「ボイス3」クォン・ユル“劇中で悪役が作り出す緊張感が面白い”

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クォン・ユルは、今まで見せたことのない新しい姿で人々のもとへ戻るため、様々な準備をしている。OCNドラマ「ボイス3」を撮影していた時よりも、さらに鍛え抜かれた体で撮影現場に登場したクォン・ユル。男の中の男というコンセプトで撮影した今回のグラビアで、彼の引き締まったボディラインが捉えられる度に現場からは感嘆の声が漏れた。演技への苦悩から日常まで、率直に語る彼を見ていると、本当に好きにならずにはいられない男性だと思った。

――パン・ジェスの再登場で強烈なインパクトを与えた「ボイス3」の放送終了からかなり時間が経ちました。今までどのように過ごしましたか?

クォン・ユル:作品もずっと見ていますし、運動も熱心にしています。個人的には、実力を身につけるリフレッシュの時間を持ちたいと思いました。そのために本もたくさん読んで、良い文章は自分で書いてみたりして、心身ともに豊かになることができる個人的なスキルアップの時間を過ごしていました。

――「ボイス」の二つのシーズンでサイコパス連続殺人鬼を演じました。非現実的と言えるほど残酷な人物ですが、初めてこの人物に出会った時、いかがでしたか?

クォン・ユル:シーズン1がとても愛されたじゃないですか。俳優としてこのようなジャンルで一度くらいは悪役がしてみたいと思いました。なので、初めてこの人物に会った時、困惑したり、混乱するよりは挑戦したいと思ったようです。このような役について、以前からイメージトレーニングやシミュレーションをしていたので、見慣れない人物というよりは、「この部分はこのように、もっとうまく表現したい」ということだけ見えてきました。

――パン・ジェスはとても立体的な人物だと思います。何気なく殺人を犯しますが、同じ性向でありながら、異なる現実を生きるト・ガンウの内に秘めた悪の本性を目覚めさせようとするなど、心理的な変化も重要だった人物なので感情の消耗が激しかったと思います。

クォン・ユル:ある役を演じていると感情の消耗がなくなることはないでしょう。経験したことのない、ひいては経験してはいけないことを十分にイメージ化させ、それを演技を通じて表すという作業の連続です。十分練習しても感情の消耗は大きいはずです。しかし、ある特定の職業や役のせいでもっと大変だったり、楽だったりするよりは、俳優としては常に当たり前のように経験すべきものだと思います。今回の「ボイス」でも確かに感情の消耗はありましたが、ただ俳優として経験するしかない通過儀礼だったと思います。

――次回作に映画を準備していると聞きましたが、クォン・ユルさんのどのような姿を期待できるでしょうか?

クォン・ユル:これまで僕がお見せしたことのない姿だと思いますが、皆さんにとってそれが見慣れない姿かもしれません。人々にいつも新しいものを見せなければならないというプレッシャーがあるわけではありませんが、俳優として挑戦できなかった部分を、勇気を出して一つ一つ作っているところです。どんな姿で皆さんの前に立てるか、僕もとても楽しみです。

――ここ数年、映画「狩り」、OCNドラマ「ボイス」などでインパクトのある悪役の姿を見せています。悪役が持つ魅力はありますか?

クォン・ユル:日向ではなく、日陰からの視線でストーリーを引っ張っていくことが、個人的には興味深いと思います。日向での話も面白いですが、陰と陽がぶつかる部分でのインパクトが、作品の中で印象深いシーンを誕生させることがたくさんありました。それで悪役に興味を持ったのだと思います。

――力を抜いて演じた映画「最悪の一日」で、不甲斐なく、抜けているヒョノ役がまだ記憶に残っています。このような役のクォン・ユルをまた見ることができるでしょうか?

クォン・ユル:「最悪の一日」は僕もとても幸せに作業した映画です。作業期間が非常に短かったし、オールロケで撮影した作品でしたが、他の作品とは少し違いました。何より俳優たちが本当に仲が良く、そのおかげでたくさんの方から好評をいただいた、新しいアンサンブルをお見せすることができました。そのため、僕も「最悪の一日」のような作品にまた出会いたいです。

――NAVERのライブ映像配信アプリ「V LIVE」で見せた、タンバリンをたたいて歌を歌う姿はハイテンションに見えますが、バラエティに挑戦したい気持ちはありませんか?

クォン・ユル:バラエティには出演しないと思っているわけではありません。ただ、自然に僕の魅力をお見せすることができる時、挑戦してみたら面白くできると思います。

――人々にまた見てもらいたい作品がありますか?

クォン・ユル:全ての作品に満足しながらも残念なところもありますが、「最悪の一日」をもっとたくさん見て頂きたいです。ソウルの美しい風景、良い音楽などがよく調和して心が温まる映画です。散歩する気分で観ることができる映画ですので、癒される気分になることができると思います。

――演技しながらどのようなところを大事にして、どのようなところを捨てようとしていますか?

クォン・ユル:新しいものに憧れてそれを追い求めるために、僕のアイデンティティを無くすことがないよういつも警戒しています。僕が持っているものの中で新しいものを受け入れる訓練を続けます。新しいものと従来のものを完璧に溶け込ませ、口の外に、身体の外に出した時、人々にそれが全く新しい僕だけのものに見えることを願っています。簡単なことではありませんけどね。

――日常ではいかがですか。最近は主に何をして過ごしていますか?

クォン・ユル:最近はバスケットボールをよくやっています。大学時代までバスケットボールを本当にたくさんしていましたが、俳優を始めてからはできなかったんです。再びバスケットボールをするうちに、もう少し創造的な考えをするようになりました。誰かにパスして、どのようにして得点を決めるか、試合をする度に場合の数が変わるので、バスケットボールをしながらオープンマインドになりました。それが日常に繋がって、最近では世界を見る目も広くなりましたし、新しい考えをたくさんするようになりました。

――それでは、やめたこともありますか?

クォン・ユル:お酒とタバコです。ずいぶん前にタバコをやめましたが、それでも着実に、習慣的にしないようにしています。

――過去のインタビューを見ると、恋愛よりは仕事を重視しているように思いました。今はいかがですか?

クォン・ユル:今は縁を受け入れる心の余裕はできたと思います。しかし、愛は自然に近付いて来てほしいです。実は今、僕のリズムとコンディションがとても良い状態なんです。僕が進む方向の中で一緒に流れることができる人に出会いたいです。

――2020年が自分自身にとって、どのような年になってほしいですか?

クォン・ユル:30代最後の年なんです。俳優として40代を着実に準備して、これから10年間、よく頑張ることができるよう、充実した1年になれば嬉しいです。

記者 : イ・ミンギョン