「さまよう刃」オ・ジョンセ&キム・デミョン&キム・ホンパなど“隠れた名俳優たちの共演”

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写真=CJエンターテインメント
映画「さまよう刃」が隠れた名俳優たちを公開した。

「さまよう刃」にはチョン・ジェヨンとイ・ソンミンなど優れた俳優たちが登場し、疑う余地のない演技力でスクリーンを圧倒する。そんな彼らと共に、キム・デミョン、チョン・ソクヨン、キム・ホンパ、オ・ジョンセに至るまで、忠武路(チュンムロ:韓国の映画界の代名詞)の名俳優たちが共演している。

観客たちに深い印象を残した俳優の一人が正にキム・デミョンだ。ミュージカル、演劇、映画まで、分野を問わず活動してきたキム・デミョンは、「さまよう刃」で違法動画の流通業者で違法売春を斡旋するヤン・テソプ役に扮した。

劇中でイ・サンヒョン(チョン・ジェヨン)の娘を殺害した加害者の少年の一人であるドゥシク(イ・ジュスン)とも親密な仲のヤン・テソプは、ドゥシクの行方を追って自分を訪ねて来たサンヒョンと出くわすことになる。キム・デミョンはこの映画でチョン・ジェヨンと生死を争う激しい戦いをリアルな演技で披露した。実際の喧嘩を彷彿させるこのワンシーンの撮影のために、キム・デミョンはチョン・ジェヨンと3日にわたり徹底的に息を合わせたという裏話だ。

名助演俳優チョン・ソクヨンの演技も光る。ドラマ「ミス・コリア」「帝王の娘 スベクヒャン」、映画「ランニングマン」などでドラマとスクリーンを行き来しながら活躍しているチョン・ソクヨンは、「さまよう刃」で加害者少年たちの犯罪に加担したミンギの父親役を演じた。

ミンギの父親は初めてイ・スジン殺害事件のニュースを聞いて加害者の少年たちを強く非難するが、その犯行に自分の息子が加担したことを知ってからは、刑事たちの前でミンギを庇う態度を見せる。彼の二重の姿は利己的でありながら、やむを得ない親の立場を見せ、観客たちに苦々しさを抱かせて多くのことを考えさせる。

また、オクグヮン(イ・ソンミン)の上司であるクチーム長役を演じたキム・ホンパは、劇団モクファで20年以上にわたって演劇舞台を守ってきたベテラン俳優で、映画「新世界」「男が愛する時」など多数の映画でしっかりした演技力を披露したかと思えば、「テロ,ライブ」では悪徳警察庁長役で印象深い熱演を繰り広げたりもした。

「さまよう刃」で彼は、ベテラン刑事として事件の調査チーム員たちを陣頭指揮する。被害者から殺人者になってしまったサンヒョンに対しては残念な感情を持つが、サンヒョンが追っているドゥシクが死んでしまうと警察の立場が難しくなると懸念する人物でもある。「子供たちが大人を殺すのはもうニュースでもないのに、大人が子供を捕まえるのは深刻だ」という彼の台詞は、観客に嫌な後味を残す。

エンディングのクレジットが流れる時になって、やっと思い出される意外な俳優もいる、オ・ジョンセだ。映画の中のどこにもオ・ジョンセの姿は発見できないが、エンディングクレジットには友情出演でオ・ジョンセの名前が登場する。役名すらない。それこそ脇役の友情出演を決めたオ・ジョンセは、厳然と刑事3役で映画の中に存在する。ドゥシクを追う父親サンヒョン、そして彼を追う刑事オクグヮン、さらに多くの警察たちまでもがドゥシクとサンヒョンを追い、息の詰まる追撃戦が繰り広げられる森の中のシーンで、オ・ジョンセは無線の声で短く登場する。

刹那の静寂の中で、オクグヮンの無線からふいに聞こえてくる「兄さん!逃しました!あの野郎、どこに行ったんだ」と叫ぶ声がまさにオ・ジョンセの声だ。映画を全て見終わってから分かるオ・ジョンセの声の出演は、観客に一味違った楽しみをプレゼントする。

このように「さまよう刃」は、隠れた名俳優らが各自の役割を忠実にこなして、さらに安定感のある作品として誕生することができたということだ。

記者 : イ・ウンジ