「朝鮮ガンマン」イ・ジュンギが新しいヒーロー像を見せる…「王女の男」を乗り越えられるのか

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もはや「『イ・ジュンギ』というジャンルになってほしい」と言われるほど、誰よりも“ヒーロー物”に特化した俳優イ・ジュンギ、そして空前のヒットを記録したドラマ「王女の男」のキム・ジョンミンプロデューサーが力を合わせた。KSB 2TVの新水木ドラマ「朝鮮ガンマン」は、朝鮮末期を背景に青年武士パク・ユンガン(イ・ジュンギ)が、愛する人々が銃の威力の前で虚しく命を落とすと、復讐のためにガンマンになることから繰り広げられるエピソードを描く。KSBでは2人の参加に「『朝鮮ガンマン』が過去の名声を取り戻せるターニングポイントになる」としながら“大ヒット”を期待する様子だ。

しかし、あいにく「朝鮮ガンマン」の課題は、彼らの“前作”だ。イ・ジュンギは「イルジメ【一枝梅】」をはじめ、似たような雰囲気のヒーロー物に複数出演してきており、キム・ジョンミンプロデューサーも「王女の男」で強い印象を残した。自身の過去を乗り越えること、これが彼らが直面した状況だ。これにキム・ジョンミンプロデューサーは19日に開催された制作発表会で「『王女の男』を誇らしく思うが、一方では『王女の男』を越えられる何かがあるだろうかと悩んでいる」と語った。

「私もどのような面で『王女の男』と差別化できるかを自身に問いかけています。それだけの成果を出せるのか、単純に視聴率だけでなく、質的な面で如何に作品を差別化できるのかを常に悩んでいます。但し『王女の男』が“朝鮮時代のロミオとジュリエット”とのコンセプトに合わせ、明確に恋愛に焦点を合わせたとすれば『朝鮮ガンマン』は、その時代を生きる若者たちの愛だけでなく、アクションヒーロー物であるという点にも焦点を合わせ克服してみたいと思っています。結果は後から評価を受けるでしょう」(キム・ジョンミンプロデューサー)


イ・ジュンギ&ナム・サンミ「犬とオオカミの時間」のカップルの7年ぶりの再会は?

「朝鮮ガンマン」に注目するもうひとつの理由は、ドラママニアたちの間で“名作”と呼ばれるMBCの「犬とオオカミの時間」のイ・ジュンギ&ナム・サンミカップルが7年ぶりに共演することにある。当時共演した俳優チェ・ジェソンもまた、パク・ユンガンの父であり、朝鮮最高の剣士パク・ジンハン役で「朝鮮ガンマン」に登場し、ドラママニアたちの郷愁を刺激すると思われる。

キャスティングのニュースを聞いた俳優たちはどのような気持ちだっただろうか。「いつか(ナム)サンミとまた共演したいと思った」とするイ・ジュンギは「切ない恋をしたが、結局結ばれずに終わり、成熟してからまた共演できればどうだろうかと期待した。お互いに歳をとり、たくさんのことを経験してから共演することになり、どのような感情を感じられるか、どのようなラブストーリーを視聴者に見せられるかとの思いで非常にときめいた」と語った。

「もちろん最初は心配もしました。あまりにもたくさんの方々から愛され、印象が強く刻まれている作品だったからです。しかし、もう7年も時間が経ちました。台本読み合わせが終わりお酒を飲みながら過去の時間について話しましたが、2人とも本当に色々なことを経験してきました。当時は初主演で緊張して、台本だけに充実した演技をしましたが、今は余裕を持って現場を自分のものと考えながら、もう少し配慮できる余裕もできました。最初は似ていると思われるかもしれませんが、時代が違うだけに、どんどん作品に入り込めるのではないかと思います」(イ・ジュンギ)

チョン・スイン役のナム・サンミもまた、イ・ジュンギについて「軍隊も行って来たのに、可愛くなった」とし「その時は若かったからか、お互いに演技をするだけでもいっぱいいっぱいだった。今はお互いに悪戯もしたり、兄妹になったみたい」と仲の良さをアピールした。続いて彼女は「台本読み合わせをする前までは私も『また切なく愛し、別れ、変わった姿に気づくことができない点で似ているので、陳腐なのではないか』と心配した」とし「しかし、台本読み合わせをしてみると、確実に違う。おかげさまで心配が消えた」と伝えた。

