Suran、ユニークな声の持ち主…あなたは誰?

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写真=ミリオンマーケット
音楽が好きな人にとってSuran(本名:シン・スラン)はこれ以上見慣れない名前ではない。彼女の名前はYankieとPrimaryのアルバムだけでなく、Block Bのジコのソロアルバムでも見られる。聴き慣れていないので、耳をすませてしまう声。それがSuranのトレードマークでありアイデンティティーだ。

これまでほかの歌手のアルバムに作曲家として、プロデューサーとして、フィーチャリングとして参加したSuranは、11月にシングル「Calling in Love」をリリースした。OhmyStarとインタビューを行ったSuranは、今回のアルバムを「自己紹介書のような感じ」だと紹介した。同名のタイトル曲「Calling in Love」は、とても聴きやすい音楽だ。

「ある意味では聴きなれない音楽かもしれない。しかし、好き嫌いはないと思った。声や曲のニュアンス、メロディや雰囲気は難しくない曲だからだ。完全にありきたりな構成ではないが、ボーカルを通じて大衆性とユニークさの接点を探そうとした。1年ぶりにリリースするアルバムなで、気楽に聴いていただきたい」


工大生→インディーズのジャズシーン→シンガーソングライター

Suranは本来、音楽が好きな工科大学の学生だった。20代に入り「本当に音楽がしたい」と切実に思うようになり、その後インディーズのジャズシーンで活動した。彼女はプロデューサーに出会ってアルバムを作ったり、再び大学(ソウル芸術大学)に進学するなど学び続け、「主体的に音楽をしてみたい」と決心するようになった。自身にぴったりのプロデューサーとの出会いを待つ代わりに、自ら曲を書き、歌うことにした。

彼女は自身を「(音楽が)上手というよりは、長所を正確に知っている」と評価した。比較的遅く音楽を始めたため、ルーツがないようで悩んだが、新しいことにすぐ適応することがむしろSuranの長所になった。ここにジャズシーンで活動しながら身につけた“フィール(Feel)”まで加わり、トレンディな音楽ができるようになったという。Suranは「私の音楽にはフィールがある」と自信を見せた。

2014年12月、初のシングル「I Feel」を披露して以来、Suranは1年間次のアルバムを早く出そうとするよりは、外部との仕事を通じて経験を積み上げた。今回のアルバムには一緒に仕事をしたYankieと、Primaryのアルバムに収録された「マネクイーン」で一緒だったBeenzinoがSuranのためにフィーチャリングに参加した。Suranは「Calling in Love」に登場するBeenzinoのラップについて「Beenzinoさんにしかできないと思って提案したが、快く受け入れてくださった」と説明した。

Suranは今回のアルバムのアートワークにも精を尽くした。Beenzinoが所属するアートワーククルーIABは、Suranの音楽にぴったりのアートワークをジャケットに表現した。森の中のプールとピンク、白が調和したマーブリングは、コンピューターグラフィックスで描いたものではなく、実際に模型を作って撮影した写真だ。Suranは「今後展示もしたいと思って欲を出した」とし「このような細かい作業と努力が音楽の価値を高めるため、諦めたくなかった」と説明した。

写真=ミリオンマーケット

「見せたいことが多い」

Suranは2015年、自身にチャンスが訪れたと話した。今まで努力したことを少しずつ具体化する時期が2015年だったとすれば、2016年は2月頃のミニアルバムのリリースを皮切りに、公演など様々な形で活動するとの覚悟を持っている。「曲を書くときはプロデューサーの立場に立とうとする」としたSuranは「見せたいことが多い」としながら「ただ、それぞれの曲をひとつに繋ぐのが私のボーカルだと思う。私のボーカルに様々な服を着せる」と説明した。

悩みに落ちた時間を送るより、「とりあえずぶつかってみよう」と前に進むほうだ。曲を書きながら行き詰まるときは、集中できない原因を探してそれを除去し作業しようとする。最も重要なのはマンネリ化せず、自身を磨くことだ。「ほかの部分は違うが、音楽に対しては私自身に多少厳しいと思う」としたSuranは「音楽に関しては目標がはっきりしていて、上手になりたく、好きだからそうだと思う」としながら微笑んだ。

純粋に音楽を聴かせる窓口がどんどん減っているというものの、Suranは「世の中に不満を持つより、その時間に自身の活動を地味にすることが大事だ」と断言した。魅力的な音楽を地道に発表しながら「どうすれば聴いてもらえるだろうか」と悩み、主体的に動くことがアーティストの役割だという。彼女は「来年はフェスティバルのステージにもたくさん立ちたい」とし「チャンスがあれば海外でも公演をしたい」と述べた。

自身の音楽により多くの時間を注ぐが、だからといってほかのアーティストのアルバムでSuranの名前を見られないわけではない。Suranは「私の音楽は本当の私を見せる音楽で、コラボレーションはほかの人をサポートすることだ」とし「(コラボレーション)音源をたくさん発表するからといって消耗されるとは思わない」と付け加えた。Suranのアルバムには声以上に魅力的な彼女の世界が盛り込まれている。

写真=ミリオンマーケット

記者 : イ・ビョンハン