イ・ソンギョン、ドラマ「女王の花」を語る

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
(C)2015 MBC

「野王~愛と欲望の果て~」キム・ソンリョンの初主演作にして、韓国放送時には圧倒的な中毒性で同時間帯視聴率No.1を独走した2016年最もセンセーショナルな愛憎劇「女王の花」のDVD-SET1・2 が好評発売中だ。

主演のキム・ソリョン演じる悪女、レナの生き別れた娘・イソルを演じたのは「大丈夫、愛だ」で圧倒的な存在感を示した注目の女優イ・ソンギョン。本作で2015年MBC演技大賞新人賞を受賞するほど、第二のヒロインとして大躍進を遂げた。そんな彼女のインタビューが到着。作品への想い、自身の演じた役柄についてたっぷり語ってもらった。

―このドラマに出演してみていかがでしたか?

イ・ソンギョン:新人なのに大先輩の方々とドラマに出演することができ、それも重要な役を演じることができて光栄でした。ご迷惑をかけないよう一生懸命に演じました。

―演じたカン・イソルの魅力は何でしょうか?

イ・ソンギョン:イソルは家族のために一生懸命に働いています。前向きで明るくて凛とした女性です。それにとてもいい人で、優しい女性です。そういったところが彼女の魅力でしょうか。後半に行くにつれて、周りに振り回されて、暗い感じになってしまう時もありますが、家族に対するその心は、とても純粋で愛らしい。そんなキャラクターです。

―イ・ソンギョンさん自身と演じたカン・イソルの似ている面はありますか?

イ・ソンギョン:私もイソルと同じように長女です。まるで長男のような感じの長女なので親に頼っているような感じではありません。しっかり者で、家長のような感じのところは似ていると思います。そのおかげでキャラクターを理解しやすかったです。それに性格が明るいところも似ています。

―イソルを演じる上で気をつかったところはありますか?

イ・ソンギョン:最初のイソルのキャラクターは、もっともっと明るくて前向きで凛々しくて、ちょっと目ざといというか、ちゃっかりしている部分もあるキャラクターでした。語り口や表情、セリフのブレスの位置に至るまで、脚本家の先生にはキャラクターに対する確固たるイメージがありました。なので近頃の若い世代の女性が使うしゃべり方ではないかもしれませんね。

脚本家の先生には、若い女の子が1人で必死にがんばっている姿を表現したいという意図があったのでしょう。それゆえ、私が自分でイメージして自由に演技ができる状況ではありませんでした。ですから、できるだけ台本にある、脚本家の先生がイメージした通りのキャラクターになるよう気をつかいました。台本のイメージ通りに演じようと、かなり台本も読み込みましたし。劇的な状況設定が多く、実際にはあり得ないと思えるようなこともたくさん描かれているので、そういった部分でもリアリティーが感じられるように、イソルになりきろうと努力しました。

―イソルはレナの右腕となって働きますが、そういったところは共感できましたか?

イ・ソンギョン:夢を実現するために積極的に行動するところや、家族のために自分を犠牲にするようなところは共感できます。私の場合は家族の犠牲になってはいませんが、それでも以前は、つらい時や、疲れてしまって投げ出したくなってしまった時でも、家族の前ではそういう素振りは見せないようにしていました。私が挫折してしまってどうするんだ。私は妹の手本にならなければいけないのにと……。家族のためにも、自分はしっかりしなければいけないんだという気持ちが強かったですね。だからイソルの気持ちもよくわかりますし、イソルも家族に対して自分は責任があるんだと強く思っていて、家族のために本当の気持ちを隠して、わざと平気に振る舞うんですね。そういった気持ちはよくわかります。

(C)2015 MBC
―演技で一番難しかったことは何ですか?

イ・ソンギョン:初めの段階から私がキャラクターを作り込んでいくのではなくて、すでに決まっているキャラクターのイメージに、私が合わせていくような演じ方だったので、やはりそれが少し大変でした。声の出し方やしゃべり方なども神経を使わなければいけませんでしたし。最初はそれが慣れなくて、脚本家の先生の言う通りにやるのが精いっぱいという感じでした。最初はもどかしくて、少し時間が経ったら変えてもらおうかとも思ったのですが、キャラクターのしゃべり方を途中で変えるわけにもいきませんから、難しさもありましたが、イソルの演技によりリアリティーを出そうと頑張ることができました。演じているうちにイソルのキャラクターが身に付いていったと思います。

―パク・ジェジュン役のユン・バクさんと共演してみていかがでしたか?

イ・ソンギョン:ユン・バクさんは、天真爛漫でまるで子どもみたいなところがある人です。“カッコいい”というよりは、ホントに天真燗漫で……。スタッフさんに対しても、細やかな気遣いをする人なので、そのおかげで私もリラックスして演じることができました。

―お見合いのシーンを撮影した台湾高雄での特別なエピソードはありますか?

