「ただ悪より救いたまえ」ファン・ジョンミン、アクション演技の練習は“相手に怪我をさせないため”

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写真=CJエンターテインメント
映画「ただ悪より救いたまえ」で暗殺者のインナム役を演じたファン・ジョンミンが、映画出演の感想を語った一問一答を公開した。

Q. 映画「工作」以来、約2年ぶりに夏の大作商業映画に出演した感想を教えて下さい。

ファン・ジョンミン:2年ぶりに夏にご挨拶することになって、嬉しく思いながらワクワクしている一方で、新型コロナウイルスの感染拡大により悩まされる最近の状況がとても残念です。しかし、このような息苦しい状況を、映画「ただ悪より救いたまえ」を観て解消して欲しいです。涼しくて夏にぴったりな映画だと思います。

Q. “1000万俳優”という異名が有名ですが、それはファン・ジョンミンさんへの世間の期待と言ってもいいと思います。これに対してプレッシャーを感じたりしますか?

ファン・ジョンミン:プレッシャーというよりも、観客の皆さんがそんな風に呼んでくださるのはとても幸せなことで、ありがたいことです。もちろん、毎回映画が大ヒットすればいいと思いますし、そうなるために現場でたくさん努力をしています。今回の映画も一生懸命に努力したので注目して欲しいです。

Q. オープニングシークエンス(タイトルの題字やスタッフクレジットが入っている部分のこと)でファン・ジョンミンさんの姿は暗殺者のように見えました。最初、レイ(イ・ジョンジェ)が登場する前まではプロフェッショナルな暗殺者を辞めたいと思う、疲弊した演技を見せてくれますが、その演技で重点を置いた部分はなんですか?

ファン・ジョンミン:「その人物がどんな理由で暗殺者という職業になったか」が、一番大きな悩みでした。それを逆に思うと、「この人が心にどんな闇を抱えており、自身が殺し屋という間違った職業を選んで、その仕事をしながら自身がどんなにボロボロになってしまったのか」が大事なポイントでした。その部分に対して監督とたくさん話し合い、観客に「キム・インナムという人物は、自身の職業を誇りに思っているのではなく、苦しんでいるのだ」と言うことを伝えるために準備を始めました。

Q. インナム役を演じるために体力的な準備や、アクション演技の練習をしたと聞きましたが、その過程で大変だった部分を教えて下さい。

ファン・ジョンミン:アクション映画の撮影に入ることになると、体もちゃんと作らなければならないし、体重や体型も維持しなければなりません。それから相手が怪我しないように、相手に迷惑をかけないようにちゃんと準備しなければなりません。ちゃんと準備しなかった場合、自分が怪我するのは構いませんが、僕のせいで相手が怪我するかもしれないからです。事故を予防するためにも、必ず自ら準備をきちんとしなければなりませんでした。そのプレッシャーが大きかったです。

Q. “ハードボイルド追撃アクション”というスローガンを全面に掲げていまが、ノワールジャンルの傑作「新世界」とは異なるイメージですか?

ファン・ジョンミン:「新世界」のときは、アクションと言えるようなシーンがあまりありませんでした。今回の「ただ悪より救いたまえ」は、ハードボイルド追撃アクションと書かれていますが、言葉通りハードボイルドでした。アクションの量も映画「ベテラン」などの作品よりも想像を超えるくらい多かったと思います。

Q. 久々にアクション映画に出演しようと思ったきっかけを教えて下さい。

ファン・ジョンミン:映画「ただ悪より救いたまえ」がアクション映画だから出演しようと思ったわけではありません。最初台本を読んだ時、難しくないしとても面白いと思いました。観客にとっても親近感が湧くストーリーで、賑やかな映画を披露したいと、すごく思っていました。映画を観た後に考えにふけり、心が重くなるような映画よりも、アクション劇で爽快感を与えて、それがストレス発散にもつながる映画を観客にプレゼントしたかったです。そんな時にこの映画のオファーが来たので、出演を決定しました。

Q. 韓国&タイ&日本の3ヶ国で撮影を行い、約80%以上が海外ロケで撮影が行われましたが、国内で行う撮影との差はありますか?

ファン・ジョンミン:差は大きいです。国内撮影では現場で不備があるとすぐに再調整が可能です。例えば地方にいても、ソウルにいるスタッフから必要なものを貰い作り直したりする余地がありますが、海外ではそれが許されません。事前に徹底的に準備しなければなりませんでした。にもかかわらず隙が見えたり、補わなければならない事態が生じました。現場にいるスタッフを含め、全ての人々にその隙が見えないように努力しながら撮影を行いました。それが一番大きな差だと思います。あと個人的に僕は韓国料理派なので、韓国料理がものすごく恋しかったです。

