QUEEN「SUPER SONIC 2014」で初の来韓公演…ブライアン・メイ“韓国のファンと疎通する瞬間を作りたい”

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QUEENは韓国人が一番好きなポップスターだ。嘘ではない。ラジオの関係者、レコード会社の社員に聞いてみると、韓国で最も地道に愛されているポップスターは、ビートルズとQUEENだ。QUEENのヒット曲「Play The Game」は最近、韓国のある自動車広告の宣伝文句とBGMに使われるくらいだ。その他にも「Bohemian Rhapsody」「We will Rock You」「We Are The Champions」「Somebody To Love」「DON'T STOP ME NOW」「Love of My Life」など、曲名を聞いただけでも胸をときめかせる珠玉の名曲が数多くある。QUEENの歌は私たちの空気のようなものである。

QUEENは8月14日、蚕室(チャムシル)総合運動場で行われるロック・フェスティバル「SUPER SONIC 2014」のヘッドライナーとして歴史的な初の来韓公演を行う。QUEENの来韓公演が確定した時、ファンたちは喜びと同時にフレディ・マーキュリーの代わりに誰が歌うのかに関心が高まっていた。その主人公がアダム・ランバートだ。アダム・ランバートがただフレディ・マーキュリーを真似するのではなく、それぞれの曲が持つ魅力を上手く生かしているのを見ることができる。今までジョージ・マイケル、ポール・ロジャースがフレディ・マーキュリーの空席を埋めていた。その中でもジョージ・マイケルが一番フレディ・マーキュリーに似ていたと評価された。重要な事実は、QUEENの曲は依然として私たちの胸の中に深く刻まれているということだ。公演が始まると、ステージの上にはアナム・ランバートが立っているだろうが、私たちの胸の中にはフレディ・マーキュリーがいるだろう。そして、私たちはQUEENの歌を一緒に歌うだろう。考えるだけで夢のようだ。来韓を間近に控えたギターリストブライアン・メイと書面インタビューを行った。

―QUEENは80年代初めにプロモーションツアーで韓国を訪れたことがあると聞いた。

ブライアン・メイ:私はまだ韓国に行ったことがない。フレディ・マーキュリーとジョン・ディーコンは以前プロモーションツアーで韓国を訪問をしたことがあるが、私は今回が初めてなのでとてもワクワクしており、興奮している。一度も行ったことがない国だが、すでに色んな情報を聞いたし、見知らぬ場所で見知らぬ人に出会うこと自体がとても素晴らしいことだ。私に与えられた機会なので、光栄に思い、感謝している。

―最近の近況は?

ブライアン・メイ:アメリカの半分以上を占める地域でツアーを行っている。現在まで12回の公演を終えたが、こんなに観客の反応が良いとは思ってもいなかった。観客たちの反応がとても熱くて、私たちが以前行った公演と同じく大きな感動を得ることができた。すべてのことが信じられないくらいに良い。今はカナダのモントリオール公演で、今日はフィラデルフィアの予定された公演のためにサウンドをチェックし、リハーサルのために現在飛行機を待っている。私たちはもう35歳ではないので、スケジュールが少し辛い時もある。だけどツアーのために健康に気を付けながら、最善を尽くしている。

―QUEENの歌は今でも全世界でビートルズの歌と共に最も多く聞かれるポップソングだ。「Play The Game」は最近韓国の自動車広告のBGMとして使われている。これについて、本人たちの気持ちが聞きたい。

ブライアン・メイ:私たちの内部に特別な何かがあって、その何かについて大きな信頼があったので可能だったと思う。デビューした当時、私たちは経験も企画会社も音楽に関する繋がりも何もなかったので大変だったが、バンドの中でメンバー同士、お互いの音楽的な価値を信じていたので、ここまで来れたと思う。自分の才能とメンバーたちの才能をお互い信じることはとても重要なことだ。

デビュー当時、こんなに世界的なロックバンドになるとは思っていなかった。おそらくQUEENには特別な何かがあったのかもしれない。QUEENは誰かが作ったバンドではなく、私たちが本能的にお互いに惹かれあって結成したグループだ。私たちはお互いの才能を発見して、相互補完的な問題を解決する時間を持てたことも幸いだったと思う。QUEENにとって新たな挑戦はお互いの作品と感性を理解して、共に音楽活動をしながら大衆と疎通することだと思う。私たちの音楽は私たちが必然的にロックスターになることではなく、とても個人的な音楽と思っている。言い換えれば、私たち自身が中心になる音楽ではなく、人々が中心になる音楽だと思う。人々が感じる夢、希望、野望、そして苦痛が歌の題材だったので、私たちの音楽が人々に感動を与え、普遍化したのだと思う。私たちの音楽が全世界から愛を受けていてとても嬉しく思い、感謝している。

私たちの曲が40年近く人々から愛されているとは。今でも人々が私たちの音楽を聞いて、愛してくれていることが信じられない。特に今回、非凡な才能を持っているアダム・ランバート(Adam Lambert)とのコラボを披露することになった。私たちが無理して探さなくても自然に特別な才能を持つ歌手アダム・ランバートと出会い、一緒に作業することになったのことについて、天意だと思っている。

―今回、アダム・ランバートがボーカルを務める。フレディ・マーキュリーが死去してから長い時間が経ったが、今でもファンに彼の存在が頭の中に深く刻まれている。アダム・ランバートがフレディ・マーキュリーの空席を埋めることには問題はないのか?

