「偉大な誕生」から3年…チョ・ヒョンウがシャープになって戻ってきた

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写真=Apopエンターテインメント

デビューアルバム発売…「Someone I Know」で活動

2011年、MBC「スターオーディション 偉大な誕生」(以下「偉大な誕生」)で初めてチョ・ヒョンウを見た人なら、3年ぶりにデビューしたこの男の姿が見慣れないかもしれない。番組ではひたすら純粋で大人しく見えるイケメン大学生のようだったが、デビューアルバム「HIM」のイメージにはシャープな印象と冷たい眼差しが込められているためだ。

番組で見せた姿にも“人間チョ・ヒョンウ”が込められていたはずだが、彼が考えている自分はデビューアルバムのイメージのように“何だか鋭い面があり、冷たい感じもある”人だった。これまで不本意ながらかなり誤解されてきたため、完全に自身を見せることのできる今、この瞬間を待ってきた。長い間待った末に、完全な始まりにたどり着くまでに丸3年がかかった。

「焦りがなかったと言ったら嘘になるだろう。最初にオーディション番組を終えたときはすぐに関心が冷めてしまうのではないかと思い、焦りもあったけれど、ゆっくりと準備しながら考えてみたらそうでもなかった。学業にも欲があったし、(「偉大な誕生」当時、メンター(良き指導者)だった)、シン・スンフン先輩を見ながら時間をかけて本当に信頼できる素敵な方々にお会いしたいと思って時間を置いた。長い目で見ていきたかった」

写真=Apopエンターテインメント

最初と最後に自作曲を収録…レコーディング期間がかなり長かった

「いつデビューするのか」という質問は数え切れないほど聞いたが、チョ・ヒョンウは環境が整うまで待ち続けた。「よく遊んだ」わけだが、このような話を聞く度に辛くなかった理由として「自らが人生を放置したり無駄使いしていると思っていなかったためだ」と語った。曲を作って共に音楽をした同僚たちと録音した結果が、先行公開曲「Rain On Me」である。デビューを準備する間、チョ・ヒョンウは音楽的にやりたいことを少しずつやっていき、それはデビューアルバムにそのまま盛り込まれた。

「今回のアルバムは自作曲から始まり、自作曲で終わる。『花を咲かせる気持ちで』からCDでしか聴けない『同行』まで、全て僕が作った楽曲だ。タイトル曲『Someone I Know』は作曲家イ・ミンスと作詞家キム・イナが作ってくれた楽曲だ。長い間僕を見ているうちに何だか寂しくて冷たい面を見つけたようだ。そんな感じが溶け込まれていると思う。『Someone I Know』のフィーチャリングはキム・イェリムさんがした。たくさん悩んだが、特有の寂しい雰囲気を生かせる声としては最高だった」

チョ・ヒョンウのデビューアルバムには、この他にも新人作曲家イ・ソンミンと共にした「ある日ふと」、G.gorillaがプレゼントした「天国です」などが収録された。チョ・ヒョンウは「天国です」について「歌いにくい曲だったけれど、聴きながら『名曲だ』と思い、感謝した。個人的にはこの頃の音楽市場では見られない曲だと思う」と自負した。プロデュースを担当したイ・ミンスはチョ・ヒョンウのため“職人精神”を発揮した。チョ・ヒョンウは「録音期間が長かった。おかげで音楽観が深まった」と伝えた。

写真=Apopエンターテインメント

「音楽は僕の人生…時間が経っても続けていくつもりだ」

思春期の頃、イギリス留学に行ってそこの音楽をたくさん聴いた少年は、その後バンドを結成して活動を始めた。そんなふうに音楽は少年の人生に浸透し、彼は今、“歌手チョ・ヒョンウ”としてスタートラインに立った。28歳というデビューするには決して早くない年だが、彼は「究極に長生きするミュージシャンになりたい」とし「一つの特色を持って長く音楽を続ける人になりたい」と希望を明かした。チョ・ヒョンウの一番大きな関心事は「一生音楽を続けるためにはどうすればいいだろうか?」である。

「これからデビューするが、学業を諦めることも容易ではなくて両立した。音楽はずっと一緒に歩いて行くものだと思う。学校(延世大学)の同窓会でTHE CLASSICのキム・グァンジン先輩に会ってたくさんアドバイスしてもらった。音楽をするには、自分だけの特色があるべきだ。いい仲間や先輩、後輩ミュージシャンと共にしながら長く続けていくことが面白い。僕は時間が経っても音楽を続けていく人になりたい」

過去のチョ・ヒョンウは「どんな歌を歌えば人々に喜ばれるだろうか」を悩んだが、今のチョ・ヒョンウは少しずつ自分のものを探し続けている。そうだとして、大衆性も諦めることはない。「結果にプレッシャーを感じるより、楽しく活動している」と意気込んだ彼は「機会があれば小劇場で公演したい。これまで喉が渇いていた」と言った。一層気楽になったチョ・ヒョンウは人々に“良い音楽”を聴かせ、“良い感じ”を伝えるアーティストになる準備を終えた。

チョ・ヒョンウ、「偉大な誕生」の同期であるLADIES' CODE リセさんについて語る

誰もがそうだっただろうが、チョ・ヒョンウも9月、ガールズグループLADIES' CODEの交通事故を聞き、大変驚いた。LADIES' CODE のメンバーリセさんは、チョ・ヒョンウと「偉大な誕生」に一緒に出演し、縁を結んだ。

チョ・ヒョンウは「(リセさんの死去に)大変驚いた」と切り出した。彼は「(リセさんとは)プライベートでもたくさん会った。最後に会った時も最後まで飲み会に残るメンバーの一人だった」と伝えた。チョ・ヒョンウはリセさんについて「思ったより率直で虚心坦懐に話す友人だった。もっと長く見守り、仲良くなり、皆で長く続けていきたいと思った」と言った。

LADIES' CODEの交通事故が起きた9月3日は、チョ・ヒョンウの先行公開曲「Rain On Me」が仕上がった日でもあった。チョ・ヒョンウは「(この曲を)雨の日に書き、作業する度に雨がたくさん降っていた」とし「歌をすべて作ってモニタリングする時も雨がたくさん降っていたので『こんな感じ、いいな』と思い、雨音を録音して入れた」と当時を振り返った。

「雨が降りすぎて帰り道に一緒に作業した人々に『気をつけて帰ってください』と言ったのに……」と残念がっていたチョ・ヒョンウは「(リセは)同僚の中で最も優しくて、一番頑張っていた子だ。嫌いになれない人だった。まだ実感が沸かない。ただ、遠くに行っているような感じだ。良い人だったから良いところに行っただろうと思う」と付け加えた。

記者 : イ・オンヒョク