俳優チャン・ヒョクが新境地を見せたヒーリング・ラブストーリー「ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~」― 鑑賞コラム
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まず、お断りしておきたいのは、本作はできれば2回見てほしいということ。チャン・ヒョク主演の「ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~」は、思った以上にハラハラし、心動かされていく物語だ。最初は、謎めいた連続医療死亡事故から始まるスリリングでミステリアスな展開とともに、“サイコパス”と呼ばれる外科医イ・ヨンオ(チャン・ヒョク) が、愛に目覚めていく姿を。2度めは、真相が明らかになったからこそ改めて気づかされる“脚本力”と、すべての俳優たちの“魅せるチカラ”をじっくりと味わっていただきたいのだ。キャラクターたちの行動・表情・セリフの一つひとつに唸らされる、発見もある。でもユーモアも忘れてない! 本作はそんな作品だ。
イ・ヨンオという難役を見事に演じきったチャン・ヒョク
チャン・ヒョク演じる主人公イ・ヨンオは、非常に優れた腕をもつ神経外科医。手術は確率のゲームと言ってはばからず、自分の計算上成功する! という確信がもてれば、どんな難しい手術でも引き受ける。ただ、「患者や同僚医師の気持ちを汲む」という行為が皆無。そのため、手術が成功して感謝されることはあっても「いい人ですね」といわれることはないタイプ。しかも「父さん、僕、ばれなかったよ。間違えなかったよ」と、言動もどこか怪しいし、ちょっと目つきも怖い……。おそらく「一体この人はなんなんだ?」と気になるだろう。パク・ソダム演じる警官ジンソンのように「連続殺人犯では?」と疑うかもしれない。ところが、各話の冒頭部分に差し込まれているヨンオの過去のエピソードで、衝撃の真実が明らかになっていく。じつは、ヨンオは感覚中枢に問題があって、“他人と共感できない”というのだ。一見、普通の子(しかもイケメン!) なヨンオが、好きな人を前にしたら心臓がドキドキすること、悲しいことがあれば涙が流れることがまったくわからず、“普通の人”になりたいと思いながら生きてきたことを知ると、それまで傲慢で、どうにも怪しさ満載だったイ・ヨンオ先生が、“不器用で不憫な男”に見えてくる。まぁ、自分の考えの正しさを証明するために患者すらも利用しようとする姿は、なかなか理解できないけれど。

ものすごい技術があり、冷静すぎる判断で相手を論破していくかと思えば、理解できない(読めない) 行動をされると突然暴力的になったりと、なんとも複雑なヨンオ。そんな難解なキャラクターを、チャン・ヒョクはじつに見事に演じきっている。もともと感情表現に定評のある俳優だが、さらに磨きがかかった細やかな表情が秀逸だ。信じてきた相手に裏切られたときの悲しみ、ジンソンに抱く気持ちへの戸惑い、自分の体験を通して患者に共感することを見出したときの確信、さまざまな姿で魅せる。ヨンオは障害を乗り越え、感情を手にすることができるのか。恋はうまくいくのか。医者としての極みに立つのか、その姿をぜひ見届けていただきたい。ジンソン役のパク・ソダムと年離れすぎ! なんて全然気にならない! むしろ……微笑ましいんだから!
ユン・ヒョンミン扮する“いい人”ヒョン・ソクジュも見どころ

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編集者・ライター:杉本真理
■作品情報
「ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~」
DVD-SET1 好評発売中
DVD-SET2 6月2日(金) 発売
各¥15,200+税 ※レンタル同時リリース
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
Licensed by KBS Media Ltd. (C) 2016 KBS All rights reserved
公式サイト:http://kandera.jp/sp/beautifulmind/
予告編:https://youtu.be/4VLXHhwRX_w
記者 : Kstyle編集部