チュ・ジフン、光と影の二面性をはらんだ魅力を探る!「アイテム~運命に導かれし2人~」見どころコラム

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(C)2019MBC
逆走した電車が迫りくる線路に平然と降り立つカン・ゴン。あわや衝突……というなか、掌を突き出す。その瞬間に見せる表情は、鬼気と気迫に満ちている。

「アイテム~運命に導かれし2人~」で、冒頭のシーンを見た瞬間、心をさらっていくチュ・ジフン。彼の不朽の魅力はどこから来るのか。


それは「宮~Love in Palace」から始まった…

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“月のような役者”

それが、チュ・ジフンを初めて見た印象だった。時は、2007年3月。「宮~Love in Palace」(2006)を引っさげ、東京で初のファンミーティングを開催した時のこと。初主演のドラマで大ブレーク。当時、まるで太陽のように明るい「微笑」がトレードマークの韓国のスターが人気を博すなか、気高さと孤独な憂いを秘めた皇太子そのままの素の彼は、異色の存在だった。

2作目の「魔王」(2007)では、青年期に家族を奪われ、孤独と憎しみの中で他人になりかわり、ち密な復讐を企てる弁護士役に。天使のような穏やかな微笑で安心感を与えながら、その裏では凍るような表情でじりじりと敵を追い詰めていく難役だ。「角度や光の当て方で、善人にも悪人にも見えるヤヌスのような顔に魅了された」(パク・チャンホ監督)というのが抜擢された理由だった。

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デビュー当時、雑誌でチュ・ジフンの撮影を担当した韓国人カメラマンが「撮る人の心を察し、明るい表情からアンニュイな顔まで瞬時に変え、おかげで撮影が早く終わった」と語っていたのを思い出す。

そう、チュ・ジフンは月のように光りながらも、漆黒の影を持ち合わせる。月が影のさす面積によって形を変えるように、彼も作品によって、場面によって変化する。満月のように、三日月のように、そして時には闇に隠れた月のように。


映画俳優として今、第二のムーブメントへ

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月が雲や影によって絶妙なバランスを見せるがごとく、近年のチュ・ジフンの演技は、さらなる高みに達している。たとえば、大ヒット映画「神と共に」シリーズ2作品(2017、2018)では、冥界の使者役をひょうひょうと。「工作 黒金星と呼ばれた男」(2018)では猟犬のように野心をむき出しにする北朝鮮国家安全保衛部・課長役。「暗数殺人」(2018)では、7人殺したと証言する囚人を粗暴に演じた。ほぼ同時期に公開となった4本は、累計約3550万人の観客を動員。「暗数殺人」では、「韓国映画制作家協会賞」「春史映画祭」でそれぞれ主演男優賞を受賞した。

映画俳優としての地位を固め、まさに第二のムーブメントの渦中にいるチュ・ジフン。そんな彼が4年ぶりに地上波ドラマ主演作として選んだのが、この「アイテム~運命に導かれし2人」だ。カン・ゴンは検事という秘密保持が必須の職業柄か、チュ・ジフン扮するキャラクター史上、おそらくもっともクールなポーカーフェイス。だが、「静」なるキャラを逆手に取り、口角から眉の小さな動きで心の揺らぎを表す演技力は、さすが熟練の域。そして中盤、ある事件を機に心に秘めた情熱が吹き出しはじめ、終盤に再び登場する冒頭の列車のシーンへとつながっていく。さながら、灼熱の太陽を秘めた月といえるだろうか。光と影の二面性をはらむチュ・ジフンの持ち味は、ぶれずに進化し、深化する。

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そんななか、意外な一面も。ドラマのキーパーソンとなる姪のダインとゴンのやりとりが新鮮だ。父親代わりのゴンが、ダインに朝ごはんを(手際よく)作ったり、髪を結んであげたり。愛おしいものに見せる自然な表情に、ほっこり。「父親役のオファーが多いんです。そんな年齢になったのかと歳月の重みを感じていますね(笑)」というインタビューの答えに、人としての成熟がにじみ出る。

頂点を極めつつ、いまだ過渡期にあるチュ・ジフン。「アイテム~運命に導かれし2人」はそんな彼のすべてが丸ごと盛り込まれたドラマだ。ささいな表情や一挙手一投足、そして渾身のクライマックスまで、「最旬のチュ・ジフン」の魅力をじっくり、たっぷりと、堪能してほしい。

執筆:桑畑優香(ライター・翻訳家)

■リリース情報
「アイテム~運命に導かれし2⼈~」

・DVD-SET1&2、レンタルVol.1~11 好評リリース中
DVD-SET 各¥15,200+税

・レンタルVol.12~16 リリース 4⽉2⽇(⽊)

予告編:https://youtu.be/WD5hRQ4EnIY

発売・販売元︓NBCユニバーサル・エンターテイメント
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※U-NEXTにて独占先⾏配信中

■関連サイト
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記者 : Kstyle編集部