「ディア・ブラッド~私の守護天使」チ・ジニ“初めての演じた悪役…魅力的でした”

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第50回百想芸術大賞TV部門ドラマ作品賞など韓国主要アワードを席巻した「グッド・ドクター」の名コンビが、ヴァンパイアを主役にラブ&サスペンスがスリリングに展開する韓国版『トワイライト』ともいうべき、超話題作「ディア・ブラッド~私の守護天使」。放送開始と同時に韓国大手ポータルサイトで検索ワード1位を記録するなど、韓国初のファンタジー医療ドラマという新たな伝説を生み出した。現在、DVD-SET1&2が好評発売中。

本作では、「宮廷女官チャングムの誓い」「トンイ」など優しくて知的なイメージで日本でも根強い人気を誇るチ・ジニが、ハンサムで紳士的な表の顔とは裏腹に残酷な本性を隠し持つ“悪”のヴァンパイアを怪演し、強烈なカリスマとダーク&セクシーなオムファタールぶりで視聴者を魅了した。

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―最初にシナリオを読んだ感想はいかがでしたか?

チ・ジニ:最初にヴァンパイアをモチーフにしていると聞いた時、果たしてヴァンパイアというものが、韓国でどのように受け取られるだろうかと思いました。好まれるだろうか、それとも馴染みがなくて受け入れられないだろうか、心配と憂慮が半々といった気持ちでした。ところが、シナリオを読んだらとても面白くて、本当にやってみたいと思いました。しかし、私の体の状態を考えると、少なくとも1ヶ月、できるならできるだけ遅く撮影に合流する形にしてもらって、コンディションを整えて参加したいと監督に申し上げたところ、快く許諾してくださいました。幸いドラマの序盤はチサンが外国に行ったり、子役が出演する少年時代が描かれたりするので、十分にコンディションを整えることが可能でした。このドラマは私としてもとても期待をしていた作品でした。

―ドラマを撮影してからの感じはどのようでしたか?

チ・ジニ:ドラマや映画を撮っているとよくわかるのですが、大切なのは現場の雰囲気だと思います。視聴率はとても良くても現場の雰囲気が良くなかったこともありましたし、視聴率があまりよくなくても、現場の雰囲気は良かったこともありました。両方よかったこともありました。そういうことを振り返ってみると、多くの人々が集まって1つの作品を作っていくわけですから、雰囲気は本当に良くなければいけないと思うんですね。今回のドラマはその点については大満足でした。監督、撮影監督、助監督、皆が本当に仲間同士の息もぴったりで、これだけの人がよく集まったなという気がして、本当にこのドラマへの出演を決めてよかったと思いました。現場の雰囲気も良くて現場でのスタッフの動きも無駄なものはひとつもありませんでした。皆がしなければならないことが分かっていて、きちんと自分の仕事をこなしていたので、怒鳴り声が聞こえるようなことはありませんでしたし、進行もスムーズだったんですよ。このようなところは、本当に拍手を送りたいです。また、メークにかかる時間や移動時間などすべてのことをスタッフが考慮して動いてくれていたので、忙しい中にあっても、私たち俳優陣はゆっくり休んだり、しっかりと演じる準備をしたりすることができました。そうしたスタッフの動きは感動的ですらありました。本当にこのドラマに出演してよかったと思いました。

―初めて悪役をやってみていかがでしたか?

チ・ジニ:悪役を演じるのは魅力的に感じました。演じたジェウクにはしっかりとした名分がありました。世界の人々が病に苦しむことなく平穏に暮らす方法はないかと研究をしていくうちに、ヴァンパイアのウイルスを発見し、このウイルスを利用すれば人間は病気に苦しむことなく健やか暮らせようになると考えて研究開発を進めます。しかし臨床実験ができるようなものではないので、自分の体にウイルスを注射します。もちろん副作用がありました。その副作用をなんとか解決をしていこうとして、大義のためには小さなことを犠牲にするのは仕方がないという気持ちから、仕方なく悪役になっていきます。そういったところはとても魅力的に思えました。追求しようとするところ、目標はすばらしいのですが、人間を犠牲にするということは許されないことで、そういった中での葛藤、チサンを見て感じる気持ちや、周辺を見て感じる気持ちを演じていくことは、演じた役は悪役でしたがとても魅力的でしたし、どうやったらうまく演じることができるか色々考えました。

―演じたイ・ジェウクについて、その魅力を含めて簡単に紹介してください。

チ・ジニ:まず目標が明確で、やや狂気を含んでいるキャラクターと言えると思います。そうでなくては自分の師匠や友を無惨に殺すことはできませんよね。残念なこと、あってはいけないことですが、目標や人類に対するややねじ曲がった愛が、たぶんイ・ジェウクという人物を演じる上で必要な要素になってくるのではないかと思いました。うまくいっていたのに、ある瞬間から行き詰まり、行き詰まったことで次第に狂っていく、見方によってその姿はとても人間的な魅力があると思います。

―ヴァンパイアを演じるための準備は、何かしましたか?

