【REPORT】衝撃のNever Endingなダンス・パーティー TEAM Hのモノローグはファンとの熱いダイアローグ

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(C)FRAU INTERNATIONAL
チャン・グンソク(以下、グンちゃん) とサウンドプロデューサーのBIG BROTHER(以下、BB)によるユニットTEAM Hが10月26、27日の両日に渡り、横浜アリーナで「TEAM H PARTY 2016 Monologue」を開催。結成から7年を経て、その歴史を凝縮した圧巻のステージでファンを熱狂させた。ここでは10月26日公演の模様をレポート!


まさかの超ロングな超絶ノンストップ・パーティー

ライブ当日はハロウィーン間近とあって、会場には仮装を楽しむファンが多数! 五角形型のTEAM Hのロゴマークのシールを顔にペタリと貼り付ける人もいて、皆、パーティー気分を心の底から楽んでいる。そんなファンを迎えた会場は、メインステージからY字状に花道が伸び、中央にはTEAM Hのロゴ入りの黒の布で覆われた五角形型の柱のようなものが鎮座。Y字の先端に設けられた二つのサブステージも五角形型で、そのステージの上にもロゴがプリントされている徹底的なコダワリだ。

本公演は12日に発売したばかりの4thアルバム「Monologue」を引っ提げてのもので、その新曲がコンサートの支柱となった。そして開演時間になるとリード曲「Like a zombie(JPN ver)」のPVが映し出され、終盤に客電がダウン。スクリーンには「I want you know, I want you to feel my one and only story」というメッセージが続き、二人がメインステージから登場するかと思った瞬間、目の前の巨大な黒い布がスルリと落ち、TEAM Hがファンを「アッ」と言わせるように登場! 柱に見えた空間はあっという間にセンターステージへと早変わりし、イリュージョニストのようなオープニングでファンの度肝を抜いていく。

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二人の衣装のテーマカラーは純白。昨年のライブのようにハロウィーンモードで仮装しパフォーマンスするという選択肢があったかもしれない。でも、敢えてそうしたコンセプトで勝負せずに最もシンプルな色でステージに立ったことにこそ、彼らのこの日にかける強く、かつストレートな意志が伝わってくる。それはファンと音楽でとことん楽しもうという姿勢。ここから二人はノンストップのパーティーミュージックでファンをどこまでも天高くアゲていくのだ。しかも、彼らは単なるエレクトロ音楽をパフォーマンスするだけじゃない。先ほど映された「I want you know~」というメッセージはニューアルバムのイントロに続くオープニングトラック「My Story」から引用したもの。ファンに向け「僕だけのストーリーを感じて欲しい」という思いを込め、彼らはライブのオープニングにもこの曲をチョイスする。そして意思の強さとビートの強さが正比例するかのように、力強い音の粒子が会場の隅々まで埋めていく。

また、ドレッド気味のヘアスタイルをバンダナで小粋にまとめたグンちゃんがボーカルをとれば、BBはラップやコーラスでサポートし、二人のコンビネーションは抜群だ。そしてグンちゃんが「Tokyo、Jump Up! Tokyo、騒げ~~」と煽れば、ファンは瞬時にパーティーピーポーに変身! BBもグンちゃんの煽りに呼応してセンターステージでジャンプし、ゆっくりとメインステージに設置されたDJブースへと向かう。グンちゃんもBBを追うようにメインステージに向い、DJブースの前で「Yokohama, R U Ready?」と尚も煽り、ブース・イン。

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2曲目にはアルバムの曲順をなぞるように「Save me」をチョイスし、カメラは二人の気迫を大映しに。そんな中でもグンちゃんは指先をクルクル回す余裕を見せ、ステージもフロアもジャンプが止まらない。

新曲2曲を続けざまに披露した後は四つ打ちビートを挟んでシームレスに既発表曲「Raining on the dance floor(Japanese ver.)」へシフト。ここでバックンダンサーも合流し、グンちゃんは雨の映像をバックに歌をしっかりと聞かせる。グンちゃんの歌に酔いながら体を熱く揺らした後はBBのDJタイムがスタートだ。

