが、私とキム・ソニョン、チャン・ユンジュの3人ともたくさん泣いていました。私は私自身が出演する映画を見て泣くことはあまりないのですが、たくさん泣いてしまいました」と伝えた。

彼女は「キム・ソニョン、チャン・ユンジュは技術試写会の頃からたくさん泣いていました。当時は『自分が出演した映画を見て泣くなんて』と2人をからかったりしていたのに、そんな私が泣いてしまって恥ずかしかったです。このように私たち3人は『三姉妹』への愛情が深いです。観客の方々の反応が気になります」と期待感を示した。

ミヨンのキャラクターに没頭して注目を集めた彼女は、「大変なことを見せず、隠そうとする性格が私に似ています。完璧に準備できていないと見せない、そんな性格が似ているんです。詳しく説明することは難しいですが、ミヨンが持っている心の中のある部分は、元々私も持っていた一面です。普段はあまり好きじゃない一面ですから、劇中のキャラクターの心をよく理解しながらも、抱きしめてあげるのが簡単ではありませんでした。撮影に入る10日前になっても悩んでいたのを覚えています」と述べた。

特に彼女は、仏教信者であるにもかかわらず「ミヨンの深い信仰心を表現するために、教会にもよく足を運びました」と伝えた。

彼女は「大きい教会にも小さい教会にも行ってみました。ただ私がその集まりに参加したいという気持ちでよく行きました」とし「キム・ソニョン、チャン・ユンジュが実際に信仰心の深いクリスチャンですから、二人に助けてもらいました。キム・ソニョンの実姉は、ずっと前の小学生時代から教会で多くの時間を過ごしたそうです。直接会って色々質問したり、インタビューする時間も持ちました」と作品への情熱を示した。

そして彼女は「ミヨンには教会という垣根が必要だったのではないかと思います。教会とイエス様の愛が、家族よりも暖かくて心強いものだと思っていたようです」と述べた。

彼女は「三姉妹」について「私には実際は姉妹はいなくて、弟だけいます。姉妹がいなくても、この社会を生きる多くの女性が共感できるストーリーだと思いました。また女性だけでなく、誰しも一度は考えたことがあって、共感できる映画だと思いました。イ・スンウォン監督の暖かい視線が映画を見る観客にも伝われば、癒やしになるだろうと思います」と自信を示した。

ジョンインちゃん事件(養子だったジョンインちゃんが虐待により死亡したと推測される事件)により児童虐待が社会的な問題として浮上した中、「三姉妹」が家庭内暴力について扱ったことにも言及した。ムン・ソリは「この映画は特別な事件を描こうとしたのではありません。今では多くの父親が育児にも参加して、家事も(妻と)一緒に行って、住宅の名義も共同名義にするなどたくさんのことが変わりましたが、昔の父親たちは愛を表現する方法を知りませんでした。そんな状況で育った子供たちは、それによる傷や感じた感情がたくさんあるでしょう」と伝えた。

続けて「別の映画で作られたストーリーでは人が死んだりもしますが、この映画は『その程度でね』ということについて描かれています。大人たちはそのような感情を疎かにしてきたけれど、我々は成長過程で、我々の心の中は今も大きく変化しているということを、イ・スンウォン監督は伝えたかったのではないでしょうか。それで監督もたくさん悩まれていました。ドラマチックで特別な父親の姿を描く計画はなかったので『観客の方々がそのように思ったらどうするの?』と、何度も台本を修正しました」と語った。

また、彼女は共演したキム・ソニョンの熱演について賛辞を送った。彼女は「過去、私はある映画祭で、キム・ソニョンが助演として出演した作品の審査を担当したことがあります。当時、キム・ソニョンの抜群の演技力を見て『助演はなぜ映画祭で受賞することができないの』というテーマで、プログラマーと話し合ったことがあります」と伝えた。

続けて「キム・ソニョンは本当にパワフルです。その演技を見ていると、胸がスッとします。心の奥から溢れ出てこぼれ落ちる、そのような深みを持っていること自体がすばらしいです。キム・ソニョンはただキム・ソニョンで、すでに完成されています」と語った。

チャン・ユンジュについても「驚きました」とし「各カットで監督の指示や意図を吸収して、私とキム・ソニョンの話を聞いて、変化していく姿を見ました。演技の経験が少ないのにもかかわらず、とても柔軟で受け入れる能力がすごいです。俳優にとってとても大事な能力だから、すばらしいと思います」と伝えた。

最後にムン・ソリは「私を呼んでくださったら、70代になっても演技をしたいです。その年になっても、監督とコミュニケーションを取れるおばあさんになりたいです」と願いを伝えた。

記者 : キム・ナラ