プロデューサーAVIN、デビューアルバム「TRANCHE」を発売…Big Hitのオーディション審査員も務める

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アメリカの有名DJ兼プロデューサーのAVINが韓国市場に挑戦状を叩きつけた。

AVINは最近、デビューアルバム「TRANCHE」を発売し、自身が手掛けた音楽を公開した。自身のアルバムを通じて、DJは単に「音楽をかける人」ではなく「自身の音楽を聴かせる人」として認識されたら嬉しいというAVIN。その過程の第一歩である「TRANCHE」には韓国の有名アーティストが参加し、力を加えた。

その中で最も注目を集めたのは、Mnet「高等ラッパー2」の優勝者で実力派ラッパーとして名高いHAONだ。最近ソウル江南(カンナム)区のあるカフェで行われたインタビューでAVINは、「HAONは僕の歌の雰囲気にぴったりだった」とし、HAONもコラボレーションの提案を即承諾したと明らかにした。HAONとコラボレーションした背景から今後コラボレーションしてみたいアーティストまで。AVINはインタビューで今回のアルバムや自身の音楽の人生に関して語った。

――デビューアルバム「TRANCHE」のタイトル曲「Grotesque」のフィーチャリングには、HAONが参加しましたが、今回のコラボレーションのきっかけはなんですか?

AVIN:僕はGroovyroom、BOYCOLDと同じスタジオを使っていましたが、そこにHAONがよく来ていました。その時、色々な話をして、HAONのアルバムをプロデュースすることになりました。僕のアルバムも同じです。HAONはとてもディープで奥が深い子です。一緒に未来について語って、「Grotesque」とHAONがとても似合いそうだと思いました。

――ユンナのアルバムもプロデュースしたことがありますが、ユンナとは今回はフィーチャリングしませんでしたね。

AVIN:今回のアルバムを準備しながら、僕の感情を上手く伝えられる人を探しました。そこで僕と同年代の人に多く提案しましたが、今見るとユンナ姉さんがいませんね。ハハハ。互いにあまりにも忙しかったし、次回のアルバムで一緒にやることもできると思います。僕が音楽的にもっと成熟したら一緒にやってみたいです。

――他にもMad Clown、Penomecoなど多くの有名アーティストとコラボレーションしましたが、普段から親交があったのですか?

AVIN:それは違います。フィーチャリング参加者の半分以上は、僕が自らラブコールを送りました。親交はほとんどありませんでしたが、快く受け入れてくださいました。皆さん自身の考えが強いと思っていましたが、実際は全然違っていました。たくさんコミュニケーションをして、僕の音楽もとても尊重してくださいました。なので、気楽に仕上げることができました。

――「Grotesque」と「Take it away」をダブルタイトル曲にした理由はなんですか?

AVIN:「Take it away」は、恋に関するストーリーです。最も芸術的なのは恋だと思っています。また、エレクトロニクミュージックに人々がもっと簡単に接することができるようにしたかったです。「Grotesque」は、僕のカラーを見せられるナンバーです。初めて聞いた時は反応が分かれるかもしれないので、「Take it away」と一緒に比率を合わせて調整してみました。聴きやすい曲と、僕の色を見せられる曲の2曲をダブルタイトル曲に決めました。

――2曲の中で、どっちの方が好きですか?

AVIN:両方とても好きですが、一つだけ挙げるとしたら「Grotesque」です。みんな「Take it away」のほうが好きだと言うので、「Grotesque」が寂しそうです(笑)。

――幼い頃から音楽を始めたと聞きましたが?

AVIN:中学生時代に音楽を始めました。ギターが流行っていた時代だったので、一回やってみたら本当に面白くて、すぐ本格的に始めました。高校は検定試験で卒業資格を得て、アメリカのMI音楽大学に進学してギターを専攻しました。当時17歳でした。僕は実践力が早い方で、何かしたいことがあればすぐにやらないと気がすまない性格です。

――両親の反対はありませんでしたか?

