ユ・イニョン、強いキャラクターではない女神の魅力「“女優”と堂々と呼ばれたい」

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ユ・イニョンは名前の3文字の前に“女優”というタイトルをつけるのが恥ずかしいという。人生で“職業”を書かなければならない瞬間、堂々と女優という2文字を書くのに未だにためらいを感じるという。しかし、彼女は紛れもなく女優だ。2004年にデビューして以来、常に演技をして毎日自身について考えてきた彼女だ。時には悔しく思う時も、気が抜ける時もあったが、今はこの業界で生きていく余裕もできた。演技は一生の道だと結論を出したためだ。ユ・イニョンが少しの迷いもなく堂々と“女優”というタイトルを掲げてほしいものだ。

―普段から華やかで都会的、また強い悪女のイメージが強い。本人の考えは?

ユ・イニョン:最初は悔しいと思った。視聴者たちが画面に表れる姿だけを見て判断されたのだから。私はそれ以外にも別の雰囲気もたくさん披露したいし披露できるのに、なぜそういうふうに思われているのか残念だったし、少し悔しい気もした。時間が経って、歳をとると、いい方向に考えようと思うようになった。それが自らを苦しめた部分があった。でも、今は良い方向に考えが変わった。今はお見せしていない部分を私が持っているし、その分お見せできることが多いと思っている。

―マインドコントロールが容易ではなかったと思うが。

ユ・イニョン:短い期間で考え方が変わったわけではない。ずっと色々な方法を探していた。あれこれ試してみた。でも、一気に変わるのは無理だった。だから、自分で自身を苦しめるよりは、少し別の方向で考えようと思うようになった。

―主に“強いキャラクター”を演じてきた。前作の「オー・マイ・ビーナス」でもそうだったし、きつくて人を苦しめる演技をした後、疲れないか?

ユ・イニョン:疲れる。理由もなく自分を苦しめなければいけない部分も多い。でも、そんな役が本当に強いキャラクターなのだろうか。誰かを苦しめてはいるけど、可哀想な人物だと思った。毎回やられるよりは、ずっと現実的な人物だと思う。そう考えてこそ演技しやすい。

―悪役もあるけれど、例えば映画「ベテラン」で演じた役は正気ではできそうにない。役者として感情の消耗が激しかったと思うが。

ユ・イニョン:でも好きだ。以前から思うのは、多くの俳優たちが一つのキャラクターを作ると変化を怖がるみたいだ。私はそれが嫌だ。変態かも(笑) むしろ、苦労してやっと何かが終わった時に「ああ、自分が一つをちゃんと終えたな」と思う。以前からやったことのないキャラクターに対して魅力も感じるし、今もそんなキャラクターが好きで、やったことのないものも多いから期待している。

―華やかなイメージを持たれるようになったのには、美肌やボディの影響もあった。秘訣があるとしたら?

ユ・イニョン:最近運動をたくさんしている。時間がある時はジムに行く。告白すると、元々運動がすごく嫌いで、今も変わっていない。やらなければいけないからやっているけれど、家からジムまで20分ほどの距離を歩いて行く。考え事もできて良い。

―撮影がなくて休む時の日常が気になる。

ユ・イニョン:元々一人でも良く遊ぶ。家から出ないほうだ。母親から「あなたは下宿生なの?」と言われたこともある。でも、変だけど、家にいるとやることがいっぱいある。時間も早く過ぎてしまう。たまに深夜に映画を見にちょっと出かける時もある。

―「女教師」という映画を撮影した。映画について聞かせてほしい。

ユ・イニョン:ジャンルを何と言ったらいいか分からない。気になって監督にも尋ねてみたが、「分からない」と言われた。韓国では一度も紹介されたことがないような気がする。見方によっては見慣れないと思うかも知れない。複合的な部分が多い。見る人の立場によって解釈が完全に変わってくる。私が演じた役はヘヨンという役だが、純粋で清々しく可愛い人が、純粋過ぎて他人を傷つける役だ。自分は好意的に見えると思って純粋に意図せずやることが、他人にとっては傷になるのだ。キム・ハヌル先輩と同じ学校の教師として出演する。

―「グッバイ、ミスターブラック」の撮影中だが。

ユ・イニョン:先日、海外撮影をした。特に、今回初めて二人の男性から愛される役で、気分よく撮影している。初めてだ(笑) いつも誰かに思いを寄せたり、奪おうとする役だったので幸せだ。

―休まず突っ走っている感じだ。忙しい中、今年必ず成し遂げたいことはあるか?

ユ・イニョン:実はこの前一つ思ったことがある。目標というべきだろうか。これまでどこかに行って自分を紹介する時に、「女優ユ・イニョンです」と言ったことがない。女優という言葉がまだ出てこない。自分が考える女優とは、本当に大きくて幅広い演技をする方々だ。そういう面でまだ足りない。だからただ「役者ユ・イニョンです」と紹介している。恥ずかしいのだ。以前は漠然と「いつか私も演技が上手になったら女優と言われるのだろう」と思っていた。でも今は、私も“女優として堂々と呼ばれたい。誰も私をそう呼んでくれなくても、自らを紹介するときに恥ずかしくない人になるのが目標といえば目標だ。

(エディター:キム・ドゥリ、インタビュー:ユン・ガイ、スタイリング:イ・ジオン、フォトグラファー:キム・ジウォン、ビハインド・フォトグラファー:アン・ソンフ、ヘア:ヒョジョン、メイク:ソンヒ)

記者 : @star1