【REPORT】WINNERが日本3度目のツアー開催! 5人の揺るぎない友情が結実した圧巻のステージ
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日本全国のZEPPを周った1st、ホール会場を回った2nd。3回目となった今回のツアーは今まで以上にスケールアップし、3万6千人を動員した。
ツアータイトルにある「EXIT」は新作のタイトルからとられたもの。2014年8月にデビューした彼らは今年2月にミニアルバム『EXIT : E』をリリース。「EXIT」には約1年半に及ぶ空白期間からの脱出、という意味あいもあった。そして6月15日にはその日本盤『EXIT MOVEMENT : E -JAPAN EDITION-』をデジタルリリース。『EXIT : E』の収録曲を日本語で歌い直した新曲がこの日の柱だ。一方、ツアー開始前には残念なアナウンスもあった。ラッパーのスンフンが腰の怪我により、本来のパフォーマンスが出来ないという知らせだ。ライブの冒頭でも彼が「今日、僕は怪我をしてしまって申し訳ありません。でも、今回のツアーは一生懸命準備しましたので、最後まで楽しんでください」と挨拶。ハンデを乗り越え、果たしてWINNERはどんなライブを見せてくれたのか?
5人の熱い友情と固き信頼が怪我を吹き飛ばす
サイレン音とロッキンなギターの音がスリリングに響く中、メンバー紹介のビデオが流れ、スタートの合図はグリーン地に大きな「EXIT」の黒文字!オープニング「LOVE IS A LIE」では「ウソでしょ」と歌うメンバーにファンが「しょ!」と声を合わせ、早くも館内がノリノリの一体感で一つになる。続いたのはこの日の注目曲にして新曲「SENTIMENTAL」!どうしようもなくなるほど切ない夜を独り過ごす……そんなイメージをスンフンとリーダーのスンユンを除くメンバーがステージ上でゴロリと横になって全身で表現し、見せ場はたっぷり。こうしたシアトリカルな振り付けがWINNERのポイントだ。スンフンは舞台下手に立ってラップを演じ、同じくラッパーのミンホが彼の元に駆け寄り、両手を挙げてスンフンにエールを贈れば、その後、他のメンバーも一緒に彼をバックアップし、メンバー間の熱い友情がファンをグッと惹きつける。また、ボーカルのジヌとミンホが向かい合い、ジヌがキュートにミンホの内ポケットを覗くような仕草を見せると一際高い歓声が上がった。そしてメンバーが「新曲と新しいパフォーマンスで、最高に楽しく、思いっきり皆さんと遊びたい」(スンユン)と抱負を述べた後には、感傷的な切ない歌を3曲。歌は悲しくても、ファンはコールを一つに合わせ、熱気は高まる一方。彼女が去ってぽっかりと空いた気持ちを歌う「EMPTY」はファンも「日々、日々」と韻を踏んだコールを送ってヒップホップモード。五里霧中な心情を代弁するかのようなスモーキーな舞台演出、ジヌからテヒョン(ボーカル)へのファルセットなマイクリレー、そしてラストのスナップとすべてが綺麗にキマっていた。
「まち歌」がテーマの「COLORING」ではクラウディな都会の空をバックに、全員が思い思いの場所に腰をかけ、しっとりと歌い上げ。スンフンはそれまでつけていたサングラスを外し、テヒョンは赤のレザージャケットを脱ぐなど、二人のアクションは自らの内面をさらけ出すかのよう。そしてスンユンが客席にマイクを向けると、ファンは「RING、RING、RING」と声を合わせてまた一つになる。続いた「DIFFERENT」ではメンバーが立ち上がり、ステージを立体的に使ってパフォーマンス。ここでスンフンを除く4人は黒の衣装となり、対して、スンフンは白。黒の動、白の静という鮮やかなコントラストがステージ上に立ち現れ、それは怪我というアクシデントを跳ね除けるかのよう。また、スンフンのラップパートでは4人が華麗に舞い、ミンホがヒップホップ調に左手を上下に揺らすと、ファンの持つペンライトも力強く縦に揺れ、前半を終えた。
まさかのドリカムにうれしさと楽しさが爆発