AVIN:最初はもちろん反対しました。僕は学校の成績が良い方だったので、突然高校に行かないと言うと、もちろん反対されました。そこで、僕の計画を真剣に書いて見せたら、半分諦めて承諾してくれました。今は両親もとても喜んで、誇らしく思ってくれています。

――ギターとEDMは、音楽的な面で違いがあるように見えますが、なぜジャンルを変えようと思ったのですか?

AVIN:僕はすべてのジャンルの音楽が好きです。僕も最初は「DJは音楽をかける人」と思っていました。アメリカでDJの公演を見ましたが、僕が好きな歌をEDMバージョンでかけるのを見て感動しました。そこで、すぐEDMを始めることになりました。新鮮な衝撃を受けたことが大きな動機付けになったと思います。もともと曲を作るのが好きでしたが、ギターを弾きながら歌を歌うのは限界がありました。そこで、YouTubeを見ながら独学し、曲を完成させました。

――「EDC LAS VEGAS 2019」で韓国出身アーティストとして初めて公演した気分はかがでしたか?

AVIN:「EDC」は、世界のトップアーティストのみが集まる、とても大きなフェスティバルです。蚕室(チャムシル)体育館の約15倍の大きさの会場で開催されます。韓国出身アーティストとしては初めて招待されたことに感謝しています。しかし、自分のアルバムを持っていないので恥ずかしい気持ちもありました。そこでアルバムを出したいと思いました。今回のアルバムを通じて、DJは単純に音楽をかける人ではなく、自身の音楽を聴かせる人だと認識されたら嬉しいです。

――海外で好評を得ていますが、最も記憶に残っている評価などはありますか?

AVIN:海外で、アジアンアーティストに対する視線がとても良くなってきています。DJとして海外の有名フェスティバルに参加した人が僕しかいなかったので、好奇心溢れる眼差しで見られたりもしました。有名DJのMarshmello、The Chainsmokersらと会って話しましたが、「君のようなアーティストが出て来て本当に嬉しい。一緒に公演もやってみよう」と僕のことをリスペクトしてくれました。

――8月にBig Hitエンターテインメントのオーディションの審査員としても委嘱されたと聞きました。

AVIN:Big Hitエンターテインメントは、毎年新人を選ぶオーディションを開催しています。そこにDJ兼審査員として参加しました。Big Hitエンターテインメントが、グローバル市場を見据えているだけに、僕は海外で活動した経験が豊富なので招待されたと思います。若くて上手な子が本当に多かったです。そんな子たちを見る機会はほとんど無いので、とても刺激を受けました。

――昔と比べて、EDMに親しみを持つ人々が増えたと思います。そんなEDMとDJの未来について、どのように思いますか?

AVIN:EDMの時代が来ていると思います。ヨーロッパやアメリカでは、有名歌手よりDJのほうがもっと稼いでいると言います。最近、ある芸術大学にはDJ科ができたと聞きました。DJの文化が韓国にも入ってきていると思いますし、これを人々がどう受け止めるかは、アーティスト次第だと思います。その役割を、僕が果たしたいです。

――DJとプロデューサーを兼ねていることから、他の人より少し違う点があると思いますが、自身が思う強みとはなんですか?

AVIN:僕は音楽においてすべて受け入れるほうだ。「僕はこんな音楽をしている」とか「これは嫌いだ」ではなく、すべての音楽が好きです。融和が上手だと思います。今回のアルバムには、ヒップホップがたくさん入っています。新鮮な組み合わせを引き続き違う形でお見せできるということが僕の強みだと思います。

――今後、コラボレーションしてみたいアーティストはいますか?

AVIN:赤頬思春期です。彼女たちはカラーがはっきりしています。赤頬思春期のカラーと僕のカラーを混ぜてEDMを作ってみたいです。人々が一般的に知っている、平凡なEDMではなく、新しいものを作ってみたいです。

記者 : キム・ミンジ、写真 : キム・ジェチャン