Q. 子供を救う切ない演技をするために重点を置いた部分は何ですか?

ファン・ジョンミン:もちろん感情的に子供を救出することも確かなミッションでした。でもその理由は、全ての感情が複雑に絡み合っているものだと思いました。「自分自身を救出する」という感情も確かにインナムにはありました。「僕が今どんなに間違っているか。既に間違ってしまった人生を取り返すことはできるのか?」を、彼は確かに分かっていました。取り返すことのできない過ちを反省している時に、“子供を救うことによって自分も救える”という目標ができた訳です。その分インナムには子供という存在が、人生において希望の存在だったのです。

Q. 映画「新世界」以降、再び共演を果たしたイ・ジョンジェさん(レイ役)との対決は圧巻でした。彼とはタイで会いましたが、初めての対決シーンを控えて話し合ったことなどはありますか?

ファン・ジョンミン:お互いに「絶対に怪我しないように」と話し合いました。過激なアクションが多いので「絶対怪我しないで、もし問題があればアクションシーンの前にストップしよう」と冗談ぽっくお願いしましたね。もちろんイ・ジョンジェさんとは「新世界」の時にも共演しましたし、「新世界」の後にも会ったりしていたので、演技する時も相性が良いです。

Q. イ・ジョンジェさんの出演決定を初めて聞いた時はどのように思いましたか?

ファン・ジョンミン:ものすごく嬉しかったとしか言えません。なぜなら「新世界」の時に共演して、とても良かったからです。当時は初めての共演だったので、「あれ? 彼ともう一度やりたいな」と思いました。「新世界」の撮影終了後に一緒にお酒を飲みながら「必ずもう一度共演しよう」と言いました。イ・ジョンジェさんも「当たり前だ!」と言ってくれました。それから会うたびに「僕たち、いつ共演する?」という話をしていましたが、7年という月日が流れていきました。多分、この映画で共演することになることを予感していて言っていたのかもしれません。

Q. パク・ジョンミンさん(ユイ役)との共演も、新しい組み合わせだと思います。公開まで彼が演じるキャラクターがベールに包まれていたので、期待を集めていましたが、彼との相性はいかがでしたか?

ファン・ジョンミン:僕たちが秘密兵器のような存在で隠して居たのに、たくさん喋ると観客たちがあまりにも期待していざ観た時に「何だ……」と言われないか心配です。しかしパク・ジョンミンさんは、現場では最高のムードメーカーでした。個人的にはパク・ジョンミンさんが演じるユイ役がこの作品に活力を吹き込む最高のキャラクターだと思います。この映画のもう一つの鑑賞ポイントになると思います。彼はとても演技が上手な俳優です。なので信頼があります。そして彼はうまくこなしたと思うので先輩として必ず褒めてあげたいです。

Q. インナムの助力者役を演じるパク・ジョンミンさんの一番大きな長所は何ですか?

ファン・ジョンミン:普段は無口なタイプです。ですが、現場や日常では常識的で徹底的に準備します。映画の撮影現場で無口で静かだと言うことは、事前に徹底的に準備していることを意味します。そこが彼の一番大きな長所だと思います。

Q. キャスティングが完璧な人選の映画だと思います。チェ・ヒソさん、パク・ミョンフンさん、オ・デファンさんなどの共演も目を引きます。出演者の皆さんとの相性はいかがですか?

ファン・ジョンミン:チェ・ヒソさんとパク・ミョンフンさんとは初めての共演でしたが、とても良かったです。多分観客の皆さんもこの映画を観たらわかると思います。1人も演技に無駄がありませんでした。みんな上手で、タイにいるエキストラの皆さんもみんな演技が上手でした。みんな自分のポジションを上手くこなしてくれたので、映画を観ながらとても幸せでした。

Q. 「全知的おせっかい視点」や「驚きの土曜日:ドレミマーケット」など、映画広報のためのバラエティ出演はあまりないことだと思います。出演を決めたきっかけはありますか?

ファン・ジョンミン:映画の広報に俳優が最善を尽くすことは当たり前だと思います。この映画を広報したいと思いましたが、最近はバラエティ番組ではないと宣伝する場所がありません。僕が出演して何でもすれば視聴者たちは「あ、ファン・ジョンミンが出演する映画が、もうすぐ公開されるんだ」と思うはずです。そう思いながら映画に対する情報を検索してみるなどをすると思います。そのような番組を通じて少しでも多く映画に興味を持って、劇場に来て欲しいと言う気持ちで、出演を決めました。

Q. 今夏の韓国映画期待の3作品の1つに決まりましたが、感想を教えて下さい。

ファン・ジョンミン:新型コロナウイルスの感染拡大によって映画界はもちろん、社会全体が大変な状況です。この映画をはじめとした全ての映画が成功して、観客や映画業界の力になって欲しいです。以前のように多くの観客が劇場に来て盛り上がる雰囲気ではありません。しかし、個人の防疫守則を徹底的に守り、気をつけながら成熟かつ安全な観覧文化を作っていけば、もう一度劇場で公開される映画を通じて多くの方々が一緒にときめき、楽しむ日が来ると思います。

記者 : イ・ユンヒ