「Festival」ハ・ジュン“第一歩を踏み出した…率直な俳優として記憶されたい”

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写真=Triple Pictures
「人々に真実な俳優として記憶されたい」

俳優ハ・ジュンは最近、映画「Festival」(監督:キム・ロクギョン)の広報インタビューに参加して取材陣に会った。今回のインタビューは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、画面を通じて行われた。

「Festival」は、無名MCのギョンマンが、父の葬儀費用を工面するため、最も悲しい日に皮肉にも祝いの場を訪れて人々を笑わせなければならない3日間の話を描く作品で、助演から端役まで、多彩な演技経験があるキム・ロクギョン監督の長編デビュー作だ。泣きたいが笑わないといけないという兄妹の矛盾した状況を通じて現実の厳しさをアピールし、死の瞬間にもお金で左右される我々の社会について描いている。ストーリーの真実性が通じたおかげで「第24回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭」では作品賞、俳優賞、観客賞、俳優支援賞までを受賞して4冠を達成した。

映画「犯罪都市」、ドラマ「ブラックドッグ」「バッドパパ」「ミッシング:彼らがいた」など多様なジャンルで存在感をアピールしてきたハ・ジュンは「Festival」で、父親の葬儀のために祝いの場に訪れる無名MCのギョンマン役を演じ、一人で葬儀場を守りながら喪主である兄がいない状況で、何もできない苦しさを感じるギョンマンの妹ギョンミ役のソ・ジュヨンと息を合わせた。彼は未熟な状態で直面した家長としての責任感、挫折感などを繊細に表現して観客に深い響きを与えた。

オーディションを通じて映画への出演を確定したと明かしたハ・ジュンは「俳優たちは誰でも感情的に深く入り込みたい気持ちがあります。チャンスが訪れた時には、ときめきと恐怖を同時に感じます。偽物ではなく本物として話したい気持ち、うまくやりたいという気持ちを同時に感じました。どうやってでもよく耐えてみようという考えが強かったようです」と説明した。

また「三千浦(サムチョンポ)で映画の80%を撮影しました。僕は三千浦という地域に初めて訪れましたが、その地域の風景に心が癒されました。撮影が終わると、宿所の前に見える海辺を歩いたり、日が沈むのを見ながら自分自身を励まし、心を磨きました。三千浦という空間自体が僕を癒してくれたので、心理的に苦しかったり、大変なことはなかったです」と伝えた。

劇中で、実際のMCを連想させる素晴らしい演技を披露したハ・ジュンは「実際にイベントのアルバイトをたくさんやったことがあります。なので、準備するのがプレッシャーになったり、難しくはなかったです。(演技の際に)基本的な枠を超えない程度の範囲で、実際にアルバイト中に使ったアドリブなどを加えてみたりもしました。イベントシーンでラップするように自己紹介をする部分は、台本に書かれていた部分だったので、最大限ナチュラルにしようと努力しました。そこに、僕が実際にアルバイト中に経験したことなどを加えてみました」と説明した。

さらに「僕も他の俳優の方々のように、アルバイトをたくさんしてきました。映画館でもアルバイトをしたことがあるのですが、映画『犯罪都市』の舞台挨拶で、過去に僕がアルバイトをしていた映画館に訪問した時には、心がいっぱいになりました。化粧品店でもアルバイトをしていましたし、夏にはイベントでゲームを進行したり、顧客に会員登録を進める活動などもしましたね。また、大学路(テハンノ)では舞台クルーとしても活動しました。仁川(インチョン)アジア競技大会の時にもそのようなアルバイトをしていました」とエピソードを伝えた。

続いて「すべての撮影が簡単だったわけではないです。低予算だから時間との戦いが多かったです。殮襲(死体を湯水やアルコールでぬぐい清めた後, 経かたびらを着せ, 衾で包みしばること)シーンは、実際に殮襲をする場所で行ったのですが、場所が与える圧迫感がすごかったです。決まった時間内に感情を表現しなければならなかったので、プレッシャーも感じました。休む時には、お年寄りの方々の前で実際に進行を務めてみたり、歌も歌ってあげたりしました。どのようにしてでも、今日一日を上手く耐えてみようという考えだったようです。今になって思い返すと、みんなで団結できたシーンだったので笑顔で話せる思い出になりました」と話した。

