放送終了「アチアラの秘密」緻密なストーリーと俳優たちの完璧な演技“韓国社会の今を考えさせられるドラマ”

OSEN |

写真=SBS
SBS水木ドラマ「アチアラの秘密」(脚本:ト・ヒョンジョン、演出:イ・ヨンソク)の中で真実を明かすために突っ走ってきたハン・ソユン(ムン・グニョン)、パク・ウジェ(BTOB ソンジェ)の長い道のりが3日に終了した。キム・ヘジン(チャン・ヒジン)を殺した真犯人のナム氏婦人(シン・ヨンジン)は罪を認め、一緒に死体を遺棄したユン・ジスク(シン・ウンギョン)は殺人未遂及び死体遺棄の容疑で逮捕された。連続殺人犯アガシ(チェ・ジェウン)も手錠をかけられることになった。罪を犯した者が当然の罰を受けることになったのだ。

しかし、酷い犯罪によって娘のヘジンを記憶から消したジスクが実は彼女を化物ではなく、人間として一瞬だが娘だと思って肉親の情を抱いた点は切ないものだった。また、すべてのミステリーを解いたソユンが、タイムカプセルにヘジンが入れておいた家族写真やジスクの写真を見て嗚咽するエンディングは、何とも言いがたい悲しさを与えた。完璧に練りこまれたストーリーで、今年の秋を短く感じさせた「アチアラの秘密」を振り返った。

最終話になってやっとヘジンを殺した真犯人が明らかになったほど、「アチアラの秘密」には16話を通して張り詰めた緊張感が漂った。一人の人の真実を明かしたら、新たな秘密が糸を引き、入り組んだ村の人々の秘密は2ヶ月間視聴者の推理欲を刺激した。ごく普通に過ぎると思っていたシーンさえも重要な伏線になるなど、ストーリーの構造全体が練りこまれていたためだった。緻密な構成でどんでん返しが続いてもおかしくなかった「アチアラの秘密」。ミステリースリラーの歴史を塗り替えた瞬間だった。

ミステリーの真っ只中で重心を取り、姉のヘジンの過去を知っていくほど繊細になっていく感情を正確にキャッチして優れた演技力を見せたムン・グニョンと、明るくハツラツとしたエネルギーを噴出しながらも捜査をする瞬間だけは誰よりも真剣になり、俳優としての存在感を固めたBTOBのソンジェ。彼らだけではなく、「アチアラの秘密」のすべての俳優たちは視聴者が事件そのものに集中できるようにそれぞれのキャラクターを正確に把握し、完璧な演技でドラマにはまり込ませた。「演技ができない俳優、断片台本(撮影直前で渡される、そのときに撮るシーンの台本)、恋愛はない」というイ・ヨンソクプロデューサーの言う通りだった。

ベンイおばさん(チョン・エリ)は娘のジスクに、後ろ指さされることのない平和な人生を受け継がせるために孫のヘジンを違法で里子に出した。しかし、ジスクが産んだもう一人の被害者であるヘジンは難病のためアチアラに戻ってきて、村の平和は壊された。そして、すべての元凶であるナム氏(キム・スヒョン)は時効が過ぎたという虚しい理由で法的な処罰を受けなかった。苦しんだのは被害者と彼らが産んだもう一人の被害者だけだった。それこそ残酷なほど後味の悪い結末だったが、韓国社会の今を物語る現実的な結末で、残酷な犯罪と被害者、それを黙認する人々について考えさせられる時間を与えてくれた。

記者 : パク・ジニョン