ユン・ソヒ、EXOのミューズから本物の女優になる

OSEN |

爽やかだった。華やかな春の日、赤いワンピースを来てガラスのドアを開けて入ってきた女優ユン・ソヒ(21)を見ただけでも爽やかな気持ちになった。妙な魅力のある容姿や、爽快な笑顔から春先のみずみずしさが伝わってきた。

ケーブルチャンネルtvN「ゴハン行こうよ♥」から総合編成チャンネルJTBC週末ドラマ「ダレになったチャン・グク:12年ぶりの再会」(以下「ダレになったチャン・グク」)、そしてKBS 2TV「ビッグマン」まで、ユン・ソヒの2014年はスタートから忙しいものだった。昨年11月から開始した「ゴハン行こうよ♥」の撮影を終えた直後から2本の作品に同時にとりかかり、「ダレになったチャン・グク」の子役撮影が終わった現在は、「ビッグマン」に集中している。似ているようで異なる3つの役柄には、女優ユン・ソヒの様々な魅力が溶けこんでいた。

先日OSENとのインタビューを行ったユン・ソヒは、女優として忙しく活動できる現在に対する感謝と共に、さらに大きい女優になるための努力等について話した。反対していた両親を説得して女優になった今の喜びや、難しい演技をうまくできるように勇気をくれた先輩の励まし、そして応援してくれるすべてのファンや家族。ユン・ソヒは多くのことに感謝していた。

KAISTの模範生、女優を夢見る

ユン・ソヒは“オムチンタル”(勉強ができて性格も良く、何でもできる完璧な人)だ。科学高校を卒業し、KAIST(韓国科学技術院)に在学中の有名な模範生だ。「ゴハン行こうよ♥」で見せた子供っぽく可愛らしい妹は、実は本が好きで大人しい少女だった。真面目に勉強だけしていそうな学生時代。ユン・ソヒはどうして女優を夢見ることになったのだろうか。

「女優になりたかったのは中学のころからでした。しかし、家で反対が激しかったです。とりあえず学生時代には勉強をして、大学に行った後にするようにと言われました。本当に運良く高校の入試が終わってジムに通っていましたが、その時スカウトされました。その後も両親が反対しましたが、私は1年ほど学校に通いながらソウルと大田(テジョン)を行き来しました。やろうとする意志を見せたかったのです。そんな姿を見て、母が所属事務所の関係者に会って話を聞いてみようと言ってくれました」

普段は歩くのが好きで、本屋で本を読むことが好きな少女。最も大きな逸脱は、大学1年の時のテスト期間中に友だちと全州(チョンジュ)にビビンバを食べに行ったことだと話すユン・ソヒには、ドラマで見せたかわいらしい妹のイメージとKAIST模範生の姿が同時に重なって見えた。

実はユン・ソヒが女優を夢見ることになったのは、母からの影響が大きかった。ユン・ソヒは、子どもの時から母に連れられたくさんの映画を見るようになり、「私も一度やってみたい」と思うようになったという。特に、ユン・ソヒは記憶に残る映画として、アン・ハサウェイ主演の「プリティ・プリンセス」を選んだ。

「小学生の時に『プリティ・プリンセス』を見て、自分もやってみたいと思うようになりました。映画でお姫様の教育を受けさせる内容がありましたが、母も『あなたもあのようにしなければいけない』と話しました。最初に関心を持った女優がアン・ハサウェイだったので、彼女の作品を一番多く見ているほうです」

たゆまぬ努力のおかげだったのだろうか。ユン・ソヒはデビュー作のKBS 2TVドラマ「剣と花」から強烈な印象を残した「ゴハン行こうよ♥」「ダレになったチャン・グク」そして「ビッグマン」まで、しっかりした演技を見せ、良い評価を得ている。