イ・ソンギョン:あの時は、帯状疱疹になってしまって、とても痛かったですね。初めてのことだったのでとても驚きました。虫に刺されたものとばかり思っていたのですが、時間が経てば経つほど痛くなってきて。ロケですから、撮影を中止するわけにはいかないので、大変でした。撮影に入ってしまえば集中するので痛いのもあまり感じなかったのですが、車で移動する時は、まっすぐに座っていられなくてシートに横になっていました。点滴を打ちながらでしたが、幸いにも撮影を無事に終えることができました。初めての帯状疱疹を台湾で…忘れられません。

でも、おいしいものもたくさん食べましたし、出会った方、現地でお世話になった方、皆さんとても良い人たちでした。それから、エピソードといえばもう一つ、部屋同士がくっついているので、ドアを開けておくと部屋の音が全部聞こえます。私は女なので、少し早く起きてお化粧をするのですが、その時にモーニングコールのように「皆さん起きてください」と私が言うと、その声が聞こえて、みんな起きてきて、何だか楽しかったですね。

―ドング役のカン・テオ(5urprise) さんと共演してみていかがでしたか?

イ・ソンギョン:テオさんは、私よりだいぶ年下なのですが、それを感じさせない演技をしてくれて、本当に友達のようでした。ドングに告白されてからは、一人の男性(恋愛の相手) として見ようと努力する場面があるのですが、その部分を演じるのは少し大変でした。幼い頃から一緒に過ごし、家族、弟のように接してきた相手を、私だったら一人の男性として見ることはできません。イソルだから熱意にほだされて一人の男性として見ようと努力したんでしょうね。私だったらあれこれ悩まないで、相手が深く傷つかないようによく話し合うと思います。私の考えとはまったく正反対の選択だったので、演じるのは気が重かったです。

―片思いの経験はありますか?

イ・ソンギョン:好きだと告白してしまうと、かえって意識してしまって、関係がギクシャクして気楽な友達を失うことになるかと思ってなかなか言い出せなくて…だからと言って、好きになった気持ちを抑えて以前と同じような感じで接することもできなくて、つらい思いをしたことはあります。

―相手の気持ちにはすぐ気がつくほうですか?

イ・ソンギョン:状況によって違うみたいです。本当に全然気づかなかった場合もありますし、雰囲気ですぐわかってしまう人もいます。

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―レナ・チョンを演じたキム・ソンリョンさんと共演してみていかがでしたか?

イ・ソンギョン:とても光栄でした。キム・ソンリョンさんは、まるで少女のように純粋で、温かい方でとてもいい方です。私にもよくしてくれて、一緒にドラマに出演できて、とても嬉しかったです。作品に対する情熱がすごくて、作品に真摯に向き合い演じていらっしゃる姿を見て、自分も一生懸命にやらなければと思い、ご迷惑をかけるようなことがあってはいけないと思いました。

―NGがたくさん出たり、特に苦労したところはありますか?

イ・ソンギョン:私の生母がレナ・チョンであることを知ってショックを受け、実父に詰め寄るシーンがあるのですが、そのシーンは大変でした。涙を流さなければならないのに涙は出ないし、驚いて怒らなければいけないのにうまくできませんでした。なぜうまく感情移入してイソルになりきれないのだろうと悩みました。集中力が足りないのだろうかとか……、色々考えましたね。

先生が私の生母だって? いったいどういうこと? と考える時間の演技が必要なのに、泣かなければいけなくて、驚かなくてもいけなくて、それがうまくできなくてパニックになりました。本来はそういういくつもの感情をうまく按配して表現するのが俳優じゃないですか? ところが私はパニックになってしまって、うまくできませんでした。編集されたシーンを見た時は、だめだなぁと思う部分が目に付き、残念でなりませんでした。それでも最善を尽くして演じたので、学んだことも多く、良い経験になりました。

―印象に残っているシーンやお気に入りのシーンはありますか?

