ホン・スアが打ち明けた美容整形手術、スランプ、そして中国での活動

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写真=ウェルメイドショー21
2004年、MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ノンストップ5」でデビューしたホン・スアはどこに走るか分からない率直な魅力で人気を博した。その後、様々なバラエティ番組でユニークなイメージを培い、その名を知らせたが、それがいざ本人にとっては悩みが続く原因となった。10年以上女優として演技をしてきたが、これといった代表作もないまま足踏みをしている中、演技へ渇きはどんどん大きくなった。ホン・スアが中国市場に目を向けた理由でもある。

中国映画「怨霊」(監督:佟亦堅)で久しぶりに韓国の観客のもとを訪れたホン・スア。「怨霊」は不吉な気運が漂うサービスエリアに集まった7人の男女が経験するミステリアスな事件と死を描くホラー映画である。中国での公開当時、予約率1位を記録し話題となった。韓国では8月12日に公開された。

ホン・スアは今回の作品で疑問の死を究明していく雪蓮役を演じた。どんでん返しのキーを握っている人物ならではの内面の演技が重要だった。韓国の作品では披露できなかった演技への渇きを解消できる重要なチャンスであった。撮影当時は中国での認知度が高くなかったため、アウェー感を感じたりもした。新人の心構えに戻ったホン・スアは歯を食いしばり、寂しさに耐えた。

ホン・スアは「怨霊」を土台に中国ドラマ「温州ニ家族」「億万継承人」に連続してキャスティングされ、中国での存在感を高めた。中国ではファン・ビンビン(范冰冰)のそっくりさんと呼ばれたりもするという。

「韓国で叶え切れなかった夢を中国で叶えた」と話したホン・スアは「もし韓国の作品で演技への情熱を見せられる機会があったなら韓国での活動を続けただろう」と伝え、目頭を赤くした。美容整形手術、バラエティ番組でのイメージなど様々な偏見があり、辛かった時期に自身を支えてくれたのは演技への情熱であったという。

中国での活動が勢いに乗ると、韓国の作品からもラブコールが続いているという。最近スリラー映画「メリス」(監督:キム・ヨンウン)で第19回富川国際ファンタスティック映画祭(BiFan)を訪れ、現在は映画「捕卒」(監督:キム・ホンソン)の撮影に励んでいる。長いスランプを乗り越え、再び背伸びを始めたホン・スアの今後が楽しみだ。

以下はホン・スアとの一問一答である。

―映画にはどのように参加することになったか。

ホン・スア:中国のエージェンシーから、「大王の夢」を見たと連絡があった。「怨霊」のキャラクターが悲しくて清純なキャラクターなので、「大王の夢」で見せたイメージとよく合っていると思ったようだ。

―中国語での演技が難しくはなかったか。

ホン・スア:中国語の勉強は今もやっている。1年半くらい続けてきた。

―直接中国語で演じたのに、吹き替えになって残念ではないか。

ホン・スア:それが中国システムの特徴である。俳優たちのイメージと似合う声優さんが吹き替えで声を乗せる。

―「怨霊」はホラー映画だが、感情の演技が重要な作品であった。

ホン・スア:そうだ。母も試写会で見てとても泣いたみたいだ。私が演じたキャラクターが謎めいていて悲しい感情を持っている人物ではないか。心の傷が多い人物だったし、内面の演技ができて良かった。演技的なスペクトラムを広げられる機会であった。

―中国の撮影現場でとても苦労があったと思う。どちらかと言うと環境やシステムが韓国とは違うのではないか。

ホン・スア:最初は気苦労が多かった。まず、料理が合わなくて俳優のために出た弁当はほぼ食べられなかった。さらに見慣れない風景で寂しかった。暖房もあまりきいていなくて、洋服を5着くらい重ねて着て寝た。それでも大変と言えなかったのは、中国では新人のようなものだったから。

―外国の俳優に対する偏見や差別はなかったか。

ホン・スア:「怨霊」のスタッフの一人が「中国では誰も君のことは知らない。君だけが大変なわけではない」と話した。その通りだった。「怨霊」に出演していた当時は、中国で私について知っている人はいなかった。本当にたくさん泣いたけど、ハングリー精神で歯を食いしばって耐えた。

―その瞬間を凌げるようにした原動力があるなら。

ホン・スア:韓国の女優として中国できちんと認められたかったし、結局「ホン・スア、演技上手い」という言葉を聞いた。「怨霊」のVIP試写会の舞台挨拶ですごくたくさん泣いた。「怨霊」の撮影現場や制作報告会では私一人だけが韓国人で感じる寂しさがあったので。中国で撮影した作品を韓国に持ってきて、韓国の方々に紹介していたらそれまで寂しかった思いが一気に込み上げて涙が出てしまった。どこかで慰められたいという気持ちがあったようだ。

―意志の強い面があるようだ。

ホン・スア:ハングリー精神がある。何でもきちんとこなしたいと思う性格だ。“ホンドロ(ホン・スア+ペドロ・マルティネス)”というニックネームが付いてしまった始球式も、きちんと投げようと思ってそうなったのだ。

―中国での活動を決めたきっかけは何か。

ホン・スア:中国側がKBS 1TV「大王の夢」を印象深く見てくれたようでラブコールがあった。もし韓国のほうからラブコールがあったなら韓国の作品に出演しただろう。演技への渇きが大きかった。10年以上女優として活動してきたのに、代表作が一本もなく、バラエティ番組でのイメージに関する残念さもあった。演技がすごくしたいのに、なかなか機会がなかった。韓国で叶え切れなかった夢を中国で叶えたとも言える。

―スランプを中国での活動をきっかけに克服したと言える。

ホン・スア:そうだ。幼い頃はバラエティ番組にもたくさん出演し、シットコムにも出演したが、機会に恵まれなかった。監督たちはバラエティ番組での私のイメージを好んでいなかった。中国では今の私のイメージだけを見てキャスティングしたので偏見がなかった。韓国ではできなかった主演も演じ、演技への渇きも解消できた。中国での活動でお金を稼ぎたいのかと? 全くそんなことはない。正直、出演料が高くもない。演技への渇きを解消したいのが中国での活動の最も大きな目的であった。

―中国で短期間で成功できた秘訣は何だと思うか。

ホン・スア:どちらかと言うとファン・ビンビンに似ているとよく言われた。ファン・ビンビンよりもう少し清純なイメージで見てくれる感じだ。

―演技への渇きが大きいみたいが、人々には美容整形手術のイメージが強い。それが残念だったり、寂しかったりはしないか。

ホン・スア:私から見ても私は綺麗になった(笑) それに戸惑う必要なないと思う。すべての人に私を好きになってもらうことはできない。「私を好きになってください」と強請りたくはない。

―辛い度に、悩みの相談は誰にしているか。

ホン・スア:女優ホ・イジェさん。親友だ。ソ・イニョン姉さんとも仲がいい。私とホ・イジェさん、イニョン姉さんはみんな正直で気さくで何かを根に持つようなタイプではない。

―今年で30歳になった。20代を振り返るとどんな気分か。

ホン・スア:人生をもっと楽しむべきだったと後悔している。意外と保守的な部分があって、お酒もあまり飲まなかった。良い子だったので、所属事務所から言われる通りに恋愛もあまりしなかった。

―最後の恋愛はいつだったか。

ホン・スア:2年前だ。中国での活動を始めてから、心を中国に置くべきか分からなかった。今は仕事が一番重要なのが事実だ。今撮っている映画「捕卒」もスケジュールが毎日入っている。私と付き合う人は大変だと思う(笑) まだ恋愛は贅沢であるように感じる。

記者 : キム・スジョン