10CM「初の日本語曲…周りがどんな感じで受け入れてくれるのかすごく心配した」

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韓国の音楽シーンを力強くリードしているアコースティック10CM。昨年12月に1年3ヶ月ぶりとなる日本盤オリジナル・アルバム「10CMです。」をリリースした。
3月14(土)、3月15日(日) には、リリースを記念してスペシャルファンミーティングと単独ライブを開催。自身初めてとなるファンミーティング、そして日本で初めてレコ発ライブとして行った単独ライブについて、聞いた。

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―今回、ファンミーティングと単独ライブを終えて、いかがですか?

クォン・ジョンヨル:ファンミーティングは韓国でもやったことがなく、生まれて初めての体験でした。そして、日本でゲストがいない単独ライブも初めてでしたので、まずは新鮮でワクワクする気持ちがありました。ライブは今まで日本でやったライブの中で一番盛り上がったんじゃないかな。アンコールも2回呼んでもらって、それもとても気持ちよかったですね。嬉しかったです。

―ライブのMCで話していた、以前韓国のライブでアンコールがなかったことがあるという話は本当ですか?

クォン・ジョンヨル:韓国でもみんな慣れたようにライブが終わったら“アンコール”って言うんですけど、その時は観客全員が言わなくてもアンコールするだろうってお互いに思っていたみたいで。本番のライブの雰囲気はとっても良かったのに、アンコールの声が何も出てこなくて、がっかりしましたね。

―アーティストとして寂しいですよね?

クォン・ジョンヨル:楽屋に戻って待っていたのに、何も声が聞こえてこなくて、自分たちからまたステージに上がって怒りました。「今、何してるんですか!?」って(笑)


「言葉も違う日本で一緒に歌ってもらえたことにすごい感動した」

―今回のライブは、これまでのライブ「オヌルパメ」に比べてロックな印象になりましたね。

ユン・チョルジョン:今回の会場の雰囲気もあったと思います。「オヌルパメ」の場合はキャンドルを置いたりして、落ち着いた雰囲気でやりましたが、今回はライブステージという感じでしたし、あと曲の順番もあったと思います。10CMは、テンポの速い曲、遅い曲、いろんなジャンルの曲を持っていますが、ライブで速い曲、スロウな曲、速い曲……ってバラバラにやってしまうと、僕たちも見ているお客さんも気持ちが上がったり落ちたりとしてしまうので、今回は敢えて後半に激しい曲をまとめて、どんどん盛り上がっていくようにしました。その結果、よりロックな印象になったんじゃないかと思います。

―「アナジョヨ」では観客と声を合わせ、コール&レスポンスも大盛り上がりでした。

クォン・ジョンヨル:韓国ではもう当たり前のように観客から反応が戻ってくるんですけど、日本は僕たちにとっては外国ですし、言葉も違います。今回、初めてのことだったので、正直心の中では“何も反応がなかったらどうしよう”という感じで心配していたんですけど、全然そんなこともなく、客席からいきなりレスポンスが返ってきて、一緒に歌ってもらえたので、本当に嬉しかったですね。

ユン・チョルジョン:海外で、言葉もこんなに違う所で、客席からそういう反応をもらえたことにすごい感動しました。本当に特別な感情を受けました。

―日本でのライブでは、今回初めてゲストのいないライブを行いましたが、どうでしたか?

クォン・ジョンヨル:ゲストを迎えてやる場合にはもちろんゲストの特徴も出ますし、ゲストを尊重した流れでライブをしなければならないですけど、単独ライブの場合はもう自分たちのやりたい放題で、自分たちのスタイルも思い切って出せるので、そういう意味ではすごいリラックスした気持ちでやることができました。

ユン・チョルジョン:日本でライブの回数を重ねて、その度にお客さんの数も増えているので、前回よりも多い観客の前で歌わなきゃいけないという意味でプレッシャーとか緊張感はありました。でも、実際にやってるうちに観客からの反応もどんどん強くなるのを感じて、日本も韓国も関係ないと思って、だんだんリラックスして自分たちまるごとの10CMをお見せすることができたんじゃないかなと思います。

―ファンミーティングは初めてだったと思いますが、どうでしたか? 満足できましたか?