中盤はユニットやソロを含むスペシャルコーナー。まずはミンホとテヒョンのコラボ曲にして新曲「PRICKED」からスタートだ。バックに映る薔薇の花は忘れられない彼女をイメージしたものか。この日は、アリーナ席をぐるりと囲むようにスタンド席沿いに外周の花道が設置され、そんなステージ構成も見どころだった。ここではミンホが下手通路を、テヒョンが上手通路を歩いて、後方のファンを期待させたが、二人は途中で引き返して、ファンを焦らす。そしてステージに戻った二人は交差するようにすれ違い、クールにエンディング。続くテヒョンのソロ曲「I'M YOUNG」では、彼が上下ブラック&素肌にブラックタイというシックな装いで星空をバックに熱唱し、ファンはペンライトを振るのも忘れて、じっくりと聞き入る。そして3曲目はスカジャンとゴールドのブリンブリンというストリートファッションに身を包んだミンホにバトンタッチし、ソロ曲「OKEY DOKEY」へ。ミンホが「Is that true?」と歌えば、ファンも「Yes Okey Dokey Yo」と応じ、完璧なコール&レスポンスで会場の一体感はさらにアップした。そしていよいよ、今やWINNERのツアーには欠かせない、ガーリーなジヌが中心となったスペシャルステージでフロアの興奮は絶頂に達していく。まずはセミロングな黒髪&黒のハットにシルバーのショートドレスというドレッシーなジヌがステージに現れ、そこにスンフンを除く3人が合流。DREAMS COME TRUEの「うれしい! たのしい! 大好き!」をハッピーにカバーし、間奏部ではスンユンが「Say, Yeah」「Say うれしい」とフロアを盛り上げ、この曲で遂に外周花道が完全解禁に!スンユン&ミンホ、テヒョン&ジヌの二手に分かれて、4人が場内を一周し、特にスタンド席はアーティストとの距離感が激近で、ファンが狂喜するほどに贅沢!「PRICKED」で二人が途中で引き返したのも、もちろん、この曲のため。ファンはそのスペシャル感を心行くまで堪能していた。また、嬉しさのあまり、ミンホがジヌにプロポーズするようなシーンも見られ、終盤、ステージに戻ってきた後もミンホは恥ずかしがるジヌの顔を覗き込むようにし、ファンをキュンとさせていた。
そしてモノクロームな映像を挟んだ後は雰囲気を一新させるようにスンユンがピンクのジャケットで登場。スツールに腰掛けた彼は、ギターの弾き語りで、彼にとって永遠のクラシックナンバー「IT'S RAIN」をライブ初披露!WINNERとしてデビューする前にソロでリリースしたこの曲をスンユンは「知らない人がいるかもしれませんが」と前置きしたが、WINNERファンに知らぬ人などいるわけがない。「心に雨が降る、今日も」とシャウトしながら歌った後は、ギターを置いて立ち上がり、マイクを握って熱唱。背景には雨の映像が流れ、サビではマイクを両手で握りしめ、熱いロック魂を響かせていた。
新曲「BABY BABY」から幕を開けたアッパー・ワールド
ソロコーナーを終えたメンバーは後半、再びチームで勝負していく。まずは新曲「BABY BABY」でファンをとろけさせ、ミンホは左手人差し指を立てて「しーっ」のポーズをとって、「Shut up」とラップ。「BUT」の途中でスンフンが合流すると、ファンは歓声を上げて彼を迎え、終盤では中央に立つ彼を他のメンバーが寄り添うようにサポート。スンフンはピースサインでうれしさを表現した。そしてここから終盤に向け、彼らはアップテンポなチューンで一気呵成に攻めていく。裏打ちのリズムに乗せ、男の嫉妬心をコミカルに描く「DON'T FLIRT」はスナップ音もハッピーに響き、メンバーのヒップダンスも楽しい。そして四つ打ちビートがメンバーをより華やかに輝かせる「SMILE AGAIN」で館内のムードがアッパーに変わり、ヒョウ柄のトップスにチェンジしたスンフンが途中から合流すると雰囲気はよりタイトに。中盤から客席もジャンプし始め、メンバー全員が背中を向けて大きく両手を広げるエンディングまでノンストップの盛り上がりとなった。
