チョン・ドヨン&チョン・ウソン主演映画「藁にもすがる獣たち」照明から音楽まで優れた制作陣の参加で期待大

OSEN |

写真=映画「藁にもすがる獣たち」ポスター
緻密なストーリーと一瞬も油断できない展開で韓国国内外のメディアや評論家から好評を博している2020年最もユニークで賢い犯罪映画「藁にもすがる獣たち」が、映画の雰囲気を左右する撮影、照明、美術からキャラクターの魅力をより一層際立たせる衣装、音楽まで優れた制作陣の合流で目を引く。

人生最後のチャンスであるお金の入ったバッグを自分のものにするために、最悪の一発を計画する平凡な人間たちの犯罪劇を描く映画「藁にもすがる獣たち」が、韓国を代表する演技派俳優らの熱演による強烈な人物と洗練された演出力によるスムーズな展開で韓国のメディアと評論家から好評を博し、公開前から話題になっている。このような個性の強い人物とできのよいストーリーを映画にそのまま具現するため、それぞれの人物に合う光、色と音楽の活用など、制作陣の様々な努力が加わり、関心が高まっている。

まず、映画「藁にもすがる獣たち」は人生の崖っぷちからお金の入ったバッグに向かう欲望で、次第に獣のように変わっていく人間の姿をリアルかつ立体的に表現するためそれぞれの人物ごとに異なる照明を使った。映画「最後まで行く」「提報者」を通じて「大鐘賞映画祭」「黄金撮影賞」授賞式で照明賞を受賞したキム・ギョンソク照明監督は、今作でも繊細で感覚的な表現力を基に8人の登場人物のそれぞれの照明と色でキャラクターの心理を表現した。

写真=映画「藁にもすがる獣たち」スチールカット
出入国管理所の公務員で旅行客の滞在を審査するテヨン(チョン・ウソン扮)の色は港町が放つ光と彼のオフィステル(事務所としても住居としても使える施設)の窓を照らす歓楽街の光で出来上がった。青い色とネオンサインの強烈かつ大胆な色は、テヨンの獣のような“成金主義”を目覚めさせ、劇中人物の魅力を最大化した。

また、事業に失敗した後、夜にサウナでバイトをしながら生計を立てているジュンマン(ペ・ソンウ扮)の家は、庶民的であたたかいブラウン系の色と色褪せた雰囲気で毎日厳しい現実を乗り切るため最善を尽くすキャラクターを作り出した。

詐欺によって生じた借金のため家庭が崩壊したミラン(シン・ヒョンビン扮)は、光の入らない灰色と陰の照明を使い、最悪の状況から抜け出すため奮闘する人物の雰囲気をそのまま描いた。

また、ジャンルを問わずカメラの視線でキャラクターの感情を伝えることに優れた能力を見せたキム・テソン撮影監督は、軽快でリズミカルなカメラワークを通じて俳優の演技に躍動感を与えた。

このように「藁にもすがる獣たち」は様々な人物が登場するにもかかわらず、話が展開される過程の中でそれぞれ人物の多彩な色が自然に調和し、さらに興味をそそる。

また、カン・ネネ音楽監督は、それぞれ登場人物に合わせて音楽をデザインし、人物が持つ情緒的な雰囲気を十分に生かし、キャラクターの魅力をより一層高める。

過去を消して新しい人生を夢見るヨニ(チョン・ドヨン扮)が登場するシーンにはワルツがミックスされたような妙な雰囲気の音楽が流れ、韓国映画の中でも特に強烈な登場シーンを完成させると同時に、劇の緊張感を高める。それだけでなく、テヨンは軽快でリズミカルなギター、ジュンマンは管楽器とクラリネットの調和を通じて危険な選択の前で揺れる感情を盛り込み、ミランは重くて希望的な感じの弦楽器を使って人物の複雑な心境を最大化して表現した。

ここに、「男と女」「無頼漢 渇いた罪」などで衣装を通じて劇中人物の事情と心理を豊かに表現したチョ・ヒラン衣装室長をはじめ、一つのシーンを時代の中の空間に変えてきた「1987、ある闘いの真実」のハン・アルム美術監督まで意気投合し、映画の完成度への期待を高める。

「藁にもすがる獣たち」は映画の雰囲気と人物の魅力を立体的に描いた色や音楽、撮影、照明、衣装などを通して観客を魅了し、多彩な楽しさを届ける予定だ。

韓国を代表する俳優たちの好演と、予測できない展開が与える映画の面白さで期待を高める映画「藁にもすがる獣たち」は韓国国内外のメディアと評論家、観客からの好評が続く中、韓国で2月19日に公開される予定だ。

記者 : ハ・スジョン