クァク・ソンヨン、BEAST ヤン・ヨソプ&ソ・ハジュンから同時に愛されるお姉さん?

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「フルハウス」でジウンを演じるクァク・ソンヨン

ミュージカル「フルハウス」のヒロインジウン役を演じる女優は、非常に忙しく走り回る。ギプスをはめては外すだけでは足りず、舞台裏で一瞬にして衣装も着替え続け、すぐに全く違う感情を演じなければならない。歌と演技だけでも忙しいはずなのに、舞台の1階と2階を、休む間もなくギプスをはめたまま上がり下がりする、おおわらわの役柄だ。

これまでラブコメから今さっき飛び出してきたような元気溌剌なヒロインの役を主に演じてきたジウン役のクァク・ソンヨンは、作品と人物に対する細かい分析のために、映像大学院公演芸術学科修士課程を勉強した。演技への情熱一つで、大学卒業シーズンにミュージカルのオーディションをノックしただけでなく、修士にまで欲を出したこの女優、聞こえてくる話では、自分の台詞でない他の俳優の台詞まで丸暗記してしまうほど、ディテールが細かい演技を誇る。

「『フルハウス』ヨンジェ、悪い男だけれど真心が感じられると思う」

―ミュージカルが、原作コミックとドラマと違う点はどこか。

クァク・ソンヨン:原作コミックをもとにミュージカルを作った。でも、原作コミックのヒロインの名前が英語だったので、ミュージカルの主人公の名前は、ドラマの中のヨンジェ(RAIN)とジウン(ソン・ヘギョ)をお借りした。また、ミュージカルの中には、原作にはないキャラクターも何人か出てくる。

―ジウンは、シナリオ作家である。第1幕でジウンが作ったキャラクターの物語を見せる時、2階でクァク・ソンヨンさんが本人の台詞でないにもかかわらず架空の人物たちの台詞をそのまま繰り返すシーンが印象に残る。

クァク・ソンヨン:演出家の意図ではなく、私がそのようなコンセプトを創りだした。リハーサルの時、私が繰り返すと想像の中の人物たちの邪魔になるかと思い、台詞を言わずじっとしていた。ジウンが作ったキャラクターの物語がうるさくてヨンジェが眠れないと愚痴を言うのは、作家ジウンが文章を書く過程で大騒ぎしたのではないかと考えてみた。じっと座って物を書くジウンではなく、書きながらうるさく騒ぎ続けるのをジウンのコンセプトにした。激しく台本を書くジウンの姿をお見せしたいと思い、2階で台詞を繰り返す。

―でも。このシーンで観客の視線を引くのは、1階のジウンの想像の人物たちの台詞だ。2階でのクァク・ソンヨンさんの繰り返し台詞は、観客には際立たない。努力に比べ惜しいとは思わないか。

クァク・ソンヨン:全く。自分の演技が邪魔になるなら、反対にそのシーンで台詞を繰り返さなかったと思う。1階の想像の人物たちに集中するのは、あたりまえだ。このようなディテールまで細かく見つけてくれて、感謝する(笑)

想像の人物の台詞は、覚えようとして覚えたわけではない。練習室で他の俳優たちが練習するとき繰り返していたら、自然に覚えられた。多くのミュージカル俳優たちがそうだが、ミュージカルをするたびに自分の歌と台詞でない、ほとんど全ての歌と台詞を覚えようとする方だ。2ヶ月間一生懸命練習すれば、自ずと他の俳優の歌と台詞まで覚えられる。

―練習室では感じられなかっただろうが、劇場では1階と2階を上がり下りする階段が狭くて苦労したことと思われる。

クァク・ソンヨン:練習室では、劇場に行ってやってみようではないか、という気持ちだった。第1幕の序盤で、ジウンは脚に怪我をしてギプスを巻く。ギプスをはめた状態でどのようにして1階と2階を上がり下りするかが心配だった。でも、思ったより大変でもなかったのでよかった。

もしセットが不便だったならば、ギプスをはめたまま自由に階段を上がり下りはできなかったと思う。実は、階段のシーンより大変だったのは、衣装を素早く着替えなければならないことだった。ギプスをはめては素早く外し、他の衣装に着替えるなど、スピーディーな切り替えが多い。ギプスをはめて外す練習をたくさんした。

―ジウンにとってヨンジェは悪い男だ。クァク・ソンヨンさんに悪い男風の恋が訪れたら。

クァク・ソンヨン:最近は悪い男が大勢(テセ:「勢いに乗っている」「ホットな」の意)だ。でも、悪い男からは魅力を見出せないと思う。善良な男が好きな方だ。でも、第3者の目には悪い男に映るが、ジウンはヨンジェから真心が感じられたので、好感を持ったと思う。私もやはり、他人の目には悪い男でも、彼の真心が感じられるなら付き合うと思う。

―BEASTのヤン・ヨソプさんとソ・ハジュンさんが、相手役のヨンジェを演じるが。

クァク・ソンヨン:ヤン・ヨソプさんは、アイドルなので多くのスケジュールをこなさなければならない。忙しいスケジュールの中でも、配役についての研究を続ける人だ。例えば、ヤン・ヨソプさんがスケジュールで日本に行ってきても『ヨンジェは、こうすればどうかな』と常にフィードバックを絶やさない。本人ならではのディテールな部分を解釈し、演技できるアイドルだ。

17日には、ソ・ハジュンさんとの初公演を行った。ソ・ハジュンさんは、ミュージカル俳優ではない、演技者だ。演技のきめ細かい部分を捉えることができる。他の俳優たちの練習を見ながら『愛のポイントを捉えるにはこうした方がいいわね』と一人で思っていたら、ソ・ハジュンさんから近づいてきては、「このシーンではこのようにしてはどうかな」と同じことを言う。

記者 : パク・ジョンファン、写真 : Story P