「キム課長」ナムグン・ミン“悪役よりコメディ演技のほうが大変でした”

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写真=935エンターテインメント
「『キム課長』の撮影をしながら、“僕は演技的に足りないな”とよく感じました」

先日韓国で放送が終了したKBS 2TVドラマ「キム課長」は、俳優のナムグン・ミンのフィルモグラフィーを代表するに値する作品となった。生き生きと飛び跳ねる演技力はもちろん、視聴者に痛快さを味わわせてくれる愛らしいキャラクターにいたるまで。

ナムグン・ミンは「野獣の美女コンシム」に続いて「キム課長」でもコメディー演技に挑戦した。その前作品である「リメンバー~記憶の彼方へ~」では、身の毛もよだつ悪役を見事に成功させ、ナムグン・ミン全盛時代の幕を開けた。ナムグン・ミンはヒールとコメディー演技の中で、どちらの演技がさらに難しく感じられたのかという質問に対し、ためらうことなくコメディー演技だと答えた。

「実際に僕は『リメンバー』の悪役より、今回のコメディー演技の方がとても大変でした。シーン・バイ・シーンで笑わせなければならないものもあり、集中力が少しでも落ちれば、演技ができない状況になることもあって。実際に『リメンバー』のナム・ギュミンは、ある程度集中できれば後半はセリフだけ覚えても楽に演技できたが、今回演じたキム・ソリョンは、僕と違った部分があまりにも多くて大変でした。僕と他の人たちの“感じ”をたくさん持ち込みました。少しでも油断すれば、ナムグン・ミンのリアクションが出てしまうので、その事態は避けなければならないと考えました。20話を通して、どのように笑って、どんな形で反応するかをめぐって、かなり緊張しながら撮影しました」

昨年12月後半から「キム課長」が終了した今年3月末まで、たった一日も休まずに疾走してきたナムグン・ミンに、一部の人が「倒れないヤツ」といたずら混じりの恨みを言ったという。これほどまでに情熱的に疾走できる原動力について聞くと、彼は自らに対する力不足を挙げた。

「実際には前作、前々作を通して演技的に良い方向に、完成型の方向に進んでいると感じていました。まかり間違えば、傲慢になる可能性のある時期に来ていたと思います。『キム課長』は初めに多くの方々が誉めてくださって、好評の記事が出て、周りからも『画面で遊んでいるね』『とても楽しい演技をする』と評してくれました。しかし『キム課長』を撮影しながら僕は、『本当に演技的に足りないな』とよく感じました」

ナムグン・ミンは「特にどのシーンや、どの部分によって自分の足りなさを感じたというのではない」と打ち明ける。たとえば、以前は一つの感情をめぐってさまざまなカードを取り出しながら演じることができたが、今回は過去に比べて、数枚しかカードがないような感じがすると思い、自らの足りなさを感じたと話した。

「感謝して良い点があるとすれば、僕自身が熱情を持って演技できるようにしてくれた作品のようです。この作品が終わって『僕ってうまいなあ~』ではなく、『え? 僕は足りないな? どうすればうまくできるのかな?』ということでした。僕は演技を19年やってきましたが、このような考えを自らするのは大変です。それ(演技経歴) があるだけに、意地と粘りがあって、人の話に耳を傾けることが困難になりがちですが、この作品に出会って、僕が演技的にもっと努力しなければならないということを、自らがすんなりと受け入れることができて良かったです。演技に対する価値観も、今では定着したようで、その“ようなもの”が僕を最後まで耐えさせてくれた原動力だったようです」

ナムグン・ミンは「キム課長」に出演しなかったら、「俳優として停滞期に陥った可能性もある」と告白した。幸いなことに「キム課長」によって、“俳優ナムグン・ミン”の方向と目標ができたという。

「役者はいつも鋭い刃のように、その刃を研いでいなければならないと思いました。誰かが上手だという話をしても、ある程度満足をしながらも、留まった水になってはいけない。流れる続けて、変化する人になろうと考えるようになりました。そのためには、一生懸命でなければなりません。資料も探して、時代の流れから反れないように、後輩の演技を見て、他の国の俳優はどのように演技するのかも見て。そういった想いが僕の心に押し寄せてきました。僕が本当に自信があるのは“この作品でも一生懸命に演技しましたが、次の作品は、そしてさらに次の作品ではもっと良い演技をすることができるようだ”ということです(笑)」

記者 : キム・ミリ