「K-POPスター」パク・ソンフンPD“韓国には歌が上手い人があまりにも多い”

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写真=TVレポート DB
“もう終わった”と言われていたオーディション番組が4年も人気を博している。その主人公は、「K-POPスター」だ。これ以上特別なことも、驚くこともないと思う度に特別ではなくても明るく輝く、驚くほどの実力ではなくても驚き以上の感動を届ける“歌う宝石”で視聴者を虜にしている。

「K-POPスター」は単に“歌の上手い人”を探す番組ではない。新しいシーズンを始める度に最初の会議で悩むという「韓国でオーディション番組が必要な理由、韓国に歌が必要な理由」。数学の問題のような正解はないが、少なくとも「K-POPスター」が今まで誕生させたK-POPスターたちが、そして毎回視聴者の心を掴んできた参加者たちの歌がこの質問の答えの代わりとなっている。

2011年から「K-POPスター」を演出してきたパク・ソンフンPD(プロデューサー)に出会い、「K-POPスター」に対するもう少し深く、もう少し緊密な話を聞いてみた。

以下はパク・ソンフンPDとの一問一答である。

ー4年間率いてきた「K-POPスター」だけの強み、あるいは他のオーディション番組との違いは。

パク・ソンフン:「歌が上手い」ということに対する基準や考えが、他の番組とは違うと思う。以前、パク・ジニョンさんが「『K-POPスター』はのど自慢大会ではない」と話したことがあるが、シーズン4まで来ながらさらに多くの人々がその言葉を理解できるようになったと思う。単に「高音が上手い」「発声が良い」の問題ではなく、参加者の歌がリスナーにどのように魅力的に近づいてくるかを考えるということ。「人を感動させる音楽」の本質に近い番組だ。

ー参加者の中でアルバムをリリースしたり、あるいは歌手としてデビューした人たちもいる。

パク・ソンフン:今のようにデジタルが発達している時代において、「アルバムを一度出したことがある」というのはものすごい履歴ではない。特に、事務所という形がない状態でアルバムを出した場合がほとんどであり、インディーズのミュージシャンとして活動した履歴があるということだ。「アルバムを何枚出したのか」「どんな経歴があるのか」は重要ではなく、参加後に番組の審査員たちと一緒に仕事ができるかというのが重要である。所属事務所がなく、現在他の事務所に所属していない状態なら参加できる。

ーこれまでのシーズンにあった参加者たちの人格に関する問題が今回のシーズンではあまり議論にならなかった。

パク・ソンフン:倫理的に、参加者たちの裏を調べることはできず、してはいけない。法的な問題を起こしたことがある人には参加してもらえないかもしれないが、少しのミスに対してはどの辺まで許せるかどうか、線を引くようにはっきりと整理することはできない。参加そのものを原則的にはできないと言うよりは、夢を持っている人々とは最善を尽くして心を込めて一緒にやっていきたいというのが原則だ。視聴者の感情からは放送のレベルになると思う。放送を制作する人として、どのような人をどこまで出せるかということについては、今後慎重に論じるべき部分であると思う。誰も傷付かない線の選択が必要だ。いつも悩みながら制作している。

ー「サバイバルオーディション-K-POPスター」に他のサブタイトルを付けるなら。

パク・ソンフン:もはやサバイバルは重要ではないと思う。素敵な参加者に出会って感じていることであり、新しく悩まないといけない。今回はどんな人たちがどんな感動を与えるのか分からないので、答えが違ってくると思う。

ーまだ原石が残っていると思うか。

パク・ソンフン:もっといると確信している。予選から「この子は落ちる」と思っていた子がTOP10入りを果たしたりするし、TOP10レベルと競争しても誰が勝つか予測できないほど上手いと思った子たちが予選で落ちたりもする。どんな現場で、どんな状況だったのかによって運命が分かれるので、次のシーズンでもまた新しい参加者を見つけることができるだろう。また、「歌が上手い」というのは歌唱力一つや技術的な部分の問題だけではないと思う。誰がどんな感動を与えてくれるのかは誰も予想できない。ここ、韓国には歌が上手い人があまりにも多い。

ー「K-POPスター」が視聴者を虜にしている力とは。

パク・ソンフン:毎シーズンの準備会議をする時に、前年に適用していたルールについて議論する。毎回、ルールを変えるべきか悩むが、いつも結論は「ルールを変えることが重要ではない」ということだ。結局はどんな人がどんな音楽を聞かせるのか、どんな音楽で物語を届けるのかというのが視聴者を虜にすると思う。物語が重要であり、ルールが重要ではないというのをシーズンごとに実感している。毎回同じルールを適用して審査するが、シーズンごとに違う印象を視聴者に与えているのは、違う人が違う音楽を届けているからだと思う。

記者 : チョ・ヘリョン