「彼女はキレイだった」がファン・ジョンウムに残したもの

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写真=C-JeSエンターテインメント

MBC「彼女はキレイだった」のヒロイン、ファン・ジョンウム“演技大賞?まだ早い”

ファン・ジョンウムはMBC 「彼女はキレイだった」で2回のどんでん返しを見せてくれた。

まずは、視聴率だ。初回4.8%(ニールセン・コリア、以下全国基準)だった視聴率は後に18.0%まで跳ね上がった(第13話)。同時間帯最下位の視聴率でスタートした「彼女はキレイだった」は、同時間帯1位で放送を終了した。

その次は、女優としてもどんでん返しだ。2002年、歌手としてデビューした彼女が2005年女優に転向したとき、ファン・ジョンウム自身の告白通り演技力を指摘する声が多かった。「ロボット演技だ」と酷評されたこともある。MBC「明日に向かってハイキック」(2009)でスターダムに駆け上がった後、MBC「私の心が聞こえる?」(2011)「ゴールデンタイム」(2012)、KBS 2TV「秘密」(2013)などで好評を得たが、一人で遂げた成果とは言えなかった。

しかし「彼女はキレイだった」では話が違う。4人の主役をリードする一番上の先輩としてドラマを引っ張っていくことに成功した。“信頼して見られるファン・ジョンウム”とも呼ばれるようになった。下半期には「キルミー・ヒールミー」で一緒に活躍した俳優チソンと今年の演技大賞をめぐって競うことになるだろうという推測も出ている。

最近ソウル中(チュン)区獎忠洞(チャンチュンドン)で会ったファン・ジョンウムは、それを否定した。彼女は「(今回演技大賞を受賞するなら)あまりにも早いと思って期待しないようにしている」とし「35歳になる前に(演技大賞を)受けるのが夢だが、今は32歳でまだ3年ほど残っている」と語った。

「信じて見られるファン・ジョンウム? そんな言葉も考えないようにしようとしています。そしたら逆にぎこちなく振舞うようになると思います。人ってうまくいくときも、うまくいかないときもあるでしょう。いつもと違うことはないと思います。でも、いつも心の中で考えていることはあります。『常にも発展しなければならない』ということです。人々はいつも新鮮なもの、新しいものを望むからです。同じ状態にとどまらず、頑張らなければならないと思います。それでいいんじゃないでしょうか」


キム・ヘジン、綺麗にさえ見えた

写真=BON FACTORY
ややもすれば「彼女はキレイだった」でファン・ジョンウムを見ることができなかったかも知れない。「キルミー・ヒールミー」以来休息を望んだ彼女は「彼女はキレイだった」からのオファーを断るつもりだった。しかし、所属事務所(C-JeSエンターテインメント)代表の強力な勧誘と「明日に向ってハイキック」で一緒に作業したチョ・ソンヒ脚本家との縁で考えを変えた。「明日に向かってハイキック」以来「私にできないことをうまくやってみたい」という気持ちでチャレンジすべき作品を探し回っていた彼女は「今回は一度軽いものをやってみるのもいいだろう。楽しく、面白く私にうまくできるものをやってみるタイミングになったと思った」と話した。

一度決心したらくるくるパーマにそばかす、赤ら顔などで不細工になったキム・ヘジンの外見もそれほど問題にならなかった。「視聴者がこの姿を見てもチャンネルを回さないようにしなければならない」という課題ができたが、「一応決心したら他のものは考えず、私がやるべきことを一生懸命にする」という考えで「やらせたからやった」。ファン・ジョンウムは「(チョン・デユン)監督さんは序盤には自信がなくて気後れしたような姿も希望されたが、キム・ヘジンが魅力的に見えるようにするためにはそれは避けなければならないと思った」とし「それで第1話を見ていたら、逆にキム・ヘジンが綺麗に見えた」と話した。

序盤の不振も、途中で錯綜した恋愛模様もあまり気にしなかった。ファン・ジョンウムは「脚本家さんと監督さんを信頼していたので途中で視聴率が上がると信じていた」とし「いつも私が出演する作品は何があってもうまくいくと思って視聴率にこだわらない方だ。脚本家さんは初回の視聴率を見ておいおい泣かれたとしましたが、私は視聴者たちの反応が良くて『うまくいくだろう』と思った」と話した。

「私はもともとあれこれ気を遣う時間に私がやるべきことだけ一生懸命にしようとする主義です。結末がどうなろうが内容がどうなろうがそれは脚本家さんがすべきことで、監督さんはまた監督さんの仕事があると思います。例えば多くの方が結末が気になるとおっしゃいますが、私はそうではありません。(台本が)出たら「出た?」と言ってそのエンディングに沿って一生懸命にするだけで「これって何だ」とは言いません。そんなことをすれば(俳優が意見を出せば)とんでもない方向に流れるかも知れないと思って言わないようにしています」


「彼女はキレイだった」がファン・ジョンウムに残したもの

そうした点で「彼女はキレイだった」はファン・ジョンウムと相性がよく合う作品だった。ファン・ジョンウムが評価した「彼女はキレイだった」は出演者たちをはじめ、スタッフの皆がそれぞれしっかりと役割を果たし、ベストを尽くしたドラマだ。

「キルミー・ヒールミー」以来2回目に会った俳優パク・ソジュン(チ・ソンジュン役)は共演の楽しさをもう一度感じさせた相手役で、コミカルなシーンの演出で注目を浴びたSUPER JUNIORのシウォン(キム・シニョク役)とは顔を見るだけで笑ってしまうほど相性がよかった。この相性のおかげで前に倒れたキム・ヘジンがガムを見て自身の前歯が抜けたと勘違いするシーン(第1話)やキム・シニョクが韓国から離れる前、キム・ヘジンに会って「たくあんを見るたびに僕を思い出してくれ」と言うシーン(第15話)など、ファン・ジョンウムが挙げる名シーンが誕生することができた。

「今回のドラマで得たものが本当に多いです。演技の面白さをもう一度感じたし、大変で死にそうでもドラマをしなければならない理由ができました。(視聴者から)愛されましたし。全てをもう一度もらったような気がします。また、キム・ヘジンからもたくさんのことを学びました。人の顔だけが重要ではないということ、目に見えないものなど、重要なことが本当に多いと思いました」

「彼女はキレイだった」で自身は世の中で脇役に過ぎないと思っていたキム・ヘジンは結末で希望を失わず、夢を追うと小さな奇跡が起きることもあるということに気付く。ファン・ジョンウムもキム・ヘジンを通じて希望の力をもう一度感じた。これもまた彼女が「彼女はキレイだった」を通じて得たものの一つだ。

「まだ演技がうまくいけば自信もつくし、自分が重要な人のような感じがするが、よくできなければバカみたい」と言ったファン・ジョンウムは「だが、それを乗り越えていくことも結局本人だと思う。私もロボット演技をしていたときから今まで経験していることだ」と打ち明けた。また「ファン・ジョンウムという人が発展するにあたって最も大きく貢献したドラマ」と強調した彼女は「これから欲もほどほどにして、夢は正確に持つが、今を楽しみながら牛のように働く考えだ」と強調した。

記者 : イ・ミナ