チョ・インソン「強いフリは自分を守るため…それがつまらないことだと知った」

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写真=IOK COMPANY

最近“人間チョ・インソン”の最大の話題は「幸せ」だ。人と会うと、いつも笑っていようと思っている。今この瞬間は、戻ってこない貴重な時間だからである。よく会合を開くチャ・テヒョン、ソン・ジュンギ、キム・ウビン、EXOのディオ、イ・グァンスなどは、会えば人生論について語らう。俳優として向上した演技力を見せるのとは別に“人間チョ・インソン”も年齢につれ余裕が生まれ、成熟し出した。

映画「ザ・キング」は、ヒョンビン、ユ・ヘジン主演の「コンフィデンシャル/共助」と同日同時刻に競争となりますね。

チョ・インソン:それは慣れています。だってテレビドラマはそれ以上じゃないですか。相手との競争はぎこちなくはないです。それぞれが誠実に最善を尽くしただけですから。“相手を倒すことができる”という自信より、僕たちの映画に誇りを持って観客を迎えなければならないと思います。

「ザ・キング」は、チョ・インソンとチョン・ウソンの共演だけでも話題となりました。両者間に見える争いはなかったのですか。

チョ・インソン:(チョン) ウソン兄さんは、100年に一度出るかどうかのルックスの持ち主です。そこで比較してしまうと僕だけが厳しくなる。実は僕は、ウソン兄さんに似ているという話を聞き、俳優生活を始めたんです。憧れから始まったので、容姿の心配はありませんでした。ただ僕は(演技が) 上手くなりたいという思いの圧迫が大きくて。顔はどうでもいいから、演技だけ上手くなりたいと願いました。映画では(チョ・インソン演じる) パク・テスがどのように見えるかによって方向性が提示されるので、何よりも(僕の演技が) 重要でした。

後輩のリュ・ジュンヨルさんとは友達の役でしたが、大きな違和感はなかったです。

チョ・インソン:僕が3週間お酒を飲まなくても、友人みたいに見えたのに申し訳ない。ジュンヨルはカッコよさを演じる友人じゃないですか。なんとかやるんですよ。塾に通ったりして。僕が通った演技学校では、そういうことを教えてくれなかったけど。

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チョン・ウソン、ペ・ソンオ、リュ・ジュンヨル、キム・アジュン、キム・ソジンなど、さまざまな人物と相性を合わせなければならなかったですよね。

チョ・インソン:パク・テスは、僕一人で作られたわけではないですから。昔は、僕のキャラクターは僕一人で作らなければならないと思っていたこともあるんですが。だけど、関係を結びながらキャラクターが見えてくるということが分かりました。チョ・インソンという人は、母親から見た僕と、大衆から見た僕は違うかもしれないから。そうやってパク・テスという人物を作るために、たくさん助けられました。

キャスト同士の関係が深まったようですね。

チョ・インソン:ウソン兄さんがいますから。その瞬間だけは、家族のように過ごしました。兄さんは、一緒にいても先に寝てしまうとつまらなさそうにするし、午前中に電話をかけてきて「朝ご飯食べたか」と尋ねてくる。そして(ペ) ソンウ兄さんと手をつないで朝ご飯を食べに行きました。とても面白く過ごしましたよ。

元々、チョ・インソンさんにはチャ・テヒョン、ソン・ジュンギ、EXOのディオ、キム・ウビン、イ・グァンスなど親しいファミリーがいますよね。

チョ・インソン:ファミリーというより、親睦を深める集まりですよ(笑)。だから僕は忙しいんです。たくさん電話がかかってきますから。会って特別に何かをすることはないです。人生の話をします。俳優としての不安や、財テクの話をする時もある。全体的に生活の話をたくさんしますね。作品を選択してキャラクターになり切ろうとする時は、話をたくさん聞く方です。型から脱皮して自己複製をしないために多くのアドバイスを聞きます。それでこそキャラクターが豊かになります。他人を見てくれる僕のほうが合ってる時があるんです。アドバイスをする時は先輩後輩関係なく、しっかりと話してくれる(笑)。だから関係が長く続くんだと思います。

チョン・ウソン、リュ・ジュンヨルと初めてNAVERのライブ映像配信アプリ「V」(以下、「V」アプリ) の放送を見ました。とても不思議がっている姿が印象的でした。

チョ・インソン:僕は携帯電話をインターネットに接続して、記事を読んでメッセージを送る程度しか使用していないので。映画も携帯電話では見ません。番組を直接見るか、IPTVで決済して観ます。最初に「V」アプリをやった時は驚きましたよ。カメラもなくて、これでいいのかなと。生放送だったことにも驚いて。地上波では、1時間の特集トークショーを4時間くらい撮影して編集をするじゃないですか。僕が放送禁止用語を使うかもしれないから。だから、僕の何を信じて生放送をしているのか分からなかった。足元をすくわれたらどうするつもりだったんだろう(笑)。かなり長い間自然体だったけど、無意識のうちに僕の話術が出てくるんじゃないかと思って、心配のほうが大きかったです。

チョ・インソンさんが「V」アプリを行うことに対する反応は熱かったですよ。

チョ・インソン:ただ見ていたのか、気の毒そうに見えたのか…よく分からないです。2回目の「V」アプリでは、(パク) キョンリム姉さんが一緒だったので気が楽でした。最高でしたね。キョンリム姉さんは僕がデビューしてから、成長してきた過程をすべて見ているので、赤の他人だとは思わなかったと思います。

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映画の中のパク・テスのように強いフリをしていた経験はありますか。

チョ・インソン:できるフリ、持ってるフリ、演技が上手いフリ。今よりも若い頃は、相手が僕を分かってくれないと思っていました。相手が僕を分かってくれないのは当然です。もし僕が僕を分かっていたら、わざわざ強いフリはしなくても良かったんですけど、自己防衛メカニズムでした。お金もあって力もあるフリをするようになりました。強がっていると体が痛くなるんですよ、疲れちゃって。つまらない事です、後になって僕が不快でした。似合わないし、部屋の隅っこにうずくまっていなきゃいけない。ところが、強いフリをすると仲間に入れてもらえたし、相手も僕を尊重してくれて。そうじゃなければ、ただそうじゃないものだと考えられるようになりました。

今年の目標はありますか。

チョ・インソン:健康でいること! それでこそ酒もたくさん飲める。(チョン) ウソン兄さんに「健康でいてください。お酒をもっと飲めるように」とメッセージを送りました。単純な意味かもしれませんが、もっともっと長い間一緒にいようと言う意味でもあるんです。病気になったら一緒にいられないですから。病気にならず、たくさん顔も合わせられたらいいですね。今は週3回のハードトレーニングをしているんです。かつては、太ったら極端なダイエットをしたりしていたから大変でしたよ。酒も飲めないし(笑)。

記者 : チョ・ヒョンジュ、翻訳 : 前田康代