故キム・ソンミンさん、43歳の若さで永眠…臓器摘出手術で5人に新しい人生を与える

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あまりにも切なくて呼ぶことすらためらうその名、故キム・ソンミンさん。常に切迫した心情で生きていた彼は、より切迫した人々の星となって去った。

24日、自宅で自殺を図った俳優キム・ソンミンさんが26日、脳死判定を受け、永眠した。ソウル聖母(ソンモ) 病院の医療陣は同日午後、病院でブリーフィングを行い、脳死判定を受けた過程について詳しく説明した。家族は、生前の故人の意思に従い、臓器を提供することにした。今回の選択で、なんと5人の患者が新しい人生を生きることになった。

家族たちは、ブリーフィングの現場に登場しなかった。当然のことながら意気消沈した雰囲気であるという。キム・ソンミンさんは同日午後、臓器摘出手術を受けた。家族たちは、遺体安置所で弔問客を迎えている。自ら命を絶とうとしたキム・ソンミンさんが、他の人々に新しい人生を与える形でこの世を去った。

故人の人生は容易ではなかった。1995年に劇団「星座」の団員として演技を始め、長い間、無名だったキム・ソンミンさんは、2002年にMBC「人魚姫」に出演し、顔を知らせた。その後、MBC「お向かいの女」「花王の仙女様」、SBS「帰って来たシングル」、MBC「ファンタスティック・カップル」、映画「マイ・ボス マイ・ヒーロー3」などに出演し、全盛期を迎えた。他にもKBS 2TVバラエティ番組「ハッピーサンデー-男子の資格」にも出演するなど、幅広い分野で活躍した。

しかし、相次ぐ覚せい剤の波紋は彼を墜落させた。2011年3月、大麻と覚せい剤を常習的に使用した疑いで懲役2年6ヶ月、執行猶予4年を言い渡された。この件で長い自粛の時間を過ごした故人は、2012年にドラマ「私たち結婚できるかな?」で復帰し、翌年の2013年には結婚のニュースも伝え、再飛躍をするかのように見えた。

しかし、大衆が彼から完全に背を向ける事件が発生した。昨年3月、再び覚せい剤使用の疑いで逮捕されたのだ。韓国に覚せい剤を密輸し、流通させ捕まった組織の通話の内訳に彼の名があり、結局警察の捜査網に引っかかった。

相次ぐ覚せい剤の波紋でキム・ソンミンさんは居場所を無くした。実刑を言い渡されたキム・ソンミンさんはとても苦しんでいたという。さらに辛かったのは大衆の厳しい視線であったであろう。家長であるにも関わらず仕事がない状態だったため、家庭生活も順調ではなかったと見られる。

故人は最近、酒を飲む度に口癖のように「死にたい」と言っていたという。キム・ソンミンさんの心境を伺うことができる部分だ。それでも心の片隅には復帰への意志もあったはずだ。しかし、結局立ち直ることはできなかった。

希望の手綱を離してしまった彼は皮肉にも、顔も知らない人々に希望を与えてこの世を去ることになった。胸を張ることができる死ではなかったが、遺族の臓器提供の決定は人々の心を粛然とさせた。故人の43年間の人生がさらに切なく、寂しく感じられる。どうかあの世では心に平穏が訪れますように。

記者 : キム・ジヒョン