Vol.1 ― 放送終了「密会」初恋のときめきを蘇らせてくれた年の差カップルのロマンス

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=JTBC
13日、「密会」が韓国で第16話を最後に幕を下ろした。サッドエンディングではなくハッピーエンドに近い開かれた結末であった。キム・ヒエは全てを捨てて自分の罪を償い、ユ・アインはそんなキム・ヒエを喜んで待つことにした。二人は将来を共にすることを約束し、その日を待つことにした。「密会」は吸引力を発揮して視聴者を引き寄せた。「密会」のおかげで私たちは今まで心から幸せだった。

◆キム・ヒエ&ユ・アインの嬉しい組み合わせ

「密会」はキム・ヒエに続きユ・アインが参加して話題となった。その上、ドラマの中で二人が20歳の年の差を乗り越えるカップルとして共演することが分かり、視聴者の関心が集まるのも当然のことだった。

キム・ヒエとユ・アインのケミストリー(共演者同士の相性)は、連日大きな反響を得た。二人は実際の年齢差を感じさせないほど抜群の呼吸を見せた。ピアノの演奏を通じて信頼関係を繊細な表情で表現し、感性を細かく生かした。実際にピアノの演奏をしているような感じさえ受けた。それほどディテールにリアリティを活かしたと評価されている。

キム・ヒエ、ユ・アインの二人の組み合わせは光を放った。どうしても敏感になってしまいがちな不倫という題材を、前だけを見て走り続けてきた芸術財団の企画室長と、自分の才能に気付かずに生きてきた天才ピアニストの音楽を通じた交感と切ない愛で美しく表現した。

◆聞く楽しさを与えてくれたクラシック音楽

「密会」はクラシック音楽を通じてドラマを見る楽しさと同時に聞く楽しみも与えてくれた。音楽抜きでは語れないドラマだった。キム・ヒエとユ・アインが初めて音楽を通じて感情を通わせたのはシューベルトの「ファンタジア」だった。他にも、最終回で暴走するキム・ヒエを止めたドヴォルザークの「ピアノ五重奏曲」、ユ・アインの共演曲として使われたラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」などがある。

クラシック音楽ではないが、ドラマ放送後に大反響を得たオールドポップにビリー・ジョエルの「Piano Man」があり、「密会」は視聴者の耳を楽しませ、音楽を通じて感情を刺激した。

◆初恋のときめき…20歳差を乗り越えるロマンスで代理満足

「密会」は中年の女性たちにときめきを届けた。平凡な日常の中で忘れていた初恋の思い出を蘇らせた。現実の世界では20歳差を乗り越える愛は一般的ではない。その分、中年女性たちの熱い反響を得ることができた。

不倫を正当化しようとするわけではない。ただドラマの中のヘウォン(キム・ヒエ)は適齢期にすべき恋をしたことがなかった。一足遅れて40代になって初めて自分を心から愛してくれる相手に出会い、初恋をした。これにより、彼女は全てを捨てることができた。ヘウォンとソンジェ(ユ・アイン)の恋は、人々がいつの間にか忘れていた初恋のときめきを蘇らせてくれた。

◆お金と権力の行く末?虚しいこと

「密会」はお金と権力の苦さを教えてくれた。持っているものがなく、享受できる全てを本当の自分のものにしたがっていたヘウォンという人物を通じて、私たちがいかにお金と権力に執着しているかを描写した。

ヘウォンだけでなく、ソ会長(キム・ヨンゴン)一家を通じて闇の勢力で動く社会を描いた。音大の不正に触れ、財団の不正、さらには一つのグループの不正まで絡み合う韓国社会のお金と権力について改めて考えさせられるきっかけになった。

「密会」は男女の恋だけでなく、人間の欲望をリアルに描き、最終的に“人生は虚しい”という教訓を与えた。これらの全てが愛という感情一つに勝てないということを皮肉った。特に最終回でヘウォンがこれまでの人生を振り返り、法廷に立って心から最後の陳述をするシーンは視聴者の胸を打った。

「私が行った犯罪行為は全て自分で選択したことでしたが、間違っていました。そのおかげで贅沢を味わうこともできました。それを本当の自分のものにしたかった。私が諦めた音楽の世界で権力を握りたいと思い、誰にもそれを奪われたくなかった。でもある日偶然、そういう人生を歩んできたからこそ失っていたものが私に問いかけた。『残りの人生をどう生きる?』と。私はその瞬間を鮮明に覚えています、私の人生における名場面でした。人生で初めて誰かが心から私に尽くしてくれた瞬間でした。その人はただ集中して掃除をしていただけでした。私のために綺麗に座れる場所を作ろうと頑張っていただけだったけれど、私はその時気づいた、私は誰からもそのような心のこもった行為を受けたことがないと。自分のことさえ成功のための道具として扱っていたと。私を虐待し、惨めにしたのは他でもない自分自身でした」

こうして「密会」はお茶の間に温かい教訓を残し、放送終了した。「密会」の後番組としてはドラマ「ソウルの月」の2014年版と言えるキム・オクビン、イ・ヒジュン主演の「ユナの街」が韓国で19日午後9時50分より放送がスタートする。

記者 : ファン・ソヨン