一方この日イ・ジュンギは「刀と銃が対立するということが、歴史的な意味もあるが、アクション的にも面白いと思う」とし、再びアクションヒーローに挑戦する覚悟を伝えた。イ・ジュンギは「自身が選択した作品は、アクションもあるがその中に強い意味がある」とし「個人的な希望だが、感情表現をしながらも、体を活用し人物の切実さや状況をもう少しダイナミックに視聴者に披露する時に刺激を感じる。歳をとるとしたくてもできないはずなので、できれば体を使う部分(アクション)はもう少し挑戦してみたい」と語った。

「僕が考える“ヒーロー”が、決まっているわけではありません。しかし、作品ごとに考えることですが、僕の作品を通じて抑圧されたり、つらい思いをしている方々が痛快な一撃を感じ、癒しを与えられて、カタルシス(解放感)と感動を与えることができれば俳優としては最高だと思います。そうしてたくさんの視聴者の方々に力になりたいです。それがヒーロー物のもっとも大きな長所ではないでしょうか」(イ・ジュンギ)


チョン・ヘビン&ハン・ジュワン、再び“挑戦”は始まった

誰も乗り越えられない富を手にし、朝鮮を牛耳りたいとの欲望を持つ女チェ・ヘウォン役のチョン・ヘビン、そして「ワン家の人たち」の次期作として「朝鮮ガンマン」を選択した俳優ハン・ジュワン(キム・ホギョン役)もまた、再び主演としての力量を試されることになった。

まず、チョン・ヘビンは「チェ・ヘウォンは冷たさから熱い欲望までを持っている立体的なキャラクター」とし「現存できない致命的で極端的なキャラクターになってほしい」と述べた。最近SBS「心臓が走る」で熱血救急隊員として活躍しているチョン・ヘビンは「活動服を着ていて韓服(ハンボク:韓国の伝統服)を着ると不便なのは当然だ。しかし、私のキャラクターからみると、不便なほうがあっていると思う」とし「火蛾のように(救助の現場を)走り回っていて、このようなキャラクターを演じることになり、最初は違和感があったがすぐに慣れた。熱血救急隊員だったことのように、熱血演技を披露できるよう、最善を尽くす」と付け加えた。

「初めて演技に挑戦した時は『歌手が演技とは何だ』『あなたの国に戻りなさい』という感じでした。ミーディングやオーディションに行くと「歌手のイメージ、バラエティのイメージが強すぎる」とも言われました。ストレスが大きく、暫くバラエティ番組にまったくでなかったほどです。しかし、ある瞬間アイドル歌手たちが演技をはじめ、彼らの波及力を通じて海外市場に参入する良い例ができて……それを見ると、私が一生懸命にドアを開いたので後輩たちが進出できたのではないかと前向きに考えるようになりました(笑)

実は、私の席だと決まったことはありません。視聴者に喜びを伝えようとする最初の目的は一緒だからです。私の場合、ゆっくり歩んで来ましたが、焦らず、楽しみながらうまくしていると思います。私はこのドラマを通じて本当に頑張りたいです。『朝鮮ガンマン』のチェ・ヘウォンは私の人生においてもっとも大きなターニングポイントになるキャラクターと決めておいたからです。この作品が“チョン・ヘビン”という俳優を見たときに、揺れる感じではなく、しっかりと根を下ろした感じを与える作品になればと思います」(チョン・ヘビン)

「依然として先輩の方々と撮影するときは緊張する」と語るハン・ジュワンは領議政(ヨンイジョン:朝鮮時代の官職名)の庶子(正式な婚姻関係にない両親から生まれた子供のうち、父親に認知された者)として生まれ、開化を夢見る革命家キム・ホギョン役を演じる。「生涯片思いをしてきたため、役割に深く入り込んだ」との冗談で話を始めた彼は「重い役割で負担も感じるが、挑戦だと思っている」とし「とりあえずの目標は、ホギョンという役をうまく演じること」と強調した。

「個人的には4人の主演のなかでキム・ホギョンとチェ・ヘウォンのペーソス(そこはかとなく身にせまる悲しい情感)がもっとも強いと思います。キム・ホギョンの開化を叫ぶそのエネルギーは、結局父の影の下で生きて来たコンプレックスから来るものだと思うからです。そのような重さと、愛する女性の恋が叶うよう、ただ見守ってばかりいる重さがあります。一番難しいのは、自分が経験したことのない人生を演じることです。そこで、キム・ホギョンをうまく演じることがもっとも重要な目標だと思います」(ハン・ジュワン)

「朝鮮ガンマン」は「ゴールデンクロス」の後続作品として韓国で25日の午後10時から放送スタートする。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ミナ、写真 : イ・ジョンミン