まずはグンちゃんが赤く、BBが緑の照明に染まり、二人がくっきりとしたコントラストで魅せ、グンちゃんがセンターステージからフェードアウト。一人ステージに残ったBBは音楽に合わせて指揮棒を振るようなパフォーマンスを演じ、それに合わせるようにグンちゃんは鍵盤の当てぶり風にバックステージをウォーキング。ステージを下がったとはいえ、踊ってジャンプしながら歩く彼に休息の時間はない。そしてBBは「Tokyo Jump Up, 1.2.3.4」と煽り、一人でグイグイ、フロアをリード。女性ボーカル系エレクトロ・セットでアグレッシブに攻めるBBは「Put your hands in the air」と叫んで、フロアの手拍子を誘い、そこにグンちゃんが前線復帰する。ファンに投げキッスをしながら、そしてダンスをしながらアリーナに登場した彼はTEAM Hのパーティーに欠かせないスモークガンや水鉄砲を手に大暴れ。ファンも彼の攻撃を進んで受け入れ、アリーナはハチャメチャの狂乱パーティー状態に。グンちゃんも暴れるだけじゃなく、スモーグガンを発射しながら、音に合わせてジャンプしたり、水鉄砲を手にクラップしたりと、サウンドに合わせているのがサスガだ。

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狂喜乱舞なDJタイムを終え、一見フラフラにも見えたグンちゃんだが、彼の辞書に“スタミナ切れ”の文字はない。ハスキーボイスなイントロから幕を開ける「Paradise」ではジャンプしながら投げキッスを二連発し、二人のマイクリレーが鮮やかな「As time goes by」ではグンちゃんが跪いて熱唱。「Beautiful Change」では彼が「横浜、もっともっと声出して」と会場に呼びかけ、自身はサブステージで下から吹き上げるスモークに包まれながらダイナミックに歌い上げる。そしてBBは音を下げて客席のシングアロングを誘い、会場を一つに。汗ビッショリになったグンちゃんはここで上着を脱ぎ、舞台が暗転。誰もが小休止と思った瞬間、グンちゃんはステージに倒れ込み、ステージはゾンビ風バックダンサーに占拠された。となれば、披露するのはもちろん「Like a zombie(JPN ver)」しかない。バックに映る屋敷は赤い炎に包まれ、強烈なベースサウンドに合わせ、ゾンビと共に踊るグンちゃん。が、彼は自分を拘束する蛍光色の鎖を解き放ち、人間性を回復。それはオープニング曲「My Story」にある「僕の人生、僕の時間を取り戻したい」という詞を体で表現したものだった。

スクリーンには「毎日、同じような日常の中で、忘れてしまった個性、感情、意思」「My Story。これが僕のMonologue」という文字が浮かび、中盤の見せ場は強い印象を残していた。

オリジナルのイラストや文字入り(背中には「Kill My Darling」の文字が) 黒のレザージャケット&チェックのパンツというストリート系に着替えたグンちゃん。ここから二人はヒップホップモードにチェンジし「Do it on the speaker」ではグンちゃんがヒップラインを強調するセクシーダンスも披露。が、途中で音がストップというまさかのアクシデントが発生。グンちゃんは慌てることなく「久しぶりだから(こんなハプニングがあっても) いいやん」と話しかけ、冷静に対処。この大舞台でこんな余裕を見せられるのもスーパースターの証だ。そして後のトーク時にはBBが興奮のあまり自然と音をストップさせていたことが判明。ファンが熱くいられるのは演者が熱いから。こんなハプニングならいつだって歓迎だ! そして「What is your name?(Japanese ver.)」の終盤ではジャケットを脱いで、ヒップホップ度をさらに高め、「Wet」「Yoga Fire」と新曲を畳みかける。後者はバックダンサーが千手観音的な振り付けをするオリエンタルチューン。終盤にはBBも両手を合わせて呪文を唱えた。

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ここまで約1時間のノンストップでグンちゃんの運動量はとても多かったはず。倒れ込み、ダンサーから水分を補給してもらい、やっとトークタイムかと思いきや……。すぐさま回復した彼は「Say ho~。今でしょ!」と叫んで、またも新曲「WOW」へ。ダブステップサウンドに綺麗な裏声を響かせ、フェミニンな印象を漂わすこの曲はNEW TEAM Hな雰囲気で大人の余裕を感じさせるコミカルソング。一度終わるかに見せかけ、リピートし、二人は奈落へと消えていくのだった。


エンドレスのアンコールは次なるステージへの予告

新曲からスタートし、新曲で終えた、この第一部が余りに熱過ぎて、ファンは底なしの興奮状態。この後には、世界のパーティーピーポーを映す映像が流れ、そこには自然と音楽に興じ、愛し合う若者たちの姿が。今日の感動と興奮が世界中のパーティーの興奮と連動している、そんなスケール感を感じることができた。そして新曲「I feel you」を歌った後は、遂に彼らの生の声が聞けるトークタイムに。ステージに腰かけながらリラックスムードで二人はファンのハートを掴んでいく。

