「匂いを見る少女」作家イ・ヒミョン“パク・ユチョンとは2作目…彼はいつも好奇心をかき立たせてくれる俳優”

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「会いたい」「スリーデイズ~愛と正義~」など数多くの話題作に出演し、今や俳優としての人気・実力ともに開花させているパク・ユチョンの入隊前最後の主演ドラマ「匂いを見る少女」Blu-ray/DVD-SET1・2が好評リリース中。本作でユチョンは、とある事件がきっかけで無痛覚症を患った警察官ムガクを熱演。シン・セギョンが匂いが見えるようになってしまったヒロイン・チョリムとして共演を果たした。
「屋根部屋のプリンス」以降、本作でユチョンとの再タッグが実現したイ・ヒミョン脚本家に、ドラマの見どころや、脚本家としての難しさ、ユチョンの演技の魅力について聞いた。

―このドラマの脚本を書くことになったきっかけを教えてください。

イ・ヒミョン:今回はちょっと変わった感じの素材を探していました。私が書くドラマは主にラブコメですが、それらは映画『プリティー・ウーマン』や『麗しのサブリナ』に見られるようなイケメンでお金持ちの男と、お金はないけれどしっかりと前向きに生きていている女性、あるいは明るくて魅力的な性格の女性とのロマンスといった範疇からなかなか抜け出しにくかったのも事実でした。それで今回は、何とか誰もが新しいと感じるような変わった素材を探していたんです。それと刑事ものもやってみたいと思っていたところ、放送局のプロデューサーから原作のネット漫画「匂いを見る少女」を勧められました。見てすぐにドラマの脚本を書き始めました。

―人気のネット漫画が原作ということをですが、原作を読んだ時の印象はいかがでしたか? またどの部分を生かして、どの部分をアレンジしようと思いましたか? オリジナルの部分はどのように作り出されましたか?

イ・ヒミョン:“匂いを目で見る”という設定が、とても斬新でいいと思いましたね。当然匂いを目で見るという部分をドラマでどのように表現すれば、原作の感じを生かすことができるのかにポイントをおいてドラマを作り込んでいきました。原作にあった“連続殺人犯”が被害者に自叙伝を書かせる点は、生かしてドラマ全体のストーリーとして仕上げなければいけないと考えました。原作はネット漫画なのでストーリーのテンポも速いし、1話が短い感じでしたからドラマ全体にわたる主人公のストーリーを新しく作って入れていきました。


「ユチョンさんのお茶目でユーモラスなところを引き出そうとしました」

―ユチョンさんとは「屋根部屋のプリンス」に続き、2作目となりますが、前作で感じた俳優としての印象や魅力はどのような部分でしょうか? また今回の作品ではユチョンさんのどんな部分を生かそうとしましたか?

イ・ヒミョン:ユチョンさんはとても魅力的でスマートな俳優だと思います。キャラクターに対する解釈がとても優れていると思います。ちょっと失礼になるかもしれませんが、「屋根部屋のプリンス」ではドラマが進むにしたがって、俳優としてすくすくと育っているのを感じました。もちろん「屋根部屋のプリンス」以降の映画やドラマでも、俳優としての力を余すところなく発揮して俳優としての地位を確固たるものにし、様々な賞を受賞したのは皆さんご存じのとおりです。とても素晴らしい俳優だと思っています。彼の演技力や容貌などすべてを、ドラマを見る人たちが楽しめるようなストーリーを心がけましたが、特に彼の大きな魅力の一つでもあるお茶目なところやユーモラスなところを引き出そうと努めました。

―気に入っているエピソードや我ながらうまく書けたと思っているシーンはありますか?

イ・ヒミョン:主人公2人の微笑ましいロマンスのシーンは他のシーンに比べて書きやすかったです。個人的に気に入っているエピソードは、序盤の2人の出会いのシーンです。ムガク(パク・ユチョン) が、チョリム(シン・セギョン) は匂いを見ることができるのだという事実を知るシーンでもあります。

―俳優の演技の中で特に注目したシーンや予想していた以上にうまく演じてくれた思ったシーンはありますか?

イ・ヒミョン:ちょっと意外に思われるかもしれませんが、ドラマのメインストーリーである殺人事件の行方よりも、ユチョンさんとシン・セギョンさんがコンビを組んで漫才をやるシーンが、どんなふうに放送されるかの方が気になりましたね。2人の息もぴったり合っていてとてもうまく演じてくれたと思います。


「コメディーとサスペンスの融合…執筆が終るまで難しい部分でした」

―ムガクとチョリムは、感覚をなくした人と感覚が過度に敏感な人というように正反対のキャラクターです。それぞれのキャラクターを通じて描きたかったこと、伝えようと思ったことは何ですか?

イ・ヒミョン:あまりにも足りなかったりあまりにも多かったりするのは、“過ぎたるは及ばざるがごとし”という言葉があるように見方を変えれば同じことだと思うんですね。ある事件のせいで孤独になってしまった男女。1人はあまりにも淋しくて感覚をなくしてしまい、もう1人はあまりにも過敏になってしまった。彼らがお互いの足りない部分や過度な部分を補い合うことで、少しずつお互いの孤独感を克服していけると思いましたし、それが物語になると思いました。

―ラブコメとサスペンスという相反した要素を一つのドラマとしてまとめるために、特に気をつかったことはありますか?

イ・ヒミョン:企画段階から執筆が終るまでとても苦しくて難しい部分でした。コメディーとサスペンスをどうやったらうまく一つのドラマとしてまとめられるか、難しい課題でした。結局、台本では不十分でしたが、俳優たちがうまく演じてくれてよい作品になったと思っています。

―本作の執筆過程でのエピソードや記憶に残っているようなことがあれば教えてください。

イ・ヒミョン:連続殺人犯が登場するドラマを書いたのは初めてで、執筆中に殺人犯のことを思い描くたびに、自分でも怖くなってしまうことがかなりありました。

―本作を執筆するにあたり、この点についてはこだわって書いたというようなことはありますか?

イ・ヒミョン:「匂いを見る少女」は初めて書いたサスペンスドラマでした。それで少しでも既存のサスペンスドラマとは一線を画すようなドラマにしたいと思いましたし、くすっと笑えるようなユーモアを失わないように気をつかいました。


ユチョンと再びドラマをやるなら…「マッチョな男のアクションものをやりたい」

―もし、パク・ユチョンさんとまたドラマをやることになったら、どのようなストーリーのどのようなキャラクターを描いてみたいですか?

イ・ヒミョン:マッチョな男のアクションものをやってみたいですね。彼はどんなふうに演じるのか、いつも好奇心をかき立たせてくれる俳優ですから。

―最後に「匂いを見る少女」の日本語版DVDリリースにあたって、日本のみなさんにメッセージをお願いします。

イ・ヒミョン:日本でドラマ「匂いを見る少女」が紹介されることを非常に光栄に思います。連続殺人事件の目撃者である匂いを見ることができる女性と、彼女を助け守ろうとする感覚を失った刑事のラブストーリーです。違う言葉で表現するならば孤独な男女の心温まる愛の物語です。楽しんで見ていただければ幸いです。

「匂いを見る少女」
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記者 : Kstyle編集部