兄妹として共演したソ・ジュヨンとのケミ(ケミストリー、相手との相性)はどうだったのだろう。ハ・ジュンは「撮影前から数回ほど、一緒に食事をしていたので楽でした。また、ジュヨンさんが明るい性格だから、気まずいとか不便なことは全くなかったです。彼女との相性はとてもよかった気がします。ある日は、僕に飴をくれると言ってゴミをくれたことがありましたが、現実の兄妹喧嘩のような感じがしました。そのため、その後に彼女に連絡して『ありがとう』と伝えましたね」とビハインドストーリーを伝えた。

ハ・ジュンが「Festival」で最も気を使った部分は“リアリティ”だった。彼は「誰もが一度は経験するストーリーだから、リアルに表現することが最も大事でした。キャラクターが監督と似ている部分が多かったので、撮影前にたくさん話し合ったりもしました。その過程で監督からは、外的な部分でも『なるべく自分の姿を捨てて』と言われました。これは、飾り気があってはいけなく、リアリティが最優先だということでしたので、ビジュアル的にはあまり気を使わなかったです。元々イケメンでもないですし」と“リアリティ”を気を使った理由について説明した。

また「当時、肌の状態がとても悪かったのですが、監督は逆に喜んでくれました。ギョンマンらしいニキビだと。撮影中にメイクも全然していないほど、ビジュアル的に気を使ったことがないです。また、人の視線も特に気にしなかったです。人が感情的に崩れてしまう状況になると、実際にビジュアル的な部分に気を使うことができないじゃないですか。もちろん、きれいに泣くこともできないですし。なので人の視線よりは、僕の演技がリアルに見えるだろうかということについてばかり悩みました。そのためには、ビジュアル的な部分をあきらめるのが課題でしたが、僕は元々イケメンでもなかったのでその部分は大丈夫でした」と冗談を言ったりもした。

「犯罪都市」以来、以前より俳優としての知名度が高まったハ・ジュンだが、彼は「僕は、自分が有名でもないし、えらい人でもないと思っています。ドラマ『ミッシング:彼らがいた』に出演する時、ホ・ジュノ先輩がアドバイスしてくれました。役割に順番をつけてはいけないと。よい作品なら悩まずに挑戦して、遠く、長く見た方がいいと言ってくれました。それが今も記憶に残っています。僕に響きを与えた作品は、何でも挑戦します。僕が作品を選択するのではなく、因縁のように僕にやって来るものだと思っています。僕に訪れた縁には、最善を尽くしていきたいです」と伝えた。

そして「感情シーンがあったり、敏感になるシーンを撮影する時に、現場のスタッフたちに迷惑をかけてはいけないということを学びました。迷惑をかけずにいかにうまく感情を表現できるかが、僕の力量だと思います。社会生活をしているすべての方々が『辛い』という感情を他人に表現しないことが多いです。俳優だからといって特別ではありません。同じです。ただ、僕は俳優だからそれを演技として表現するだけだと思っています。人生で他人には言えない苦情や辛いことがあっても、これがいつかは自分のためになると思っています」と強調した。

ラブコメディージャンルにも挑戦してみたいと明かしたハ・ジュンは「俳優として第一歩を踏み出した気がします。視野がもっと広くなりました。現場に行ったり、人に会う時にその変化を感じます。以前は見えなかった人々のコンディションと雰囲気を、包括的に感じられるようになりました。他人を以前より、もっと理解できるようになりました。これからは、人々に率直な俳優として記憶されたい」伝えた。

最後にハ・ジュンは「多くの方々に癒しを届けたいという気持ちで出演しました。今のような厳しい状況だからこそ、もっと癒される部分があるだろうと思います。愛する誰かに最善を尽くすことができなかったという、申し訳ない気持ちを持っている方ならば、誰もが共感できるだろうと思います。またそんな経験がなくても、楽しく鑑賞できる作品です」と伝え「Festival」への期待を呼び掛けた。

「Festival」は韓国で12月2日に公開された。

記者 : イ・イェウン