「ザ・コール」パク・シネ、演技への想いを語る“後悔が積み重なって今の私がいる”

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写真=Netflix
「後悔する瞬間はとても多いですが……それが積み重なって今日の私をつくったのではないでしょうか」

映画「ザ・コール」に出演したパク・シネは、最近オンラインで行われたインタビューを通じて、女性を中心にした作品で活躍した感想から、新型コロナウイルスの検査で陰性判定を受けた安堵感を伝えた。

Netflixで公開されている映画「ザ・コール」は1本の電話で繋がった異なる時間帯で暮らす2人の女性が、お互いの運命を入れ替えることから始まる狂気じみた執着を描くミステリースリラーだ。

久々に帰ってきた家で古い電話機をつなげたソヨン(パク・シネ)が20年前に同じ家に住んでいたヨンスク(チョン・ジョンソ)の電話を偶然受けたことで2人の運命が狂いだす。

20年前の過去からかかってきた電話でヨンスクと繋がったソヨンは、彼女を利用して過去の事件を変えることになる。しかし、タブーを破った対価はあまりにも大きいものだった。彼女はもちろん、周辺の人々の運命まで根本から変わり、大きな危機に瀕することになる。パク・シネは1本の電話ですべてが変わってしまったソヨンの複雑な感情を繊細な演技で表現し、劇を引っ張っていく。

過去の事故から父を救おうとするソヨンと自身の将来を変えようとするヨンスクは、お互いの人生を変える危険な選択をすることになり、その結果は予測不可能な方向へと流れていく。

パク・シネは「3月に制作発表会をして、約8ヶ月後にNetflixで公開することになりました。劇場で公開できないのは残念でしたが、映画をお見せしたいという気持ちが大きいです。Netflixを通じて世界の多くの方々に映画のお披露目ができて嬉しく思います。心残りがむしろ良い結果を呼び起こすかもしれないという希望を持っています」と話を始めた。

「『ザ・コール』は1度断った作品です」と話すパク・シネは、「『アルハンブラ宮殿の思い出』を終えて、シナリオをいただきましたが、当時は体力的にも精神的にも底をついていたからです。映画社(ヨンフィルム)の代表に『もう1度考えてくれないか』と言われ、監督に会って話し合いました。イ・チュンヒョン監督の映画『身代金』を見て、今まで会った監督とは違う新しさを感じました。シナリオをもう1度読んで出演を決めました」と話した。

パク・シネは「たくさん悩みました」とし、「ヨンスクがソヨンを支配します。『あまりにも引っ張られてしまうのではないか』あるいは『従来と異なる姿を見せることができないかもしれない』と思いました。この作品を通じてどのような姿を見せるべきか、私にできることは何だろうと思いました。ヨンスクに引っ張られてしまうのではなく、独立して主観を持って動く姿をどう見せればいいのだろうかと考えました」と説明した。

また、「『ザ・コール』は女性中心のウェルメイド映画だと思います。女性たちが主体になって主張しながら、しっかりと引っ張っていく映画です。そういった点が私にとって大きな魅力でした」と強調した。

電話を題材にしているため、チョン・ジョンソとの通話シーンが中心になる。2人は相手の感情移入のために撮影現場に行って相手の前で台詞を読むという情熱を見せた。

パク・シネは「チョン・ジョンソさんは本当に凄いです。演技も鳥肌が立つほど上手です。どうしたらこのようなエネルギーを発揮できるのかと思うくらい凄いです。実際に鳥肌が立ったこともあります」とし、「でも可愛くて愛嬌もあります。対話をすると人のリズムが感じられますが、チョン・ジョンソさんから弾けるリズムを感じました。たくさんのことを学んだ時間でした」と話した。

チョン・ジョンソとのリアルな悪口演技に関しては「シナリオに書いているものよりは、感情が溢れてアドリブで演じるシーンが多かったです。それがお互いに刺激になりました」とし、「それぞれ感情の刺激を呼び起こしてシーンに入り込むことができたと思います」とビハインドストーリーを伝えた。

また、「チョン・ジョンソさんと揉めるシーンもあります。私たちはそんなに激しいとは思いませんでしたが、スタッフが『カット!』と叫び、『ひやひやした』と言われました。そういうところが映画にうまく収められたのではないかと思います」と明かし、映画への期待を高めた。

強烈なヨンスク役を務めたいという欲はなかったのだろうか。パク・シネは「ヨンスクはとても魅力的です。狂気があり、人々の息を詰まらせる魅力があります。最初は私もヨンスクの役に魅力を感じました。『このキャラクターをしたくなりそう』とも思いました。でもソヨンの真っ直ぐな姿がどんどん崩れていく姿も面白いと思いました。普通だった人が狂っていく過程を描くのも楽しいのではないかと思ったんです」とキャラクターに対する愛情を伝えた。

作中でショートヘアからウェーブのかかったロングヘアまで様々なスタイルを見せたことについて「外的な変化はいつも楽しいです。今までロングヘアを維持してきましたが、ソヨンだけは短く切ったボブスタイルでクールな姿を見せたいと思いました」と伝えた。

ソヨンのように過去を変えたいと思ったことはないか聞かれると、パク・シネは「後悔する瞬間はいつもあります。今日インタビューをしながらもそんな瞬間が生じるかもしれません」と言いながらも「しかし、そのすべてが積み重なって私という人間になりました。足りない瞬間もありますし、後悔する瞬間もありましたが、それがあって今の私がいます。これからも後悔を土台にもっと堅くなるのではないでしょうか」と話した。

「ザ・コール」は前作の「アルハンブラ宮殿の思い出」や「#生きている」のようなジャンル物だ。パク・シネは「今まで様々なジャンルに出演したくて、『アルハンブラ宮殿の思い出』や『#生きている』に出演しました。時代に従って放送コンテンツも変わっています。自然な流れだと思います。ストリーミングプラットフォームが多様になり、制作環境が変わって、挑戦できる作品やジャンルの幅も広くなりました。様々な作品がNetflixを通じて制作されており、K-コンテンツが世界的にイシューになってチャレンジの機会も多くなりました。私にもその機会が与えられて、喜んで作品に出演しました」と説明した。

また、「30代になると、もっと真率な30代の女性の姿を描いた映画やドラマに出会いたいと思います。家族同士のストーリーや、友人あるいは恋人などなど。今私が感じる感情が20代の時とは異なるため、この感情を表現できる作品に出会いたいです」と伝えた。

パク・シネは現在撮影中のJTBCドラマ「シーシュポス:the myth」の出演者が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、コロナ検査を受けた。幸い陰性の判定を受けた。

パク・シネは「『インタビューに出られなかったらどうしよう、たくさんの記者さんが待ってるのに』と思いました。私も(検査結果に)緊張しました。私は当時現場にいませんでしたが、現場にいたすべての人が陰性判定を受けることを祈ります」と伝えた。

記者 : ペ・ヒョジュ