イ・ソンギョン:イソルの感情を表すシーンで、完璧にイソルになりきって演じられたと感じたシーンがあります。母親が生母ではない事実を知ってしまったシーンで、イソルが母親に「お母さんが、私を産んでくれたんでしょ、そうでしょ?」と言いながら母親と一緒に泣くシーンがあるのですが、最初に演じた時は、耳が遠くなったような感じになって涙も出なかったんです。それでもう一度撮り直したのですが、それでも涙が出てこなかったんですね。涙が出てこないので、悔しい思いをしながら家に帰ったんです。でも考えてみたら、涙が出ないこともあり得るんじゃないかと思えて、自分は本当に悲しかったんだ、驚いたんだと気づいたんです。もうかなり前のことなのに、今そのシーンを見ても悲しくなります。心からそう思って演じているからなのでしょうね。

それともう一つ、30話の最初と40話の最初にも登場するのですが、相手のご両親にご挨拶をする席で、結婚を破棄してくる場面で、家の前まで来て母親の顔を見た瞬間に、涙があふれるシーンがあります。そのシーンでは、本当に涙が溢れてきて仕方がありませんでした。その2つのシーンが深く印象に残っています。今考えてもあの時の、耳が遠くなったような感じや熱っぽい感じは心の中に残っていて、役になりきれたという実感が持ててうれしかったですね。ソン・オクスクさんがお母さん役で、目を見ただけでも泣けてくるような演技をしてくださったので、とてもありがたかったです。

―主演ということで、とてもプレッシャーを感じたのではありませんか?

イ・ソンギョン:私より諸先輩方のほうがあったように思います。私が力不足なのはわかりきっていますから、私はただ、皆さんにご迷惑をかけないようにがんばっただけです。先輩方について一所懸命に学んで最善を尽くしていく、そういったエネルギーが、うまく伝わって、みんなが活気づいていけばいいなと思いました。主演俳優としてドラマを引っ張っていかなければいけないというプレッシャーよりは、まずは後輩として、カン・イソルとして、スタッフの皆さんや、共演の俳優の方々に対しても、真摯に向き合い、責任感を持って演技していきました。

―女優を目指したきっかけは何ですか?

イ・ソンギョン:テレビで活躍する俳優を夢見たことはありませんでした。ミュージカルの勉強をしていたので、ミュージカル俳優になりたいと思っていました。そう思いながらモデルをしていたのですが「大丈夫、愛だ」のキム・ギュテ監督が新人で女子高生役の俳優を探していて、監督のお嬢さんがありがたいことに私のファンだったんです。お嬢さんが監督に私のイメージ写真などを見せてくれて、監督はそれをご覧になって、気に入って下さりお目にかかることになりました。それが俳優になったきっかけです。「大丈夫、愛だ」でも素晴らしい先輩方、スタッフの皆さんに囲まれ、すごく勉強になりました。

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―将来どんな女優になりたいですか?

イ・ソンギョン:今は、私のことをモデルと思っていらっしゃる方が多く、女優としてはまだ歩み始めたばかりですから、まだまだ演技もぎこちなくて、役を信頼して任せていただける状態ではありません。一所懸命に努力し、一日も早く演技力をつけ、うまく演じられるようになりたいですし、うわべだけの演技にならないためにも、人としてしっかりと人生を歩んでいきたいです。

―目標としている俳優はいますか?

イ・ソンギョン:とても多いです。私にとってはドラマの現場で出会う方、全員が私の目標です。幸いにも愛情あふれる先輩方に出会うことができて、こうしなければいけないんだなとか、私が変わらなければいけないんだなと、思うことがとても多いです。

―バラエティー番組の「覆面歌王」で歌を披露していますが、歌は元々上手なほうですか?

イ・ソンギョン:歌はとても好きです。車を運転している時や家にいる時など、いつも歌っています。ミュージカルの歌や歌謡曲、ポップス、ラップ、ジャンルにこだわらずにいろいろな歌を歌います。「覆面歌王」では、上手く聞こえるようにしてくれたのでしょう。

喉の調子が良ければ、ビヨンセの「Love on Top」や「大丈夫、愛だ」OSTの曲もよく歌います。よく聞いたり歌ったりするのはミュージカルの歌が多いです。代表的な部分を頭から順々に歌っていくんです。覆面歌王の時、ウケをねらってもうちょっとオーバーにやろうと思ったのですが、ちょうど寝不足だったせいか喉が炎症を起こしてしまって、上手く歌えなかったのが、ちょっと残念でした。

―最後に日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。

イ・ソンギョン:こんにちは。日本ファンの皆さん、イ・ソンギョンです。「大丈夫、愛だ」のDVDが日本で発売になり、好評だということで、とてもうれしく思っています。今回出演した「女王の花」も日本でDVDが発売になるということで、とても光栄に思っています。演技力もまだまだの私ですが、劇的なストーリーの部分も含めて、楽しくご覧いただければうれしいです。よろしくお願いします。

■作品情報
「女王の花」
DVD-SET1・2 好評発売中
DVD-SET3 8月2日(火) 発売
※以降、順次リリース(全5SET)
※レンタルDVD:Vol.1~18 好評レンタル中
Vol.19以降 8月2日より順次レンタル
価格:各¥15,000+税
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(C)2015 MBC

■関連サイト
公式ホームページ:http://kandera.jp/sp/joounohana/

記者 : Kstyle編集部