ファン・ジョンミン&イ・ソンミン&チュ・ジフン「映画『工作 黒金星と呼ばれた男』の撮影は息ができないほど苦しかった」

OSEN |

写真=CJエンターテインメント
「撮影の時を振り返ると、本当に大変でした。一言で言えば、息ができないほどの苦しみを感じたと言いますかね。でも今になって考えてみると、以前より成長できたなと思います」

ユン・ジョンビン監督の新しい映画「工作 黒金星と呼ばれた男」に出演した俳優ファン・ジョンミン、イ・ソンミン、チュ・ジフンは先月、カンヌのパレ・デ・フェスティバル内のテラス・ビジュアルで開かれた公式インタビューで、撮影ビハインドストーリーを伝えた。

「工作 黒金星と呼ばれた男」は1990年代の半ば“黒金星”という暗号名で北朝鮮の核開発実験の実体を調べていた韓国国家安全企画部のスパイが、南北高位層の間の秘密の取引を把握することから繰り広げられる物語を描いており、実話をモチーフにしたスパイ映画だ。

「工作 黒金星と呼ばれた男」は「第71回カンヌ国際映画祭」のミッドナイト・スクリーニングに招待されて、パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレで初めて公開され、高い関心と好評を得た作品だ。上映後には、観客から5分間のスタンディングオベーションを受けたという。

ファン・ジョンミンは「顔が赤くなっている。涙を流したみたいだ」という質問に「カンヌはもちろん韓国でも、レッドカーペットを歩くのはいつも緊張して、ぎこちないです。未だに慣れないですね」と答えた。さらには「緊張していたが、涙は流していない」と強調した。

映画の中でファン・ジョンミンは韓国の陸軍情報司令部出身で、軍服務中に国家安全企画部からスカウトされ、北朝鮮の核実験の実体を調べるためのスパイ“黒金星”として潜入するようにという指示を受ける。彼は事業家になりすまして、北朝鮮の高官リ・ミョンウン(イ・ソンミン)の信頼を得ることに成功するが、1997年の大統領選挙を控えて、韓国の高位官僚らが北朝鮮の高位層と接触しようとしていることを知り、混乱する。

彼は「昨年7月に映画の撮影が終わりました。1年前に終わったことを再び思い出して、その時の感想を言うのに苦労しました。また、この話題というは私達にとってすごくデリケートな問題です。そのため慎重に撮影をしていたのですが、(今年)南北首脳会談が行われて、本当に妙な気分になりました」と打ち明けた。今は、撮影の時とは違い、南北の情勢が急変していることに驚いてばかりだという。

イ・ソンミンは、北朝鮮の対外経済委員会の処長リ・ミョンウン役を務めた。リ・ミョンウンはあらゆる条件を備えたエリートで、北朝鮮の高官に会うためには必ず通さなければならない存在だ。

今までどんなキャラクターにも完璧に変身を遂げてきたイ・ソンミンは、冷静な判断力と温かい心を持つリ・ミョンウン役を熱演した。しかしイ・ソンミンは、撮影期間があまりにも苦しかったと伝えた。「今さら言うのも恥ずかしいですが、俳優としてどうやってこのキャラクターを表現すればよいのかが分からず、すごく苦しかったです。本当に大変でした。息ができないくらい精神的な苦しさを感じましたね」と伝えた。

また、イ・ソンミンは「『工作 黒金星と呼ばれた男』の撮影があまりにも大変だったので、俳優としてのプライドが底をついた時期もありました。恥ずかしいけれど、あの時は本当にそうでしたね。しかし、ファン・ジョンミンと一緒に撮影したり、ユン・ジョンビン監督からアドバイスを貰ったりしていく中で、答えを見つけることができました。“黒金星”が韓国のために核をなくそうという信念を持っていたように、私もリ・ミョンウンの信念やソギョン(ファン・ジョンミン)を通じてどう演じていけば良いかを、少しずつ理解していきました。周りにたくさん助けてもらいました」と感謝の気持ちを表した。また「今のように、南北の情勢が好転していなかったら、映画に対する評価もここまでは良くなかったと思います」と率直な意見も伝えた。

チュ・ジフンは映画で、北朝鮮の国家安全保衛省の課長チョン・ムテク役を務めた。チュ・ジフンが演じたチョン・ムテクは、愉快ながらも鋭い人物だ。北朝鮮の対外経済委員会の処長リ・ミョンウンとは、心理戦を繰り広げて張り詰めた緊張感を出しながらも、徹底とした根性を持つ人物だ。

チュ・ジフンは「撮影は本当に大変でした。まるでお風呂に4時間もずっと浸かっていたような気分でした。映画の背景となった当時の南北の政治状況については、私が幼い時の話だったので、よく分かっていなかったです。それにもかかわらず、台本がすらすら読めました。説明はできないけれど、なぜか台本がすらすら読めたので、自分に合った作品なのだろうと思いました」と出演を決定した理由を伝えた。

初めてカンヌに招待されたことについては「スタンディングオベーションを生まれて初めて経験して、すごくドキドキしたし面白かったです。面白いというのが正しい表現だと思います。レッドカーペットは、韓国でもたくさん経験があったので慣れているけれど、スタンディングオベーションはちょっと不思議でした。階段を上ってから、どうすればよいかをすごく悩みました(笑)。振り向かないといけないかなとも思いましたね」と伝えた。

また「カンヌ映画祭に招待されたことを初めて聞いた時は不思議な感じがしました。カンヌ映画祭に出品していたとは思わなかったです。監督が急に夜12時くらいに電話をかけてきて、余計なことばかり言って電話を切ったのですが、その後再び朝3時に電話をかけてきて『カンヌに行くことになった』と言われたので、本当にドキドキしました。空港を降りてからもずっとドキドキしていました」と話した。

「工作 黒金星と呼ばれた男」は「第71回カンヌ国際映画祭」ミッドナイトスクリーニング部門に出品された。

記者 : キム・ボラ