ブライアン・メイ:私たちが進んでボーカルを探したことはない。アダム・ランバートは知られたようにテレビショーを通じてデビューした。私はリアリティテレビショーが好きではないので見ないが、アダム・ランバートの特別な才能が認められ、多くの人々から「アダムの公演を見た方が良い。彼と一緒に音楽作業をすると完璧な公演になると思う」と連絡をもらった。そのような理由で、私たちはアダム・ランバートと何度か一緒に公演を行い、2~3年間一緒に音楽作業をした結果、一緒にツアーを行う機会が与えられた。また、このような良いチャンスが来ないかもしれないので、今回を機に是非一緒にツアーをしてみたかった。もう一度話すが、私たちは直接ボーカルを探したことがない。アダムはある瞬間、僕たちの目に留まり、本能的に一緒に作業することになった。

アダムとの呼吸はやはりぴったりだった。私たちとアダムは信じられないくらい呼吸が合っていて、彼の才能は無限大だった。アダムはとても面白い人で、人々を魅了する力がある。また、人間的な面で周りの人とも付き合いもよく、音楽的な面でも人間的な面でもよく合っていて、ミュージシャンとしても最高だった。特に、一緒に長い間ツアーをすると、長い間一緒に時間を過ごすので、お互いを好きにならなければならない。このような面で私たちはとても相性が良く、アダムのことが大好きだ。

―依然としてファンはフレディ・マーキュリーの不在を残念に思っている。QUEENにとってフレディ・マーキュリーはどんな存在なのか。

ブライアン・メイ:フレディ・マーキュリーと私は家族のようにとても近い間柄だったので、彼の不在はまるで兄を失ったような気持ちだ。私はフレディ・マーキュリーと共にしたすべての瞬間が一番幸せでプライドを感じた時なので、彼の精神を受け継ぎ、私たちが共にしたすべてのものを未来にも作っていくことが重要だと思う。私たちは化石ではなく、生きて進化しているので、フレディ・マーキュリーが私と人々と一緒にいると思いながら成長していると思う。

―ロック史上最高のバンドであるQUEENのメンバーであることは、あなたにとってどのような意味を持っているのか?今でも記憶に残っている、一番光栄で幸せだった瞬間があるとしたら?

ブライアン・メイ:世界最高のロックバンドであるQUEENのメンバーであるということは、私にとって光栄なことで祝福された気分だ。私たちは信じられないほど素晴らしい歴史を持っている。その中で一番光栄に思い、幸せだった瞬間を挙げると、10年前にイギリスのロンドンでエリザベス女王即位50周年を記念したGolden Jubilee Weekendの時にバッキンガム宮殿で国歌を歌った瞬間だ。同年、ロックンロール50周年を記念する年だったが、私たちがロックンロールを代表するアイコンのように思えた。その時、私が編曲した国歌とその他の曲も何曲か歌った。今考えてもその時はとても興奮したし、興味深い瞬間だった。一人で準備しなければならなかったので大変だったが、私にとって特別な一年だった。

―韓国で行う初公演に対してファンの関心はとても高い。どんな曲を歌うのか、特に韓国ファンのために準備した特別なパフォーマンスはあるのか。

ブライアン・メイ:初公演までどうしてこんなに長い時間がかかったのかよく分からない。ハハハ。今まで韓国で公演をする機会が一度もなかったが、やっと韓国で「SUPER SONIC 2014」を通じて私たちにチャンスをくれて感謝している。また、今回を機に私たちが公演できるようすべての装備とクルーが準備されていて、日本でもツアーを準備している。すべてを含めて私たちは数多くのリハーサルと公演を行い、肉体的にも精神的にも、そして音楽的な融合で現在最高のチームワークを築いている

―QUEENは数えられないくらい沢山の名曲を持っている。一番大切にしている曲があるとしたら?

ブライアン・メイ:私たちの曲はとても多様であるため、大切にしている曲を選ぶことはとても難しい。だけどその中で一曲だけを選ぶとしたら、フレディ・マーキュリーと最後に作業した「The Show Must Go On」だ。この作品はフレディ・マーキュリーの力を借りて作詞・作曲した曲だ。この曲はその当時、私たちのことを代弁してくれた特別な魔術のように作られた曲だ。その時は人生の中で一番楽しい瞬間だった。しかし、この曲でライブ公演を行っていた頃、フレディ・マーキュリーはこれ以上QUEENと一緒にステージ立つことができなかった。だが、アダム・ランバートがこの曲を信じられないくらい見事に歌いきった。そのような理由で「The Show Must Go On」という特別な魂を持つ曲を演奏するということは、私にとって大切な宝物と言いたい。

―ブライアン・メイのギター演奏は、QUEENのサウンドを象徴すると言っても過言ではない。今でも自分でギターを作って演奏しているのか。

ブライアン・メイ:私の名前で販売されるギターが現在、韓国で生産されている。そのギターたちは父と私が作ったギターを基にデザインされたものを生産し、私も父と一緒に作ったギターを今でも公演で演奏している。父との思い出が込められたギターでもあって、特別なサウンドと雰囲気を持っているので、いつも大切にしている。時々、ギターが私より有名だと思う時もある。ハハハ。私のギターが韓国で作られているため、韓国とは特別な縁があると思っている。今回韓国を訪れた時に、時間ができたら私のギターを作っている場所に一度行ってみたい。

―最後に長い間、QUEENの公演を待っていたファンに挨拶をお願いしたい。

ブライアン・メイ:韓国にはQUEENを愛する長年のファンが多いことを知っている。今回、韓国のファンに初めて会えるので興奮している。今回の機会を通じて韓国のファンと疎通できる瞬間を作りたい。おそらく今回の公演が歴史的に残ると思う。韓国のファンに会うことを楽しみにしている。

記者 : グォン・ソクジョン、写真提供 : ナインエンターテインメント