「バトル・オーシャン/海上決戦」イ・ジョンヒョン“久々の商業映画…こんなに出演料がもらえるんだっけと思いました”

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2年前に披露した「犯罪少年」とまもなく公開する「真面目な国のアリス」まで見ると、イ・ジョンヒョンは低予算、自主制作映画の常連俳優になったように見える。そんな中で彼女が「バトル・オーシャン/海上決戦」出演するということは、ファンにとって嬉しいニュースだったのではないだろうか。

出演は2年前に決定していたが、舌を切られて話せないチョン氏の役をイ・ジョンヒョンがどのように演じるのか気になったのは事実だ。結果的に李舜臣(イ・スンシン)役のチェ・ミンシクが映画の重量感を最後まで貫き、チョン氏役のイ・ジョンヒョンと彼女の夫で見張り番であるイム・ジュニョン役のチン・グは、匹夫の死闘を披露することで悲壮感を与える軸となった。出番は多くないが、二人は鳴梁海戦において決定的な功績を立てる。

「バトル・オーシャン/海上決戦」を演出したキム・ハン・ミン監督は、パク・チャヌク監督の「波瀾万丈」に出演したイ・ジョンヒョンを見た直後、彼女に会うことを望んだ。「次の作品にぜひ出演してください」という言葉が業界では「近いうちにご飯でも食べましょう」というお世辞のようになっているが、キム・ハンミン監督はその約束を守った。出番が少なかったり、台詞がないことは問題にならなかった。キャラクターに魅了されたイ・ジョンヒョンは、喜んで出演を決めた。実に久しぶりの商業映画への出演はこのように決まったのだ。

「チョン氏独自の手話を開発するのが課題だった」

「バトル・オーシャン/海上決戦」自体があまりにも規模の大きい作品だったため、プレッシャーも大きかったという。時代劇も中国の歴史ドラマ以来4年ぶりのことだった。イ・ジョンヒョンは「台本を受け取るとすぐにチョン氏として暮らした。撮影15日前からはすべての約束をキャンセルして、食事の量を調節して体重を減らした」と役作りについて話した。

16年前の映画デビュー作である「つぼみ」の時も、イ・ジョンヒョンは「君は演技を分かっていない」とチャン・ソヌ監督に怒られながら、田舎町で狂った少女のように暮らした女優だ。町の人たちがイ・ジョンヒョンを本当に狂った少女だと勘違いして、家に連れて行って風呂に入れ、ご飯を食べさせたことは映画業界では有名なエピソードだ。

「歴史書にチョン氏に関する記述があるそうです。実際は話せなかった人ではなかったようです。監督が映画的な仕掛けを作ってくれました。舌を切られて海に捨てられるところだった女性を見張り番が救い、一緒に暮らす設定です。当然、手話をするものだと思っていましたが、元々しゃべれない人ではなかっただけに、自分独自の手話を開発するようにと監督から課題をもらいました。それでも手話の基本は知っておくべきだと思って、YouTubeで歌謡曲を手話で歌っている映像を見ました。

その感性を参考に、チョン氏の状況を理解しようとしました。当時、数多くの女性が夫を戦場に送っていました。その時の気持ちを想像しながら撮影しました。現場では一人で演技しなければいけなかったので緊張もしました。元々一日中撮影する予定だったスカートを振るシーンが早く終わったので良かったと思っていましたが、絶壁を這い上がるシーンを追加しようと言われ、結局一日中撮影しました(笑) 幸いなことに、監督が絶壁シーンを入れてくださったんです」

自主制作映画のヒロイン?「良いキャラクターならいつでも歓迎」

出演作に愛情のない俳優はいないだろうが、特にイ・ジョンヒョンは深く役に入り込み、それだけ愛着を感じるほうだ。自信がストーリーをリードしていった「犯罪少年」とは違い、「バトル・オーシャン/海上決戦」ではチェ・ミンシクを始め、リュ・スンリョン、チョ・ジヌンらがいたためずっと心が楽だったと言うが、映画の編集中に周りから不安の声を聞いて、キム・ハンミン監督にすぐ電話をかけるなど、誰よりも気を揉んだ。

「悩みや不安はたくさんあったはずですが、映画的にうまく表現されたような気がして不思議でした。映画を見ながら、李舜臣将軍が戦った当時は、実際にどうだったのだろうと考えるようになりました。私たちは光化門(クァンファムン)近くの銅像、偉大なる英雄など、浅い知識しかないじゃないですか。その方の歴史を知ったら、映画の導入部からグッとくるものがありました」

映画の話だけで何時間も使う勢いだった。中国では歌手としても注目され、音楽活動もしているが、韓国でだけは女優イ・ジョンヒョンとして認められたいと願っていた。イ・ジョンヒョンは「いい作品をいつも待っている」と付け加えた。

「『犯罪少年』もそうでしたし、『真面目な国のアリス』もキャラクターが独特です。殺人の濡れ衣を着せられたある女性の人生を描きました。実は軽い役を演じたいとも思っています。一時期、低予算映画のシナリオが入りすぎて、きちんと見ることもできずに受け流していた時期がありました。『真面目な国のアリス』もその一つでしたが、パク・チャヌク監督がシナリオを見て勧めてくださいました。結局は出会う運命だったのです。

ストーリーとキャラクターさえ良ければ作品は選ばないので、事務所は快く思わなかったことも事実です。出演料ももらわずに撮影しましたから。『バトル・オーシャン/海上決戦』を撮影して、出演料といってお金を渡されてびっくりしました。『ああ、映画を撮ると、こんなに出演料がもらえるんだっけ』と思いました(笑) 撮影現場で演技をしてスタッフと焼酎を飲みながら、次の日の撮影について話し合う過程が幸せです。友情が深まらないわけがありません。演技への愛情もそれだけ大きくなりますし」

イ・ジョンヒョンには素朴な目標があった。「歌手活動で好きになってくれたファンもいるけれど、おばあさんになっても演技をしたい」というイ・ジョンヒョンは「大先輩のユン・ヨジョン先生、チェ・ブラム先生が素敵だ」と話す。商業映画の主人公であっても、記憶に残らない役を演じるよりは新しい姿を見せる役を演じたいという。未曾有のイ・ジョンヒョン、毎回彼女はそのようにして女優として成長していた。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル