「私はチャン・ボリ!」キム・ジフン“視聴率公約、EXOの「Growl」を本当に踊ることになるとは思いませんでした”

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写真=チョ・ソンジン記者
「こんなにハンサムなヘタレを見たことありますか?」

MBC週末ドラマ「私はチャン・ボリ!」の主人公イ・ジェファ役のキム・ジフンに、ドラマの余韻がまだ消えていない日に会った。ドラマは終わったが、まだスケジュールはタイトだというキム・ジフンは風邪のためか、少し疲れているように見えた。しかし、表情だけは明るかった。

2002年、「ラビング・ユー」でデビューして以来、もっとも熱い関心を受けているためだ。キム・ジフンは「どこに行っても“ボリボリ”“チクレギ(ヘタレ)”だと分かってくれます。お母様たちが一番喜んでくれますね。子どもたちもお母様たちと同じようにドラマが好きだったようです。小学生5人が集まるところに行くと、アイドル扱いされました(笑) あえて申し上げますが、『私はチャン・ボリ!』は国民ドラマだったと思います」と幸せそうな笑みを浮かべた。

キム・ジフンが作り上げた愉快な検事イ・ジェファ

キム・ジフンがドラマで演じたイ・ジェファは一見、遊び人の検事で何も考えていないように見えるが、実は母に関する心の傷を抱えている人物だ。たった一人の女性ウンビ/ボリ(オ・ヨンソ)だけを愛した純情派の男でもある。

キム・ジフンは「私はチャン・ボリ!」の前作であるSBS「結婚の女神」でカリスマ性溢れる検事を演じた。これについて「私はチャン・ボリ!」でも検事役を演じることが楽ではなかったかと聞くと、彼は前半は“また検事?”と思い少し戸惑ったが、シノプシスを見て気持ちが変わったと明かした。

「職業は同じですが、性格は正反対でした。それでオファーを受けることになりました。以前も検事でしたが、新しい姿を見せられると思いました。そのとき、正直この作品以外のオファーもありました。『私はチャン・ボリ!』を選択してよかったと思います。もし選択を誤ったらこの時期、どれだけ後悔していたことでしょう。自分の考えで選びましたが、いい結果につながって感謝しています」

キム・ジフンは「私はチャン・ボリ!」で大幅なイメージチェンジをした。裕福な家の正しいエリートを演じていた彼は、自身の荷をおろした。コミカルなメイクも躊躇しなかった。激しいケンカの中で明るく、ユーモラスなキャラクターを演じた彼は“笑い”を担当した。「私はチャン・ボリ!」が多彩なドラマになることに決定的な役割をしたのだ。

「脚本家がコミカルな部分をたくさん書いてくれる方です。最終回でボリが双子を妊娠してから空咳をする部分もそうです。私のアドリブが多くもありました。元々コメディーが好きですが上手にやりたいし、『ギャグコンサート』のお笑いタレントが演技をするのも注意深く見る方でした。それで、僕も上手に出来ると思っていましたが、この作品を通して人々に伝えることが出来たと思い、意味があったと思います。今までの、僕が典型的な役しかできないという考え方を変えられる作品になったようです」

キム・ジフンはドラマで視聴率公約を履行し、話題を集めた。これに先立ち制作発表会で「視聴率が30%を超えたら、EXOの『Growl』ダンスを踊る」と話したキム・ジフン。視聴率が30%を越え、ドラマが人気を得て彼は公約を履行しなければならなかった。そのとき、キム・スンオク脚本家はセンスを発揮し、キム・ジフンが劇中で「Growl」ダンスでボリに告白させ、視聴率公約を履行できるよう助力した。

「本当に『Growl』を踊ることになるとは思いませんでした。以前『ハッピートゥゲザー』に出て、『Growl』を踊ったことがありました。急に『Growl』の話が出たので。それをモニタリングしてびっくりしました。僕の身体はこんなにキレがなく、品がなさそうに見えるのかと思いました。そして、脚本家の助けでいきなり公約を履行することになったのでしっかり学びました。僕の親しい友達が『Growl』の振り付けをした人です。その友達に2週間ぐらいかけて余裕を持って学びました。原作者に学んだので、ちゃんと学べました。それが結構難しかったですが、面白かったです」


「私はチャン・ボリ!」の心残りと満足

しかし、心残りもあった。「私はチャン・ボリ!」前半の人気を牽引したのは確かに“チクレギ”ことイ・ジェファと“ボリボリ”ことチャン・ボリ(オ・ヨンソ)だった。しかし、ヨン・ミンジョン(イ・ユリ)の悪行が続き、ムン・ジサン(ソン・ヒョク)が復讐をし、彼らの存在感は圧倒的に大きくなった。

「『私はチャン・ボリ!』は色々な面で満足できるドラマではありますが、やはり『主人公がヨン・ミンジョン、ムン・ジサンより助演化しているのではないか』という話を聞くときに心を痛めました。むしろ、人々は気を悪くしていないかと心配し、残念に思いますが、僕はドラマがたくさん愛されたことだけで満足しています。議論に心を痛めましたが、大きく傷ついたりはしなかったと思います」

キム・ジフンがもっとも残念だった部分は、キャラクターの面ではなかった。苦労して撮影したのに、放送に全て流れなかったことが心残りとなった。キム・ジフンが選んだ一番残念なシーンはヨン・ミンジョンとの対立シーンだ。適度な緊張感を与えるように演技をしたが、放送には流れなかったと説明した。

「台本通りに撮影をすると、1話当たり20~30分ずつ放送分量からオーバーするそうです。それで、追加説明のようなシーンがかなり端折られました。ジェファのキャラクターの味を生かせる部分が編集されました。僕が準備したものの50%程度しか見せられませんでした。上手なのかそうじゃないのかを離れて、イ・ジェファを見せるためにたくさん研究し、撮影しましたがたくさんカットされ、残念でした」

キム・ジフンはこのような心残りを「私はチャン・ボリ!」の放送終了打ち上げでキム・スンオク脚本家にすべて打ち明けたそうだ。そのため、今は心残りや寂しさが少しもない。「脚本家も申し訳なさそうにしていました。寂しかったところを話し、最終回を晴れやかな気持ちで見ることができました。一番合理的なエンディングだったのではないかと思います。適度に元気で明るい、希望があり勧善懲悪的な要素もあり、笑いのツボもしっかりしている結末でした。ジェファのキャラクターも最後は主人公でした」

「私はチャン・ボリ!」でイメージチェンジに成功したキム・ジフン。彼が選択する次の作品が早くも期待を集めている。キム・ジフンは次期作を検討しているとし、「作品選択においてどれだけ密度があり、構成がしっかりしているかが重要だと思います。ストーリーがしっかりしていると、重い役でも軽い役でも生き生きとするじゃないですか。やりたい役を選択するのは意味がないと思います。どんな演技でも出来る準備は出来ています」と説明を付け加えた。

俳優キム・ジフンは思ったより賢く、演技に対する欲のある俳優だった。10年以上の時間、着実に愛されたのは確かな理由があった。

「人々が期待しているものより、多くを見せられる俳優になりたいです。すでに見せたものを見せると無理はありません。しかし、成長する感じはないじゃないですか。成長する俳優になりたいです。それが人々に怠惰に見えない方法だと思います」

記者 : ソン・ヒョジョン