歌い終えたメンバーは「サイコー!」と口を揃え、スンユンが「テンションが高くて、疲れを感じません。(ここから)最高に盛り上げるステージ。トップギアでつっ走るので、しっかりついてきてください」と声をかければ、ファンも準備OK。新曲「IMMATURE」ではメンバーもジャンプしながら歌い、ミンホはサムアップしながらのラップでファンと交流。「JUST ANOTHER BOY」を歌い終えると、ミンホがスンフンを舞台袖へと誘導し、4人は再び外周花道へ。そして披露したのは韓国の単独コンサートで電撃公開されたばかりの「LA LA」!!未だ正式リリースされていないスペシャルな歌を手の届くような距離で楽しめるという、とっておきのスペシャルプレゼントにファンは大興奮。メンバーもロックなサウンドにのり花道をジャンプしながら歌い、最後はテヒョンがピースサインで締める。そして本編最後にはアッパーなエンディングに相応しい「GO UP」を。「大きな声を出して」というスンユンの呼びかけにファンもマックスの声援で応えていた。
「待ってたよ」と声を掛け合うWINNERとファンは一生一緒の仲
EXITを抜け出し、ファンの前に戻ってきたWINNER。アンコール前、ファンはそんな彼らに向けてサプライズで「待ってたよ」とのメッセージカードを一斉に出した。そしてメンバーもまた「僕たちも(この日を)待ってたよ」と話し、スンユンは「いつも待っていてくれて、ありがとうございます」と感謝。そんな思いを表現しようとアンコールでは2曲を歌う。1曲目の「I WISH I WAS A KID AGAIN」もファンにはうれしい新曲で、ミンホとジヌは求愛ダンスも特別披露。スンフンは片手にマイク、片手にステッキ、そして頭にはタオルを巻いた格好いい出で立ちで登場し、フィナーレの「SENTIMENTAL」では遂にスンフンも花道へ!テヒョンは花道の端に腰かけながら歌い、ミンホはファンとジャンケンするなど、全員が再び場内を一周しながら自由にパフォーマンス!何にも縛られない空気感から、メンバーたちがステージで歌うことに幸せを感じていることが伝わる。そんな幸せは客席にも伝播し、ラストはスンユンの指ハートで。最後までWINNER史上最高のスケール感に圧倒されっぱなしだった。ライブ終盤、メンバーはこう振り返った。
「僕はちょっとビックリしました。WINNERが初めて、こんな大きなアリーナで、公演できて、メチャ感動です。(これほど)たくさんの方たちは今までどこにいましたか? これからももっと大きなステージに立ちたいです。(今日は)カメラも多いし、舞台に置かれた水のボトルも去年より格好よくなりましたしね。次は怪我を直して戻ってきます」(スンフン)
「毎年日本のツアーが出来て、皆さんに会える僕たちは本当に幸せ者だと思います。皆さんの素敵な笑顔に会えて、今日また一つ皆さんとの思い出が増えました。この思い出を大切に持って帰って、友達に自慢したいと思います。皆、一生一緒だよ!」(ミンホ)
「毎回、ツアーを準備するときはプレッシャーを感じます。今回は3年目なのでもっと不安でした。でも、皆さんのおかげで僕たちは幸せなグループだなと改めて思いました。今日もらった気持ちを思い出して、また良い音楽を皆さんに届けることを約束します。約束だよ」(スンユン)
プレッシャーとアクシデントを跳ね除けた3rdツアーで彼らはとことんオリジナル曲で勝負し、それはセルフ・プロデュース型グループとして知られる彼らの底力を感じる構成だった。また、『EXIT MOVEMENT : E -JAPAN EDITION-』をリリースしてからほとんど間を置くことなく行われたツアーは彼らの「新曲を早く聞かせたかった」(テヒョン)という強い思いの表れだ。ライブでは「(日本では)虫も食べた」(テヒョン)、「美味しくなかった」(ジヌ)、「絶対無理!」(ミンホ)というコミカルな虫トークや、テヒョンの腹筋披露もあって、ほのぼのとしたアットホームな雰囲気も◎。そしてスンフンは当初、座っての歌唱になるとの発表だったが、実際の彼はステージに立ち、ラストでは花道を歩いて歌ってくれた。そんな彼の頑張りもメンバーのサポートがあってこそ。このツアーでファンは皆、5人の確かな友情を改めて感じたのだった。
ライター:きむ・たく
WINNER EXIT TOUR IN JAPAN
日時:2016年6月18日(土) 開場16:00 / 開演17:00
会場:幕張メッセイベントホール
WINNERオフィシャルサイト:http://ygex.jp/winner/
記者 : Kstyle編集部