放送終了「ラスト」最後まで緊迫したストーリー&迫真の演技力…視聴率以上の結果を残した名品ドラマ

OSEN |

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=JTBC「ラスト」放送画面キャプチャー
第1話からまるでノワール映画を観ているようなスタイリッシュな映像美、そして目が話せないスピーディな展開で視聴者の心を奪ったJTBC金土ドラマ「ラスト」が韓国で放送を終了した。最終話まで緊迫したストーリーや迫真の演技力で、視聴者の期待を満たしてくれたドラマは久しぶりだった。

12日に放送された「ラスト」最終話では、チャン・テホ(ユン・ゲサン)が自分をどん底に落としたナンバーワンクァク・フンサム(イ・ボムス)への最後の復讐に成功し、新しい人生を歩み始めた。クァク・フンサムが本腰を入れていた未来都市プロジェクトは白紙になったが、彼はもう一度逆転勝ちを狙い、半分になったハンジュン建設の株を買い占めようとした。しかし。チャン・テホは彼の作戦に従わなかった。作戦当日、緻密な計画を立ててチャン・テホはクァク・フンサムの全てを倒した。それに激怒したクァク・フンサムは、チャン・テホを誘い出すために、シン・ナラ(ソ・イェジ)を拉致した。シン・ナラを助けるためにチャン・テホはクァク・フンサムの前に姿を表し、2人は最後の決闘を行った。強い雨が降る中で、一歩も引かない決闘は結局、警察の発砲の警告にもかかわらず、チャン・テホに向かってナイフを刺そうとしたクァク・フンサムが銃に撃たれ、息を引き取ることで終了した。クァク・フンサムがいなくなったソウル駅で、ホームレスたちはそれぞれの人生を歩んでいき、チャン・テホは罪の償いを果たして出所して、シン・ナラと再会し、新しい人生を歩むことになった。

ウェブ漫画を原作としたドラマ「ラスト」は、原作のカラーを保ちながらも、新しいキャラクターや事件を設定し、ストーリーをより豊かに仕上げた。しかし、弱肉強食の地下経済で100億ウォン(約10億円)をめぐる男たちの激しい序列競争を描いたアクションノワールドラマだったためか、視聴率の面では満足の行く結果を得ることができなかった。にも関わらず、ユン・ゲサン、イ・ボムス、パウ・ウォンサン、パク・イェジン、ソ・イェジ、コン・ヒョンジンなどの俳優たちは、しっかりした演技力でドラマへの没入度を高め、メリハリのあるストーリーとともに熱いファンを生み出した。

“半事前制作ドラマ”というメリットを抱えてスタートした「ラスト」は、アクションシーンで輝いた。韓国ドラマとしては初めて最多の物量が投入され、最長時間のアクションシーンを誇っている“ペントハウス襲撃事件”は、ダイナミックでリアルなアクションで爆発的な反応を呼び起こした。さらにリュ・ジョング(パク・ウォンサン)の死で終わったクァク・フンサムとリュ・ジョングのパーティー、そしてチャン・テホとクァク・フンサムの最後の決闘まで、「ラスト」は華麗なアクション技法ではない、現実よりもリアルなありのままのクオリティの高いアクションシーンでカタルシス(解放感)を与えた。さらに地下世界に存在する多様な人間像を通じて、私たちの人生を振り返らせてくれた。この全てを可能にしたのはドラマ「追跡者 THE CHASER」「黄金の帝国」などを演出したチョ・ナムグク監督の演出力や「犬とオオカミの時間」「ロードナンバーワン」「誘惑」「Dr.JIN」などを書いた脚本家ハン・ジフンの力のハーモニーだった。「ラスト」を通じて新しく生まれた名コンビは完璧な調和を成し、ノワールの特徴を上手く生かしたと評価されている。

視聴率とは別に「無情都市」に続き、また新たな熱いファンを生み出し、完成度の高いJTBCならではのノワールドラマの脈を継いだ「ラスト」。しっかりとしたドラマの内容や映画のような映像美、キャラクターになりきった俳優たちの演技力、重くて線の太いアクションなどにより、「ラスト」は韓国型オリジナル・アクション・ノワールドラマに一線を画した。

記者 : パク・コンニム