BBは今回のアルバムについて「成熟した僕たちの話を入れたかったんです。他界してしまった大学時代の同級生を思って曲を作ってみた」と紹介し、グンちゃんは「TEAM Hでは初めてだけど、横浜(アリーナ) は3年ぶり」とこの会場を懐かしむ。そしてBBの「もっと年が経ってもこの瞬間を忘れない」との言葉にウルっとしそうな客席に向けグンちゃんから「さっ、みんな立って」との指令が! パーティー再開ももちろん新曲から! カメラ越しのキスでファンをうっとりさせる「Kiss me」では二人がDJブースに立ち、フロアの興奮をいきなり絶頂へ。右手の敬礼ポーズで会場が1つになる「Driving to the highway」を挟んだ「Take me(Japanese ver.)」はどこまでも行ける気分にさせるチアフル・ソング。BBが「どこまでも、さあ、歩き出そう」と歌った瞬間、紫と緑のテープが発射され、そこには「いっしょに遊ぼ~ぜ!!」とのグンちゃんの直筆メッセージが書かれていた。彼の想いをしかと受け止めたファンに向け、グンちゃんは両手を広げて体を一回転させ、本編最後の「Firework」ではBBがブースからセンターステージに躍り出、全員がノリノリに。ラストは二人がまたも奈落へと消えていった。

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「公演を再びUNLOCKするため、踊り続けてください」。そんなメッセージから幕を開けたアンコールではグンちゃんが「What's up?」と叫びながらステージへ。今宵初めて会ったかのような挨拶は “パーティーはまた一から始まるよっ”ってことかも。彼はタオルをいなせに肩にかけながら登場し、白いTシャツのバックには「WOW」の文字が逆三角形状に何列もプリントされている。

アンコールではグンちゃんがバックダンサーの脇をチョコチョコと攻撃し、みんなお祭り気分。ビートの波に体を委ねる「Rock and roll tonight」ではBBがブレイクダンスを披露し、グンちゃんは「梨汁ブシャー!」とシャウト。さらにポッピンダンスのように胸を突き出し、ラストメッセージは「Tokyo、ありがとう」(BB)、「Tokyo、最高!」(グンちゃん)。全員が手を繋いで一礼し、アンコールもここまで? でも、我らがTEAM Hのパーティーがここで終わるはずもなく、グンちゃんは囁くように「If you, If you」と連呼。これは次の曲が「Feel the beat(Japanese ver.)」というヒントだ。ファンは両手を上げて歓迎し、グンちゃんは腰を揺らすエロチックなダンスもスペシャルに披露。もうここまで、と思われたが、グンちゃんは背中の「WOW」の文字を指さし、これが次なるヒント。ラストの「WOW」は大袈裟でなく終わることを知らず、何度も何度もリピート。それは二人の「パーティーを終らせたくない」という気持ちの表れだったか。

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TEAM Hは7年前、二人が漢陽大学の学生だった頃に始まった。ライブ中、グンちゃんとBBがエッチトークで会場を沸かす場面もあったのだが、そのトークはちょっと学生のり。学生時代、二人が実際、こんな話をしていたのかも、なんて想像させるものだった。

独白を意味するモノローグをタイトルとし、自分たちの心の中と対話するような作品を届けてくれたTEAM H。それを強烈サウンドに乗せて演じれば、二人はファンと熱くダンサブルに会話し、モノローグには終わらなかった。

スクリーンにはサイケデリックな絵だけでなく、大きな自然や美しく壮大な地球を感じる映像も映され、彼らは時間と空間の広がりをイメージさせた。7年の集積が次なる、大きなスケール感のあるパーティーへの土台となるのだろう。

BBは温泉でパーティーしたいと話し、グンちゃんは野外公演をやってみたいと話す。そして「皆の応援があれば、いつまでもできるんじゃないかな!!」と力強くシャウト。TEAM Hのパーティーはまだまだ終わらない。

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ライター:きむ・たく

■ライブ情報
「JANG KEUN SUK×BIG BROTHER TEAM H PARTY 2016」
2016年10月16日(日) 大阪城ホール 開場17:00/開演18:00
2016年10月17日(月) 大阪城ホール 開場17:30/開演18:30
2016年10月26日(水) 横浜アリーナ 開場17:30/開演18:30
2016年10月27日(木) 横浜アリーナ 開場17:30/開演18:30

■追加公演詳細
「TEAM H PARTY -Monologue-」※追加公演
2016年12月15日(木) 開演18:30予定/代々木第一体育館
2016年12月16日(金) 開演18:30予定/代々木第一体育館

主催:(株)フラウ・インターナショナル
協力:TreeJ Company
JANG KEUN SUK JAPAN OFFICIAL FANCLUB

■関連サイト
公演サイト:http://www.jang-keunsuk.jp/teamh_2016/

記者 : Kstyle編集部