クォン・ジョンヨル:そうですね、今回はまず初めてのことだったので、当然満足しています。次回またファンミーティングをやる場合に、やりたいことのアイデアがどんどん浮かんでいるところです。そのアイデアを加えて、また次のファンミーティングをしたいと思います。

―今回のファンミーティング開催はおふたりのアイデアですか?

クォン・ジョンヨル&ユン・チョルジョン:いいえ(笑) 最初は違いましたが、アイデアは自分たちで出していきました。

クォン・ジョンヨル:僕たちがファンに質問をするコーナーがあったんですが、元々は「何を質問してもいい」ということしか決まっていなかったんです。それで、ファンの一人にステージに上がってもらって、僕たちの好きな曲を聞いて、そしてそのファンの方に向かって歌おうというアイデアを出しました。

―今回の来日で初めてのことをたくさん経験したと話していましたが、ファンミーティングと単独ライブ以外で何か新たな経験はありましたか?

ユン・チョルジョン:僕1つあります。来日した初日にカフェで取材を受けていたんですが、カフェが禁煙だったので、関係者に教えてもらった場所でたばこを吸っていたんです。けれど、そこが実はタバコを吸っちゃいけないところだったみたいで、いきなりおじいさんが来て怒られたんです。しかもそれが大阪弁で言われたみたいで、かなり衝撃を受けました(苦笑) 「警察行きたいの!?」って言われて、それはかなり衝撃的な初体験でした。

クォン・ジョンヨル:韓国では今年の1月1日からカフェで全面的にタバコを吸えなくなって、たばこを吸える場所がなくなってすごく辛くなっているところなんです。音楽を作る時もカフェでアイデアを出したりとか、作業をすることが多いんですけど、これからどうしようって思っていて。今回、日本に来て夜中にスタッフとファミリーレストランに行ってタバコを吸いながらコーヒー飲んだり、雑談したりして、すごい楽しかったんです。深夜までそうやって過ごすことができて嬉しくて。それで日本で住もうかなって思ったぐらいです(笑)


「もちろんまた日本語で歌ってみたい…もうアイデアはある」

―今回リリースしたシングル「さよなら(クリウォラ」で初めて日本語歌唱に挑戦しましたが、その他に歌う予定はありますか? 日本語で歌ってほしい曲をファンに直接聞いてしまうのはどうでしょうか?

クォン・ジョンヨル:うん、面白いと思います。現地の方の考えと自分たちの考えが必ずしも一致するとは限らないと思うので、アイデアを聞けたら、とても参考になると思います。いろいろ意見を聞いて方向性を決めるのは面白いですよね。

―では、日本のファンがきっと日本語で聞きたいんじゃないかなと思う曲はありますか?

クォン・ジョンヨル:僕は「今夜が暗闇が怖いよ」じゃないかなと想像しています。この曲は音楽がやりたい目的が込められている曲なので、それを日本語で伝えられるといいんじゃないかなと思いました。

ユン・チョルジョン:「アナジョヨ」ですね。メロディがストレートで、日本語とも合うんじゃないかなと以前から思っていました。

―「アナジョヨ」は、ライブでもサビで観客と歌って盛り上がっていた印象的な楽曲ですが、サビの部分はどうなるんでしょう。

クォン・ジョンヨル:「アナジョヨ」は日本語で「抱きしめて」という意味ですが、文字数が合わないですね(笑)「アナジョヨ」だと4文字ですが、「抱きしめて」は5文字になってしまうので(笑)

ユン・チョルジョン:抱・き・し・めて~(笑)

クォン・ジョンヨル:(笑) 曲に合うタイトルを別でつけたり、アイデアを皆さんに募集したりするのもいいですよね。

―日本語で歌ってみて、本当に難しくて苦労したと聞きましたが、また日本語で歌いたいですか?