女優を夢見ていた少女、EXOのミューズになる

KAISTと共にユン・ソヒに付いて回るもう一つの単語は、ボーイズグループEXOだ。ユン・ソヒは、昨年EXOの1stフルアルバムで「Wolf」「Growl」のドラマ版ミュージックビデオに出演し、「EXOのミューズ」というニックネームを得た。特に、昨年末のMAMA授賞式ではEXOと特別パフォーマンスを披露し、注目を集めた。

現在最高の人気グループEXOとの出会いに、ファンたちから嫉妬の視線を受けたのではないだろうか。「EXOのミュージックビデオは昨年始めに撮ったものです。会社に手紙が来たりもしますが、嫉妬などはありませんでした。かえって、ミュージックビデオを見て私を知って、ファンになった方もいます」

デビュー作「剣と花」では1シーンしか登場せず、心残りがあったユン・ソヒは、EXOのミューズとして確実に顔を知らしめ、その心残りを払拭することができた。そして、それをきっかけに女優として一歩前に進むことができた。

「ダレになったチャン・グク」で女優ユン・ソヒを見る

ユン・ソヒは、昨年11月「ゴハン行こうよ♥」の撮影を開始した日からこれまで休むことなく走ってきた。連続で3本の作品に出演し、女優としても可能性を見せている。「ゴハン行こうよ♥」ではハツラツとしてかわいい妹だったとすれば、「ダレになったチャン・グク」では一歩進んで深い感情演技まで見せた。着実に女優として成長していく姿が見えた。

「ゴハン行こうよ♥」のユン・ソヒはモッパン(食べるシーン)で記憶される。ドラマの特性上、食べるシーンが多く、その中でもユン・ソヒはとりわけ可愛く美味しそうに食べ物を食べ、視聴者の食欲を刺激した。

「1シーン1シーン時間をかけて撮影しました。私はよく食べて、食べるのが好きなので大変だとは思いませんでした。最近『ビッグマン』でもいつも何かを食べるシーンが出てきます。撮影をしながら食事を取っています。ハハハ」

ユン・ソヒは、「ゴハン行こうよ♥」で新鮮な女優の登場を知らせ、「ダレになったチャン・グク」では主人公チャン・グクの子供時代を演じ、より深い姿を見せた。初回から父親を亡くした悲しみを表現した嗚咽演技で好評を得て、容易ではなかったはずの妊娠と流産の演技までこなした。

「(妊娠の演技について)一日中考えました。本を読んで台詞を覚えましたが、劇中のチャン・グクは高校生でしたので、その状況にぴったりのものを探すことはできませんでした。その時、ペ・ジョンオク先生が役柄に集中する方法を教えてくださいました。長く話してくださるわけではありませんでしたが、どうすれば理解できるか気づくようになりました。先輩と話した後にプレッシャーが多く減りました」

劇中で母子関係で共演したペ・ジョンオクとユン・ソヒ。ペ・ジョンオクは、ユン・ソヒにとって大きな支えになる存在だった。理解しにくい難しいシーンでアドバイスしてもらっただけではなく、本当の母のように、また先輩としてリードしてくれたという。

「実際に性格もクールで演技を非常に重要だと考えている方で、いろいろと教えていただき、リードしていただきました。本当の母に思えるほど優しいです。ペ・ジョンオク先輩と共演できてより多くのことを学ぶことができたと思うし、本当にたくさん助けていただきました」

「ゴハン行こうよ♥」で存在を知らしめ、「ダレになったチャン・グク」で女優としての可能性を証明したユン・ソヒは、2本の作品を終え、現在「ビッグマン」のソ・ヘラ役に集中している。一段階ずつ成長している姿を見せているユン・ソヒ。女優を夢見ていた模範生から、本物の女優になりつつある彼女は、これからまたどのような姿を見せてくれるだろうか。

「休まず、どんな役柄であっても、自身に与えられたものならやってみて、演技の実力を付けていきたいです。自分で見ても何が足りないかを大いに感じているので、たくさん見て勉強する時間も必要だと思います。できることなら、新人賞も受賞できるほど頑張りたいです」

記者 : ソン・ミギョン