チ・ジニ:ヴァンパイアを扱った映画はとてもたくさんあって、これまでにもドラマや映画をたくさん見てきたのでイメージはあったのですが、ほとんどが外国のものなので、イメージだけを生かそうとしました。このドラマで私が演じたジェウクの場合、厳密に言えば自ら注射をしてヴァンパイアになったわけですから、そのようなところをどのように表現すればよいのか悩みましたし、世界的な天才外科医という設定でしたから手術のシーンは、完璧でなければいけないと思いました。なので、撮影の数ヶ月前から病院に行って手術しているところなどを見せてもらいました。手術するシーンや縫合糸を結ぶシーンのためにかなり練習をしました。かなり練習したので専門家のレベルにまでなりました。残念だったのはその成果を発揮できたのが一度だけだったということですが、そのような努力は当然ながら多くの俳優がやっていることです。

―ヴァンパイアを演じる上で特に気をつかったことはありますか?

チ・ジニ:外科医の時の姿とヴァンパイアとして本性を現した時の差がはっきりとしていたほうが良いと思いました。本性を現す前は本当にジェントルマンで素敵な姿を見せるようにしようと……。そうすることで対比が鮮明になって、より克明に身の毛がよだつような残忍さが印象づけられるのではないかと考え、そういったことに気をつかいました。

―特殊メイクが完成するまでかなり長くかかったと聞きましたが?

チ・ジニ:初めは2~3時間以上かかっていたのですが、だんだん短縮されて1時間以内で完成するようになりました。エアブラシで描いていくのですが、染料が目に入ったりして……。それから初めてコンタクトレンズをはめたのですが、きつくて少し痛い感じがしましたし、付け爪もしたのですが、アクションシーンの手を握らなければならないところでは、爪が刺さって痛かったり、外れてしまったりしましたね。付け爪が外れてしまって付け直すことはよくありました。

―白衣がよく似合っていましたが、医師の役を演じてみていかがでしたか?

チ・ジニ:医師の役は何度か経験があって、どんなふうにしたら医師らしく見えるかはわかっていたのですが、今回は院長役でしたし、ヴァンパイアという隠された姿がありましたから、他人から見える医師という部分を、本当にパーフェクトに演じないと、うそ臭い感じになってしまうと思いました。それで服装や医師としての心がけに至まで、完璧になるように役作りをしていきました。

―医師を演じた経験はたくさんあるようですが、専門用語はいかがでしたか?

チ・ジニ:専門用語といっても、実際の医師でも使う用語は限られているそうです。ただ韓国では略語を多く使うので、現場の雰囲気を出すために略語はたくさん取り入れました。

―NGが続発したシーンはありましたか?

チ・ジニ:私の場合は、それほどNGは出なかったように思います。動線については事前の打ち合わせで十分把握していましたし、リハーサルも十分にしましたからNGはあまりありませんでした。

―特に苦労した部分はありますか?

チ・ジニ:はやり、血糊をたくさん使うところと、特殊メークをしなければいけないところは、すべて苦労しました。血糊を使えば、その後はきれいにしなくてはいけませんし、特殊メークの後に、普通の外科医の姿を撮る必要があれば、メークを落とさなければいけなかったので、そういったところは少し大変でした。

―最後に日本のファンのみなさんに、ドラマの紹介とメッセージをお願いします。

チ・ジニ:このドラマ「ディア・ブラッド~私の守護天使」は、ヴァンパイアの話ですが、厳密に言えば感染者についてのドラマでもあります。研究努力の末に、自ら、自分の体に感染を引き起こしますが、それによって様々な事件が起こり、周囲の人とのいざこざも起こってきます。しかしなぜ、自分の体にウイルスを注射したのかを思い起こしてみると、さらにこのドラマをおもしろく見ることができるのではないかと思います。そして完璧な治療のためのワクチンを作るには純粋なヴァンパイアの血が必要で、そこでチサンという人物が必要だったということです。こういったところを細かく考えながらご覧になれば、よりいっそうドラマを楽しむことができるのではないかと思います。

「ディア・ブラッド~私の守護天使」DVD情報
DVD-SET1&SET2 好評発売中 各¥19,000+税
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Licensed by KBS Media Ltd.(c)2015 KBS All rights reserved
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
公式サイト:http://kandera.jp/sp/blood/

記者 : Kstyle編集部