クォン・ジョンヨル:もちろんまた歌ってみたいです。今回飲み会の時に(来日中に) たまたま次の曲は何にしようかという話があったんですが、新しい曲で実はもうアイデアは頭の中にあるんです。前回は「さよなら」という言葉がたまたま頭に浮かんで、それを元に「さよなら ららららららら~」というフレーズができて、「さよなら(クリウォラ)」という曲が生まれたんですが、実は「さよなら(クリウォラ)」のベースになる歌詞に最初“抱きしめて”とか“チューして”とかそういう言葉があったんです。それを活かして、次の曲につなげようかなってアイデアが出ました。それで「抱きしめて」と「チューして」どっちがいいかスタッフで投票したら「チューして」がいいって話になったので、それを元にアイデアを浮かべています。今はそれに「ALL ABOUT YOU」というフレーズと「チュー」が浮かんでいて、これからそれを膨らまして、肉付けしていこうかなと思っています。

―明るい曲になりそうですね?

クォン・ジョンヨル:それはまだ分からないですね。「THINK ABOUT YOU チューチューチュー」もいいね(笑)

―こうやってアイデアが生まれるんですね。

クォン・ジョンヨル:(笑)

ユン・チョルジョン:怖い曲になるかもしれない(笑)


「初の日本語曲…周りがどんな感じで受け入れてくれるのか心配した」

―かわいい曲を希望しておきますね(笑) 日本1stアルバムでは、逆に日本のアーティストの大橋トリオさんが韓国語で「Fine Thank You And You?」を歌いましたが、どうでしたか?

クォン・ジョンヨル:最初は正直に言うと、日本のアーティストの方が韓国語で、しかも自分たちの曲を歌うと聞いて、ハングルを勉強した方でもないのに、面白いなとかかわいいなとか思ったんです。けど、今回僕が「さよなら(クリウォラ)」でまさに逆の体験をしたので、これからは面白いとかかわいいとかって思っていられる立場ではないな……と。周りがどんな感じで受け入れてくれるのかとか、すごい心配しました。

―では、次はこの人とやりたいという希望はありますか?

クォン・ジョンヨル:この質問には以前から同じことを答え続けているんですが、BONNIE PINKさんですね。BONNIE PINKさんとエロい曲をコラボしてみたいです。

ユン・チョルジョン:僕もBONNIE PINKさんですね。

―日本のアーティストをゲストに迎えて行うライブ「オヌルパメ」も2回開催して、次回3回目に期待が高まっていますが、ゲストやどんなライブにしたいなど考えていることはありますか?

クォン・ジョンヨル:1回目はU-zhaanさん、2回目は矢野まきさんをゲストに行いましたが、実際に2回やって、ゲストはやはり女性の方に来ていただけるのが嬉しいなと思いました(笑)

ユン・チョルジョン:今回のファンミーティングで「次はどういうライブをやりたいですか?」という質問があって、お客さん全員に浴衣を着てもらってライブをやりたいという話をして、じゃあ場所は温泉ですねという話があったんです(笑) 希望だけで言うと、温泉で浴衣で盛り上がるライブができたら面白いかもと思っています。

―日本で、日比谷野外音楽堂という有名な野外ステージがあるんですが、夏の夜にそこでお酒でも飲みながら聞きたいです。

ユン・チョルジョン:いいですね。僕たちも一緒に飲んで、そしてタバコも吸えたらもっと最高!(笑)

―ライブでも「タバコ大好き!」と叫んでいましたよね。かなり印象的でした(笑)

クォン・ジョンヨル:本当は「I LOVE マイルドセブン!」って叫ぼうかと思ったんですが、それはさすがにやめました(笑)

―本当にタバコ大好きですね。タバコを吸っていて、よくその美声が出ますね(笑)

クォン・ジョンヨル:たばこを吸ってたから、この声が出たんじゃないかなという気がしています(笑)

【10CMリリース情報】
● シングル「さよなら(クリウォラ)」好評発売中
取扱い:タワーレコードおよびTOWERmini 全店、タワーレコードオンライン
レコチョク、iTunes Store他配信
発売元:KJ-MUSIC 販売元:タワーレコード渋谷店
<収録曲> 1. さよなら(クリウォラ) 日本語歌唱 2. クリウォラ(懐かしいわ) 韓国語歌唱

● 最新アルバム「10CM です。」
タワーレコード渋谷店他、オンラインショップ、TOWERRECORDS ON LINEで絶賛発売中
レコチョク、iTunes Store他配信

10CM公式サイト:http://www.10cm-kjmusic.com/

記者 : Kstyle編集部、撮影 : 朝岡英輔